はなねこ山 Ⅱ

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オオイタビの花嚢と 受粉のしくみ

2020-12-02 | 花と実、自然

 

暖地の崖を覆っている オオイタビに、実のようなものが見えました。

 

 

オオイタビは イチジク亜属で、雌雄別株

私たちがイメージする 一般的な花はつけず

実のように見える 花嚢の中に、雌花 雄花 虫えい花 があります。

 

 

 

 

 

雄花嚢には 雄花と虫えい花、雌花嚢には雌花が 入っていて

外見上は、雄花嚢か雌花嚢かは わかりません。

 

 

落ちていた実(?)を割ってみると

これは 雄花嚢でした。

 

 

クリーム色が雄花、ピンク色が コバチが産卵する虫えい花です。

落ちていたなかには、雌花嚢は 見つけられませんでした。

熟すまで 木についているのでしょうか。

 

 

 

  ~  イチジク亜属の 受粉システム  ~ ~

 

イチジク亜属(イチジク、イヌビワ、オオイタビなど)は雌雄別株で

雄花嚢には雄花と虫えい花、雌花嚢には雌花が入っている。

 

受粉を担うのは、イチジクコバチ科のハチで

雄花嚢に入り込んだ雌は、虫えい花に産卵し

花嚢内で羽化したコバチはそこで交尾し、雄は花嚢の中で一生を終える。

雌は、雄花嚢の口部付近にある 雄花の花粉をつけて外に出ていく。

 

外に出た 雌のコバチが雄花嚢に入れば、そこで産卵し

若い雌花嚢に入り込んだ場合は

花柱の長い雌花には 産卵できず、花粉を渡すだけで、実ができる。

 

というサイクルで

雌が どちらの花嚢に入るかの確率は 五分五分だそうです。

うまくできていますね。

 

 

   ~  他のイチジク亜属  ~ ~  ~ ~ 

 

★ イヌビワ                           

            

 

 

★ イタビカズラ                       

                 (葉は拡大します)

 

★ ヒメイタビ                       

                 (葉は拡大します)

 

 

それぞれの名にある 「イタビ」とは、イヌビワのことで

イヌビワは ビワの仲間ではなく、イチジクの仲間なのでした。

 

 

 

  ~  日本にあるイチジクの木  ~ ~ ~

 

尚、日本では 寒さのために イチジクコバチは生育できず

受粉しなくても果実を形成する「単為結果性」の木を栽培しているとのことです。

 

 

 

参考 *******************************************************

 

 身近なイチジク属の植物の教材化    

-花嚢に共生するイチジクコバチ類を通して-

 

 JAグループ 福岡「アキバ博士の食農教室」

イチジクは花がないの?

 

 「知識の宝庫!目ガテン!ライブラリー 」

https://www.ntv.co.jp/megaten/archive/link/right_library.html

「植物ジャンル」から 下のページを開いてください。

#797  2005.9.11 放送

 

コメント (4)    この記事についてブログを書く
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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは (多摩NTの住人)
2020-12-04 08:18:02
偶然同じ日の掲載でしたね。葉っぱは見つかるのになかなか果実が見つからず、やっと見つけました。
返信する
多摩NTの住人さん♪ (はなねこ)
2020-12-04 16:00:15
こんにちは!
何だか申し合わせたみたいですね。びっくりしました。
オオイタビもイタビカズラもヒメイタビも、若い未熟な花嚢、産卵後、受粉後
と、いろいろな段階のものが観察できるといいのですが
いかんせん個体数が少ないので難しいですね。
多摩NTの住人さんは、近くで見つけられて、さすがですね。
返信する
私の住むところが北限 (やく)
2020-12-04 17:32:39
イヌビワが近所の公園にあり、コバチのことを教わりました。自然の仕組みってすごいですね。
千葉県北部がイヌビワの北限と聞きましたが、温暖化のせいでさらに北上しているらしいです。
返信する
やくさん♪ (はなねこ)
2020-12-04 21:07:16
こんにちは!
自然の仕組みはほんとに 素晴らしいですよね。驚くことばかりです。
イヌビワは紫黒色に熟すと食べられるようですね。
でも、雌のイヌビワコバチが一匹入っている・・・
そして、千葉県北部がイヌビワの北限でしたか。図鑑では関東以西になってますね。
教えてくださってありがとうございます。
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