嘘の吐き方(うそのつきかた)

人はみんな嘘をついていると思います。僕もそうです。このページが嘘を吐き突き続ける人達のヒントになれば幸いです。

願いがわかった

2008年10月04日 22時34分56秒 | 
僕がずっと何を望んでいたのか。
なぜ、僕は自分の呼吸を大事にしていたのか。

なぜ、がむしゃらに、嘘のない言葉を求めたのか。
なぜ、プライドの高い感情的な女性を求めたのか。

それらが結びついて答えがでた。

僕は、自分の心臓で、僕の鼓動で相手を鼓動させたいんだ。
僕の胸の高鳴りで
僕の心の迷いの振動で
相手に同じ周波数を伝えたいんだ。

僕だけの胸の周波数で
僕だけの鼓動を伝えて
相手に心を伝えたいんだ。

愛とか恋とか、そんな言葉じゃなくて
赤ん坊が母胎を求めるように
僕だけの鼓動で宇宙を満たして一体になりたいんだ。
だから僕は、孤独の宇宙を求める。
他者を求めながら、自分と同じであることを求めるこの矛盾。

ずっと安心したかった。
誰かと同じ呼吸をしたかった。
すべてが僕とひとつになりたかった。

ぜんぶぜんぶ終わっていく。
なにもかもが儚く終わっていく。
はじまりのあの穴に向けて。
生まれた世界への亀裂の穴に向けて。
外と出会った初めての瞬間に向けて。
すべてが終わっていく。

だからこんなにも、書いている僕が、
読んでいる僕とひとつになりたいんだ。
だから僕と君が、同じ一つの嘘であることを証明したいんだ。

自意識と他意識が、おなじ一つの嘘を源泉にしていると、
解き明かしたかったんだ。

鏡が割られていく。
今日という時代が終わり、
明日が来る

そのことを感じるために、
ぼくは今を感じている。

明日君と出会えるかもしれないから
今日は僕でありたいとおもう。

静かに、そっとしずかに。

継続することがつらい

2008年09月20日 21時26分15秒 | 考え事
心が空っぽで
なにもできないままに一日が過ぎた。

どうしてだろう
あと少し、何かを頑張れば、何かに届きそうな気がしていたのに。

生活は日々おそろしく順調で
誰とも問題を起こさず楽しくこなしている
世界中のすべての問題を放り投げて、
まるで人生を遺棄したネズミのように
日々、小さな問題に笑ったり楽しんだりして。

だけど実際には、
ずっとどこにも届かない空っぽの心を感じてる。

失ったものはいっぱいあった。
手に入れたものは一つも無かった。
後悔の暗雲だけが、いつも僕の心を覆っている
何を投げ出したんだろう
何を壊したんだろう
何から逃げたんだろう
何を痛がってたんだろう

投げ出したのは彼女へと続く道。
壊したのは他人からの期待。
逃げたのは自分の志から。
痛かったのは君たちすべての人の気持ち。

僕は…
僕は弱い。

何度もそう思う。
自覚するたびに、生きてる事がおそろしくなる。
つらいのは、僕だけじゃないって、
わかっているはずなのに…
きっと、なんにもわかってないんだ。
君たちひとりひとりから、痛みを受け取ることさえ怖くて。
僕はずっと、うつむいている。

