ちょっと気になった東京新聞の記事、二つ。
ネットいじめは日本だけのことではない。今月、イギリスの14歳の少女が自殺した。ネット投稿者から体型のことなどで日常的な暴言を受けていたという。
これに対して、イギリスのキャメロン首相は、いじめの温床となったSNSの利用をボイコットしよう、と、呼びかけている。
上記のニュースでは、英国首相自らが管理の行き届かない運営サイトを批判することで、注意が喚起された。
日本では、たしか福田前総理が、「子どもに携帯は必要ない」とさらっと言ってくださった。以来、私の好感度は、最近の自民党の総理の中では、福田さんがダントツ1位だ。と言っても、2位以下は思いつかないけれど・・
(参照:福田首相辞任と意識レベル)
しかも、最近は携帯より、スマホのほうが主流で、中高生のネット依存度もどんどん深みにはまっていく感じ。
いまさら言っても焼け石に水、暖簾に腕押しだけど、やっぱりネットはある程度の年齢がいってからの利用がいいのではないかと、個人的にはずっと思っています。
使用のソフトの面でいえば、顔が見えない匿名性が高いネットは、人の心の闇の部分、欲望、憎悪、嘲笑などが渦巻きやすいこともあり、心にも体にも害毒しか与えない。
大人になれば自己責任だけど、せめて、客観的に自分や世間を見られるくらいの年齢になるまでは、こういうネガティブな部分に触れてほしくない。
人の成長期には、絶対的な愛情の中で、この世界が信頼出来る、生きるに値する世界だということを心に刻みこんで欲しいから。
(参照:続・子どもと携帯~新潟県妙高市が小中学生に携帯を持たせないという提言)
と同時に、ハードウエアとしての、電子機器も、触れているだけで、体にとって、良くない影響を与えてしまうことがわかっている。はっきり言えば、成長期の子どもには、使用どころか触れさせたくもない。そばにも置いてほしくない。おばあちゃんからよ、とママがケータイを子供の耳に当てるのも、やめてほしい。
理想論と言われようが極論と言われようが、私は心からそう思うし。
(参照:子どもと携帯・ウィーン医師会の健康ルール10か条)
・・・とはいえ、教育の現場ですら、ネットを使った授業まである、時代の流れ。
おいらには、どうしようもないんだずぅ・・
もう一つの気になる記事は、東京新聞に連載されている「ネット依存の子どもたち」より。
中国だったか、以前見たテレビでも、少年がネット依存になって、強制的にやめさせようと親が取り上げたら、凶暴になり家具を壊すなど、狂ったように破壊的な行動をしている映像が流れていた。国を問わず、依存症になると同じ症状が出るらしい。
中国には少年少女をネット依存から更生させる施設があり、彼はそこに入って、ネットから離れ、規則正しい生活をしているうちに、暴れている時とまったく違う本来の自分に戻っていった。
記事にもあるように、ネット先進国韓国では、国を上げてネット依存症対策に取り組んでおり、それなりの効果もでているようだが、日本では、まだまだ対策が遅れている。
・・・なんて言うか、昨今の日本って、ゾンビを殺すゲームをしている本人がどんどんゾンビ化してゆき、現実の世界にゾンビが増殖してゆくような怖さがあると思うのは、私だけだろうか。
★関連サイト
ネット依存の子どもたち<上> 「つながり」に縛られ
ネット依存の子どもたち<下> 絶対悪視は逆効果
ネットいじめは日本だけのことではない。今月、イギリスの14歳の少女が自殺した。ネット投稿者から体型のことなどで日常的な暴言を受けていたという。
これに対して、イギリスのキャメロン首相は、いじめの温床となったSNSの利用をボイコットしよう、と、呼びかけている。
■英ネットいじめ 5人に1人経験 少女らの自殺相次ぐ
2013年8月14日
【ロンドン=石川保典】英国で昨年、子どもの五人に一人がネット上でいじめなどの嫌がらせを経験していたことが、英児童虐待防止団体の調査で分かった。英国では八月、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で中傷された十四歳の少女が自殺。キャメロン首相が、いじめの温床となっているSNSのボイコットを呼び掛けるなど波紋が広がっている。