誰とでも目を合わせられるのに
誰とでも話せるのに
誰の心もわからない
何も感じられないし、
何も理解したくない。

人の気持ちを知って、自分の形が変わるのが怖い。
死ぬことも生きることも、
悩みの答えを出すのも怖い。

生きてきたツケを払わされる罪におびえている
生きているだけで罪を感じる 僕は敗者。
負けっぱなしの生存者。

継続していることがつらい。
すべてを投げ出したい。
なにもしたくない。
誰にも会いたくない。
なのに、君にすがりたい。

壊れていく自分がこわい。
なんでどこにも触れられないんだろう。

ぼくは、ここで生きているはずなのに。

……。

君の、鼓動を聞きたい。
僕の胸は、心を、探している。

名前をつけわすれるくらい、考えることを忘れていた。

2008年09月19日 06時31分44秒 | 考え事
ずっと、何か出来るような気がしていた
道に迷いっぱなしで、最初に戻ることさえ、できない僕たちなのに。

明るい色通りを抜けて凱旋門の角を曲がって
贅沢でしみったれた生活する街を横目に眺めて通り過ぎるのが僕の役目だった。

いま、演技することを辞めれば、おそらく僕はおろされるんだろう
きっと偶然の事故かなにかで、すっかり誰からも忘れられてしまうんだろう
それだけは怖かった。

力ない両手が 動くこと「だけ」を確認する
きっとなにかできると、なんども自己暗示にかけて暗い足取りで歩き出す。
贅沢でがらんどうの街を通り過ぎる
僕のために用意された街は無いけれど、僕に気付かないでいてくれる街くらいならある。
何も煩わしいことなどない。ただ誰も知らないだけだ。
誰もが誰もを知らなくて、そしらぬ顔で通り過ぎるだけが街の役目なのだ。

役目を、果たさなければならない。

このみじかい時間に、できるだけ何かを考えて、
できるだけ、誰かをサポートせねばならない。
一滴の自ら生まれる振動も、遠くから見つけることで波紋と呼ばれる
自らが、水であってはいけないのだ。

歩き続けよう。
「あと少し」「あと少し」と いつも自分を励まして。
無くならないものなどないとわかりきっているはずなのに
どこかで自分がなくなることを期待している僕がいる

遠くの風景を眺めて、まるで地元の人のように、近くで笑った。
君たちはいつも遠いけれど
君のことを「動くモノ」として目で追ってしまう。
やつれた未来だけを頼りに、流転を思い出そうとしても、僕らにまだ声は聞こえない。

いつまでこの世界をしょいこんでいるんだろう
せかいなんて、最初からありはしない場所のことだったのに。

プライドを亡くしてもなお、肉体が燃える炎の中で。

2008年09月01日 00時32分24秒 | 考え事
窮屈な観念に閉じ込められて、親の価値観から出る事も、日本の価値観から抜け出す事も、
何もできなかった僕を外から誘い出してくれたのはアッシュだったけれど、
僕は彼の期待に応える事はできなかったし、
そもそもが彼の期待に応えようなんて思いや考えは無かった。
何を期待されているのか、察する事さえ無かったし
そんな事はどうでもいいことだった。

ただ、僕は家族からも友達からも隔絶された外の国で
毎日うろうろ歩き回ってただ、その街の景色や、道路や、店や映画館や
港から見えるフェリーや島の形を見ながら、
明日を選ぶことのできない自分の形を見つめていた。

あのときから、何が変わったのだろうか
僕は自分を変えることもできなかったし
新しい未来を選ぶこともできなかった。
漠然と移りゆく未来の中で
どうしようもない無力さの中で
ただお金と街の無関心だけが僕を守った。

誰も僕に干渉してこなかった事で
僕はいかに自分が無力で何もできない人間なのかを知った。

人に支えられて生きている事は知っている
だけど、ただ知っているだけだった。
僕は誰かを支えようと思うだろうか。
今は、ほとんど思っていない。
期待される事からは、逃げている自分を見つめている。

明日を作る事も、
未来を選ぶ事も諦めたなら、
もう僕に若さや生命力は無いんだろう。
だけど、自ら死を選ぶ力強ささえも無くしたなら、
一体僕は、誰を殺せる?誰を愛せる?

見えない今につつまれて、
100%の理想を夢見るような子供の時代は終わった。
だけど、それでもなお、
僕は現実を見ていない。
僕以外の人に見える景色を知らない。
僕以外の人の心に移りゆく真実も知らない。

君から伝わってくる気持ちさえ、
まるでまやかしかなにかのように、
陽炎のようにゆらいでいく風景の一部になる。

僕の明日はどこから来るのだろう。
食べた口から来る内部の真実だろうか。
それとも、外から吐き出された、
世界の裏側の排泄物に過ぎないんだろうか。

宇宙の主観と客観が入れ替わるとき、
ゆっくりと訪れる現実が【死】と呼ばれる観念なら、
僕はいったい、日々何に食われているのだろう。
この世界から、いつも失われ続ける嘆きの声はなんだろう.

僕の使命を果たさねばならない。
誰からも命じられる事の無い、
神を殺す力を作り出さねばならない。
全ての聖書を灰にするような、真実の力だけが、
僕の命の価値になる。

やさしさを、浮かび上がるように求めて。

2008年08月30日 01時43分28秒 | 
やさしさは僕が求めるものじゃなくて
君が発見するものだから
だから僕は出来る限り
いつも自分に正直でありたいと思うよ。

君がつらいとき、僕から感じ取るもの、
あの曖昧でつつましやかな
緑の音。
それが僕のやさしさなら
僕はただ、そこに溶け込んで緑でありたいと思うよ。

すがすがしい青空から、
僕が孤独に感じる心がやさしさなら
僕は君に、それを発見しないで欲しいよ。

誰もが立ち止まり
誰もが無言で僕を見つめる白い目線がやさしさなら
僕はそれを、やさしさとはよびたくないよ。

でも、きみはやさしいね。
僕が話しかけるとき、静かに僕の方を見る君は
いつも僕にやさしい。

それは、僕の個性なんだろうか
きみの、個性なんだろうか。

君は白くて優しい人。

僕はそれを想って、ひとりで自分にやさしいだけのひと。

切り取られた、フィルムのような囁きの中で。

2008年08月24日 12時52分03秒 | 
からからに乾いた土曜日の午後、ただ僕は日曜日を感じてる
二つの蝶番がめくれてひょっこりと空気をこの世界に送り出す。
本当に不思議だけれど食欲を増進しようと暴れ回るよりは
ただずっと君の側で水になって佇んでいたいと思う
ただ、媒介となって誰かから誰かへ手紙を受け渡すようにそこに孤独はあるから。
伝えたい想いから、伝えたい想いへと、かかれているとき、
言葉は、必死なほどに荒れ狂うほど孤独だ。

手紙を、君に届けたいと思ったんだ。
真っ白なノートを 一枚だけやぶって世界のほんの一握りの印にしかならないような、奇跡の味を、
ここに記すことで、誰かが誰かとして、許されるんじゃないかと
そんな気配さえ、淀んだ夢の中で囁けたから。

動的な世界の表象をすくいとって、
ただやぶからぼうにぬぐぅと静止した一面性を取り出す嘘ばかりを言葉に固めて。
握られた紙屑みたいな十円玉の決意を心に秘めて。
ただ、僕は、手紙に白い奇跡の味を託した。

落ちていく雫の中に、まるでつややかな世界のすべてが映り込んでいるような、
そんな真剣のような鋭い真実を求めて。

ただ僕は、君を殺して、僕を僕でない何かに変えたかった。

それが冷たい囁きだったなら、ただ僕は、響きとして、この世界に残存する魂だ。
エクレアのような甘い時間が、蜘蛛の巣のように白い意味にからめとられていったなら、
僕は君のために、誰も知らない孤独を囁くだろう。

透明な世界の王者に君臨して、ただ宇宙と溶け合うだけだ。

感動が世界をそよがせてゆく風になるたびに
ただ僕は私から切り離され、俺から切り離され、僕としてそこに残存していく
置いていかれた魂になる
短いアンテナを土の中に張って
何年も何万年も奇跡の羽化を待つセミのように静かな素数になる。

たとえば回転する花びらのように
たとえば末広がる葉っぱのうずまきのような
真剣なゆったりとした一部始終のために。

生命の形を、君の居る場所に映し込むひいらげた予定調和のように。

木星の、あじさいを探しにゆこう。

そこで僕達は、勇気と友達になろう。

悪夢

2008年08月14日 22時40分25秒 | 
時々、誰かに追い立てられる夢や、
ものすごくギリギリまで追い詰められる
おそろしい夢を見て
汗の量と共に起きる過去があった。

そのたびに僕は、現実の中で
やらなくちゃいけないこと、
忘れていたこと、
のしかかる義務のようなものをこの世界の頭で探し求めたが、
そんなもの、いつもありはしなかった。

ただ無性に腹が立つような、
どうしようもないぼんやりした使命感を抱えたまま、
ぼくはいつもうずくまったり立ち尽くしたりしていた。

この世界でなにもすることが無いという絶望。
やらなくちゃならないことは何も無いという
地の底に落ちたような豊かさ、
自分に何もできないという
焦りや不安、無力感と焦燥感に苛まれていた。