この少女は、匿名で質問と回答をやりとりするSNSを利用。体形のことなどを中傷されたり、「自殺しろ」などの暴言をネット荒らしと呼ばれる投稿者から日常的に受けていたという。今月二日、自宅で首をつって自殺しているのが見つかった。
世界で四千万人が登録し、特に英国の十代に人気があるこのSNSでは昨年来、英国とアイルランドで十三歳と十五歳の男女三人が同様に自殺。投稿を監視する体制の貧弱ぶりが、かねて指摘されていた。キャメロン首相は「責任ある運営をすべきだし、こうしたサイトの利用をボイコットしよう」とメディアに発言。首相の呼び掛けに応じた大手企業が、このSNSでの広告を続々と撤退させている。
英BBC放送によると、児童虐待防止団体NSPCCが英国の十一~十六歳の一千人余りを調査し、約二割がいじめや性的なメッセージ、ストーカーなどの被害を受けていた。小学生のネット利用者が多いことも判明し、ネット利用を親が監視する必要性があらためて指摘されている。団体は十一月に調査の詳細を公表する予定。
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2013年8月14日
【ロンドン=石川保典】英国で昨年、子どもの五人に一人がネット上でいじめなどの嫌がらせを経験していたことが、英児童虐待防止団体の調査で分かった。英国では八月、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で中傷された十四歳の少女が自殺。キャメロン首相が、いじめの温床となっているSNSのボイコットを呼び掛けるなど波紋が広がっている。
この少女は、匿名で質問と回答をやりとりするSNSを利用。体形のことなどを中傷されたり、「自殺しろ」などの暴言をネット荒らしと呼ばれる投稿者から日常的に受けていたという。今月二日、自宅で首をつって自殺しているのが見つかった。
世界で四千万人が登録し、特に英国の十代に人気があるこのSNSでは昨年来、英国とアイルランドで十三歳と十五歳の男女三人が同様に自殺。投稿を監視する体制の貧弱ぶりが、かねて指摘されていた。キャメロン首相は「責任ある運営をすべきだし、こうしたサイトの利用をボイコットしよう」とメディアに発言。首相の呼び掛けに応じた大手企業が、このSNSでの広告を続々と撤退させている。
英BBC放送によると、児童虐待防止団体NSPCCが英国の十一~十六歳の一千人余りを調査し、約二割がいじめや性的なメッセージ、ストーカーなどの被害を受けていた。小学生のネット利用者が多いことも判明し、ネット利用を親が監視する必要性があらためて指摘されている。団体は十一月に調査の詳細を公表する予定。
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上記のニュースでは、英国首相自らが管理の行き届かない運営サイトを批判することで、注意が喚起された。
日本では、たしか福田前総理が、「子どもに携帯は必要ない」とさらっと言ってくださった。以来、私の好感度は、最近の自民党の総理の中では、福田さんがダントツ1位だ。と言っても、2位以下は思いつかないけれど・・
(参照:福田首相辞任と意識レベル)
しかも、最近は携帯より、スマホのほうが主流で、中高生のネット依存度もどんどん深みにはまっていく感じ。
いまさら言っても焼け石に水、暖簾に腕押しだけど、やっぱりネットはある程度の年齢がいってからの利用がいいのではないかと、個人的にはずっと思っています。
使用のソフトの面でいえば、顔が見えない匿名性が高いネットは、人の心の闇の部分、欲望、憎悪、嘲笑などが渦巻きやすいこともあり、心にも体にも害毒しか与えない。
大人になれば自己責任だけど、せめて、客観的に自分や世間を見られるくらいの年齢になるまでは、こういうネガティブな部分に触れてほしくない。
人の成長期には、絶対的な愛情の中で、この世界が信頼出来る、生きるに値する世界だということを心に刻みこんで欲しいから。
(参照:続・子どもと携帯~新潟県妙高市が小中学生に携帯を持たせないという提言)