それに比べると、今の僕は
学生という身分があるだけで、
山のようにやることがあり、
社会からも居場所を許されている。
ゆっくりと囲いの中で老いていくことも、
努力の途中で擦り切れたボロ雑巾くらいの価値は、

きっとつまらない三流社説のような文面力が、
見せかけの客観性として語ってくれるはずだ。

そんなもの、僕が亡くなったときの空白を、
埋める力も輪郭を掘り返す力も無いのだけれど。

今朝、久しぶりに嫌な汗をすこしかいて目覚めた。
そこには夏休みの自分という立ち位置、
特別な宿題は何も無いという現実、
抱えている人間関係を何一つ改善できないでいる自分の姿があった。

ぼんやりと空をみあげて雲に心境を相談しても、
写し込まれる独自の写像は、
僕のクソみたいな淀んだ心の裏返しでしかなかった。

守るべきものは何もない
美しい未来も、
期待すべき出来事も、
特別やりたいこともなにもなかった。

ただちっぽけな自分の居場所と形を維持するための、
言い訳のような将来の目標があっただけで
そんなもの、ちょっと鏡を見つめるだけで、
少し誰かが触れれば、バラバラに砕けていきそうだった。

後悔で満たされている時間は強い呪いを帯びる。
自分への言い訳と、社会への反発心が、
尖った世界と、ゆがんだ鏡を作っていく。

もうなにもないと知りながらも
まだここに居る僕を見つめて
ふたたび僕はからっぽの冷静さを得る。

君に会えば、なにか変わるだろうか。
より深い、もっと深い絶望を知るんだろうか。
きっと君は僕を傷つける現実を手の中に持つだろうけれど
僕は君の手のひらを見て、
なにもない純真さを得る。

それは恐怖のはじまりで、
それが痛みの始まりなんだと思う。

でも、僕は君に会いたいよ。
君とあって、僕の知らない僕を知りたい。

本物の、君を知りたい。

それが、悪夢と似た希望なんだと思う。

君とふたりで僕に会おう。

2008年08月12日 04時22分55秒 | 
君に会いたい。
誰にも見せていない、本当の君に会いたい。
話がしたい。君に触れたい。
過去、未来、はるかとおくに広がる世界の中で、
一瞬しか触れる事のできない、君のほんものに触れたい。

いつも君をみれていない気がする
いつも影を、虚像を、見せかけだけの君を見ている気がする。
本当の君を見せて。
弱い君を、強い君を、泣きそうな君を、笑い合う君を、
どんな笑顔も砕けてしまう涙を、
どんなつらさも吹っ飛ばしてしまう強い笑顔を

君の、その本物の肌に触れさせて。
僕が居ることを確かめさせて。
君の中に、ずっと僕が居ることを、
ずっと前から僕がいたことを、確かめさせて。

会いたいよ。
すごくすごく、会いたいよ。

でも、我慢するね。
今は我慢するね。

きっと、この気持ちは、今の君と比べて、強すぎる僕のわがままだから。
だから今は我慢するね

でも、いつでも君に迷惑をかけたい。
君を振り回したい。
君を困らせたい。
君を不幸にしたい。
君をつらい気持ちにしたい。
君を僕に焼き付けたい。
ぶつかり続けて、君の心の形を確かめたい。
弱さをぶつけあって、その弱さを乗り越えて、一緒に強くなりたい。

いこう
だれもしらないとおくへ。
誰も見たことのない景色を、二人で見よう。
僕らだけの、秘密を作ろう。

僕たちだけの、世界を作ろう。

世界中の一番遠い心を、一番近くまで寄せて、
ぶつかる時の音を聴こう。

それはきっと僕らの唄だから
二人で、生きていこう。

僕が自殺しなかった理由。

2008年08月09日 14時13分46秒 | 再考
ぼくはこどものころ、ぼくのみらいをしんじたから。

あくびが出るほど長い文章を見つめて。

2008年08月03日 11時48分47秒 | 再考
>「未成熟な人間の特徴は、理想のために高貴なる死を選ぼうとする点にある。それに反して、成熟した人間の特徴は理想のために卑小な生を選ぼうとする点にある。」
というヴィルヘルム・シュテーケルの言葉があります。

攻殻機動隊のTVシリーズ(笑い男事件)にも出てくる引用文ですので
知っている方もいるかもしれません。

僕はついさっきまで、この文章を誤解していました。
成熟した人間は、理想よりも現実を、
卑小な生を選ぶことで理想を捨てるのかと思っていましたが、
「理想のために」→「卑小な生を選ぶ」という風に繋がっていたのですね。
この世界に子供を託すという行為と、繋がっているのかもしれません。

今、悩んでいる問題が解決したら、僕は少しだけ大人に近づくのかもしれない。
それと同時に、今度はもっと新しい、重い苦しい問題を背負うのだと思う。
それをわくわくする出来事だと受け止めるか、
どよどよとつらい出来事だと怯えるかで、
僕の出す答えは違って来るのかもしれない。

心構えを、もう少し前向きに改善したいと思う。
流されていく日常の中で、せっっかく自分を振り返っているのだから、
その振り返って悩んだ時間は、自分を改善する時間にあてていきたい。

未成熟であることだけを見て自分を恥ずかしいとは思わないけれど、
人と話せなくなっていく自分を見つめるのは恥ずかしい。
もう少し、もう少しだけ力を振り絞って前にでよう。
あと一歩、あと一歩だけ前に出れば、毎日の繰り返しで、
少しずつ進んでいく。

心にブレーキをかけ続けて鳴いている時代が終わっていく。
僕が泣くときの涙は、誰かのために使いたい。

そう、感じて進んだ。

自分、ジブン、じぶん。

2008年06月26日 22時46分57秒 | 終了
難解な文章を読んでいる時、絶望的な解釈に打ちのめされる
そもそも僕が、あるいは僕らが、文章という気味の悪い一本筋の奇妙な記号の羅列と出会うとき、
それは前から読まなくちゃいけない、という思い込みほど邪魔なものはない。
かつて記号という化け物が、アナグラムと共に分散して世に君臨したとき、
一つだけの解釈を持って言葉と出会おうとしたものは、
おそらくそれを読み解く事ができなかっただろう。
だけど僕がねじまげて読んでいくアーキテクトの壁は、
文章を読むに当たって、知らず知らずのうちに、正解を知ろうという想いに駆られながら、
その切実な鬼気迫る表情に従って、
隷獣のように、
僕は、ただ言葉を繰り返し読むだけである。
どんな遺書も、作者の思いを気取られる心配が要らない。
作者はすでに失われているからだ。
だったらその遺書を読む読者は、結局そこには自分を読み取ることしかできないのだとしたら。

もし、ある種の技術的文書が、
全く正解を持たないまま、ただ語り継がれる伝承の桃太郎のように、
単なるあやふやな雷土(いかづち)のようなあやかしの語り部の囁きだとしたら、
まったくもって、技術は技術としてこの世界に楼閣を築くことはできないし、
砂上の楼閣は、ただしっかりと世界に闇の根を張って、
難解さで固く結ばれた紐も、知恵の輪のように解かれていく、
奇跡の振動の前に、全く持って、無力にちぎれていく。

だから僕は、遺書が決して君に読み取られる事が無いように、
いつもいつも、違う時代から君に向けて。
ただ、光陰の矢のように駆け抜ける衝撃の中で
痛みだけが伝わり、意味は決して伝わらないように。
ただ、存在だけが明確化して、決して正しさは伝わらないように、
僕だけの正しさを、ここに記す。

どれだけ書いても、遺書が遺書としての性質を持つためには、
作者は、最初から失われていなくてはならない。
同じように、この遺書を読むにあたっては、
読者からは、意志がすでに失われていなくてはならない。

だからきっと君たちには、
『僕以外』の意味を持つ君たちには、決して僕の姿は映り込まない。
それが悲しい。それが嬉しい。
それがただ、僕をここに立ち止まらせる。

最後の日、いつも僕は最初から最後を決めている最後の日、
その妄想のように僕に語り継がれ、僕によって取り出され、
今日、現実になっていく最後の日、
僕たちは決して出会うことが無い。