と同時に、ハードウエアとしての、電子機器も、触れているだけで、体にとって、良くない影響を与えてしまうことがわかっている。はっきり言えば、成長期の子どもには、使用どころか触れさせたくもない。そばにも置いてほしくない。おばあちゃんからよ、とママがケータイを子供の耳に当てるのも、やめてほしい。
理想論と言われようが極論と言われようが、私は心からそう思うし。
(参照:子どもと携帯・ウィーン医師会の健康ルール10か条)
・・・とはいえ、教育の現場ですら、ネットを使った授業まである、時代の流れ。
おいらには、どうしようもないんだずぅ・・
もう一つの気になる記事は、東京新聞に連載されている「ネット依存の子どもたち」より。
■ネット依存の子どもたち<中> 依存患者 5年で3倍に
2013年8月16日
「ずっと大事に育ててきたのに…」。高校三年生の長男(17)のネット依存に苦しむ自営業の女性(50)は嘆く。小学生のころはスポーツ好きで、多方面に興味がある子だった。塾通いを始めた小学五年生のころ、「友達に借りた」と、小型ゲーム機で遊び始めた。
中学は、偏差値トップレベルの私立の中高一貫校に入学。ところが、新しい仲間になじめずゲーム機にはまり込み、成績は急落。不登校に。ゲーム機を没収しても、隙を見て親の金を盗み、新品を買ってきた。
中二からはテレビ画面を使ったオンラインゲーム漬け。親から見ると、毎日朝から晩まで、何時間も「殺りく」しているように見える。ネットを遮断すると壁を壊し、物を投げて暴れる。ネットカフェから帰ってこなくなり、飲まず食わずで動けなくなることも。
「生きづらさからネットの世界に逃げ、戻ってこなくなった。子どもがネット依存になったのも、結局は母親のせいにされる。孤独な闘いが六年続き、私もボロボロです」
◇
「ネット依存は全体として低年齢化している」と、ネット依存の治療に取り組む成城墨岡クリニック(東京都世田谷区)の墨岡孝医師(66)。患者は高校生、大学生が中心だが、中には十歳の小学生もいるという。昨年は二百三十二人が受診。五年前の三倍近くになった。
ネット依存の定義は確定していないが、少なくともネットによって日常生活や社会生活に障害が起こることや、自分の力ではコントロールできず、ネットが手元にないとパニック状態になることなどが問題という。
自律神経のバランスが崩れ、体調不良になったり、現実の自分とネット上の自分との区別ができなくなったりすることもある。「バーチャルの友達は増えるが、現実の友達が少なく、人間関係が希薄」と墨岡さん。
二年前にネット依存外来を開設した久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)の推計では、ネット依存が疑われる成人は全国で二百七十一万人。依存者は未成年者に多いため、実際はこれをはるかに上回るとみられる。同センターの外来患者も徐々に増え、昨年度末までに百二十六人が受診。十代が半数以上を占めた。
日本には専門の医療機関が少ない。同センターの患者は深刻なケースが目立ち、北海道や九州など遠方からの受診も多い。専門外の医師から「好きなだけネットをやれば、必ず飽きる」と言われ、悪化していたケースもあるという。
一方、ネット先進国で依存問題にも国を挙げて取り組む韓国では、全国に数百カ所のカウンセリングセンターや二十四時間体制の電話相談などがあり、電子メディア持ち込み禁止の寄宿治療「レスキュースクール」の取り組みもある。二週間近くの泊まり込み生活で、スポーツや工作などのプログラムを楽しみ、規則正しい食生活を送ることで、ネット依存を治す効果が上がっているという。
久里浜医療センターでも、生活リズムを整える認知行動療法プログラムのほか、通院中の子どもがネットなしで一日を過ごす「デイケア」を始めた。担当の中山秀紀医師(40)は「日本ではまだ研究が始まったばかり。まず、ネットが依存性の高いものだと知ってほしい」と話している。
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2013年8月16日