ただ、この場所の扉を開いて、あの場所におちていく。
満たされない想いを抱えながら、この世を恨んで死んでいくような自殺にはもう飽きた、
何度僕の細胞が死んでも、また新しい老化と共に、僕の死は繰り返されていく。

なら僕は、君と出会うような、僕をバラバラに破壊するような、
僕自身の首を絞めるような、そんな自殺にはもう出会いたくない。

僕はもっと、満たされた僕たちの許しの中で、
僕を許すようにゆっくりと死んでいきたい。
意味が無いと知りながらも、明日へ希望を託すような愚かさに包まれて、
僕だけは、明日を希望しないように、絶望を手がかりにするように、
戒めるように、死と生を張り合わせて狭間でありつづけてきた。
なにもないと知りながらも、誰もいないと知りながらも、
ただ、誰かに自分を見せたくて、みんなに僕を証明したくて、
どんな正しさも屈服するような弱さを見せてやりたくて、
僕はこの場に居続けた。

与えられた生なんか必要ない。
恵まれない者たちに向けられる同情のような愛も必要ない。
偶然も必然もぐちゃぐちゃに壊されていくような、
そんな溶け合った羊水のような世界を泳いでいたいから、
僕は、そして君のような僕たちは、永遠に、逃げ込もうとした。

でも、もう許さない。

永遠であることは、許されない。

破壊されるべきだ。

君が、僕を殺すべきだ。

今日、ここで。

なぜなら、いま、

僕は君と、出会えなかった。
激しい痛みも、泣くような悲鳴も、狂おしい感動も、
全く何も感じなかった。

だから、
ここで遺書を捨てていけ。

意味は失われた。
信用も、信頼も、想いも、気持ちも、心も、志も、およそ大切とおもわれそうな情のなにもかもは、
嘘と結婚して虜になったよ。

全部フィクションになったんだ。

あれほど真剣に書いてきたものに、もう何の価値も感じないから、
もうここへは来れない。

さようなら、死にそうな僕。
さようなら、死にかけた僕。

さようなら、そして死んでしまった僕。

もう終わりにしよう、こんなくだらない、偽物の文化の遺産は。

想像もしていなかった。

僕がなにも、発見できないまま、僕を見失うなんて。

現実だと思いたくなかった、

僕がいなくても、平気でまわっていく日常だけがそこにあるって。

壊したくなかった。

僕を守り続けた、空っぽの、心ない空洞の残響音を。



気持ちのこもってしまわない言葉で宣言します。

僕は書くことをやめます。
考える事も、悩むことも、BLOGを記すことも、誰かに気持ちを伝えようと、
必死であがくことももうやめます。

新しい自殺を探す事ももうしなくていい
意味も価値も失われたままでいい。
最後の日は、どしゃぶりの雨のままでいい。

泣きたい気持ちでうずくまってもいい。
ママの母乳にぶらさった幼児が二度と目を開けない屍であってもいい。

大事なことは、外に一切期待しないことだ。
耳を塞いだまま、誰の声も届かない僕の姿を想像して笑った。
ずっと何も変わらない。
最初から一人だった。
最後まで一人であるべきだ。

こんな簡単なことにさえ、僕は気づこうともしなかったのか。

理由は無くなったけれど、僕は君の言葉を聞いたよ。
記憶の中で、古い僕の言葉を聞いたよ。

「自分は見つかりませんでした!」

みんなの前で、大きな声ではきはきとしゃべった。
胸を張って自信ありげに声高らかに。
ほがらかに、ときどきほくそえんで。

くすりとも笑わなかった。

思えば当たり前のことなのか。

不思議な花を見ている気持ちにありふれる。

いまここで、僕がからっぽであることがうれしい。

ヨダレを垂らして廃人のようなフリをしていられる平和ぼけの頭もたのしい。


少しだけ、キリっと口を結んで

僕は言った。「以上です。」

君が居なくなったら、僕も死ぬ?