「ずっと大事に育ててきたのに…」。高校三年生の長男(17)のネット依存に苦しむ自営業の女性(50)は嘆く。小学生のころはスポーツ好きで、多方面に興味がある子だった。塾通いを始めた小学五年生のころ、「友達に借りた」と、小型ゲーム機で遊び始めた。
中学は、偏差値トップレベルの私立の中高一貫校に入学。ところが、新しい仲間になじめずゲーム機にはまり込み、成績は急落。不登校に。ゲーム機を没収しても、隙を見て親の金を盗み、新品を買ってきた。
中二からはテレビ画面を使ったオンラインゲーム漬け。親から見ると、毎日朝から晩まで、何時間も「殺りく」しているように見える。ネットを遮断すると壁を壊し、物を投げて暴れる。ネットカフェから帰ってこなくなり、飲まず食わずで動けなくなることも。
「生きづらさからネットの世界に逃げ、戻ってこなくなった。子どもがネット依存になったのも、結局は母親のせいにされる。孤独な闘いが六年続き、私もボロボロです」
◇
「ネット依存は全体として低年齢化している」と、ネット依存の治療に取り組む成城墨岡クリニック(東京都世田谷区)の墨岡孝医師(66)。患者は高校生、大学生が中心だが、中には十歳の小学生もいるという。昨年は二百三十二人が受診。五年前の三倍近くになった。
ネット依存の定義は確定していないが、少なくともネットによって日常生活や社会生活に障害が起こることや、自分の力ではコントロールできず、ネットが手元にないとパニック状態になることなどが問題という。
自律神経のバランスが崩れ、体調不良になったり、現実の自分とネット上の自分との区別ができなくなったりすることもある。「バーチャルの友達は増えるが、現実の友達が少なく、人間関係が希薄」と墨岡さん。
二年前にネット依存外来を開設した久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)の推計では、ネット依存が疑われる成人は全国で二百七十一万人。依存者は未成年者に多いため、実際はこれをはるかに上回るとみられる。同センターの外来患者も徐々に増え、昨年度末までに百二十六人が受診。十代が半数以上を占めた。
日本には専門の医療機関が少ない。同センターの患者は深刻なケースが目立ち、北海道や九州など遠方からの受診も多い。専門外の医師から「好きなだけネットをやれば、必ず飽きる」と言われ、悪化していたケースもあるという。
一方、ネット先進国で依存問題にも国を挙げて取り組む韓国では、全国に数百カ所のカウンセリングセンターや二十四時間体制の電話相談などがあり、電子メディア持ち込み禁止の寄宿治療「レスキュースクール」の取り組みもある。二週間近くの泊まり込み生活で、スポーツや工作などのプログラムを楽しみ、規則正しい食生活を送ることで、ネット依存を治す効果が上がっているという。
久里浜医療センターでも、生活リズムを整える認知行動療法プログラムのほか、通院中の子どもがネットなしで一日を過ごす「デイケア」を始めた。担当の中山秀紀医師(40)は「日本ではまだ研究が始まったばかり。まず、ネットが依存性の高いものだと知ってほしい」と話している。
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中国だったか、以前見たテレビでも、少年がネット依存になって、強制的にやめさせようと親が取り上げたら、凶暴になり家具を壊すなど、狂ったように破壊的な行動をしている映像が流れていた。国を問わず、依存症になると同じ症状が出るらしい。
中国には少年少女をネット依存から更生させる施設があり、彼はそこに入って、ネットから離れ、規則正しい生活をしているうちに、暴れている時とまったく違う本来の自分に戻っていった。
記事にもあるように、ネット先進国韓国では、国を上げてネット依存症対策に取り組んでおり、それなりの効果もでているようだが、日本では、まだまだ対策が遅れている。
・・・なんて言うか、昨今の日本って、ゾンビを殺すゲームをしている本人がどんどんゾンビ化してゆき、現実の世界にゾンビが増殖してゆくような怖さがあると思うのは、私だけだろうか。
★関連サイト
ネット依存の子どもたち<上> 「つながり」に縛られ
ネット依存の子どもたち<下> 絶対悪視は逆効果