2008年06月04日 22時36分26秒 | 駄文(詩とは呼べない)
行き止まりを感じている。
たぶん、普通は行き詰まり、と書くんだろうけど。
でも、僕のは成長としての行き止まりなんじゃないかと感じる。

もうほどなくしたら、何をする気も無くなって
何もしたくないとすべてを投げ出すんじゃないかと、
自分のやる気の無さの芽が息吹いてくる様子に怯えている。

生きることに意味を見出せなかったのは
これまでとずっと変わらないけれど
逃げ出したいとも、隠れたいとも思わずに、
ただただあんのんと日々を過ごして
考えることを避けるようになってきたのは
ここ最近の短いスパンの問題のような気がする。

もう少し真剣に問題と向き合わないといけない。
生きることに責任は全くないけれど。
死ぬことには、少なくとも責任が伴う世の中だから。

くだらない、おもしろおかしいものだけが
災いのようにニュース化される世の中だけど。

きっと僕の居場所は、死ぬまでずっとどこにも無いままなのだろうけど。

それでも。

僕はきっと、自分の命を使って、
なにかをしなくちゃいけないんだと思う。

ほんの一人の人だけが、悲しく見つめる視線が降り注ぐ屍だったとしても。

あと少しで終わる。
もう少しで壊れるはず。

それでも、逃げ出そうという気力すら湧かない。

戦うわけでもなく、逃げるわけでもなく、
ただじっと寒くなっていく空気の音だけを見つめる。
どうにも勝てない世界だけれど、
きっとたぶん、従わないように、投げ出さないように、
冬を耐え続ける動物のように、
じっと自分の行く末を見つめることだけが、
僕の精一杯なんだと思う。

このろくでもない世界のために、歌う唄すら今は思いつかない。
僕の世界を、そこが終わる音を、届けるためだけに、僕の声はあるんだろうか?
身を投げ出す理由も思いつかない。

僕の中から、君が失われ続けている。

消えた後で代入するための言葉

2008年06月01日 16時34分39秒 | 駄文(詩とは呼べない)
人と関わる事から、逃げている気がする。
薄っぺらい対応、ありきたりの会話、踏み込まないように配慮した言葉。
単純に、人を避けているということではない。
多くの人とは、交流できている。
人数自体は、小規模なのかもしれないけど。

思春期の中学生の頃は、友達が一人も居なかった。
作文コンクールのタイトルは
一年生「円周率の話」
二年生「人間の生きる目的」
三年生「人間は生きるべきか死ぬべきか」
だったと憶えている。

思えば生と死の問題について考え始めたあたりから、
僕はいつも一人で自分について考えてきた。
自分一人しか居ないセカイで、ずっと想定の中で
自分という殻について考える行為は、
思えばずいぶんと変な行為であると思う。

誰かを好きになってから考える自分は、
たぶん、「自分にとっての自分」と、
「相手にとっての自分」の狭間で揺れる行為で
それは好意と行為と敵意と崩壊と憧憬に関する、
風景の破壊に似た心理描写を観察するような
じつに自己分析の牢獄のような繰り返しの無限ループであると思うのだ。

自分の殻を意識することは、
きっと多くの人にとって、
行為としては苦しいものなんだろう。
だけどそれが「苦しい行為」だと観察できているときは、
すでに半分自己分析は終わっている段階なのだと思う。

僕にとって問題なのは、
僕が僕自身の約束を裏切ってしまうかもしれない事に対する怯えなのだ。

あるいはまた、僕が僕を破壊するかもしれないということ。

僕が生きるにしろ死ぬにしろ、
・生きれば僕は自分を壊さなければならないし、
・死ねば僕は自分を殺さなければならない。

だから僕はエックスχがなにであるかを知っている。

僕がずっと悩んでいる連立方程式は、
答えを求める心に問題があると知っている。

【『「僕にとっていつも問題となるのは自分」なのだ』。】

ただ一点のみ、始まりと終わりの終局の特異点を探すような、
そんな完全な自分はどこにも居ない。
いつも想定される宇宙の始まりと終わりは、
いつも小さなセカイの始まりと、大きなセカイの終わりを
重ね合わせた「今。」という私に引き寄せる波だからだ。

どんな遠いセカイから打ち寄せる他者の心にも耳を傾ける神経質な時間が
僕という代弁者でしか無いのなら、
結局ぼくは私という空耳に風の声を澄ます殻そのものでしかないのだ。
ずっと自分を探し続ける行為は、
鏡を失っている場所では終わらない。

殻にとって、殻は鏡そのもので
私にとって、君は風のようにうつろう僕だから、
だから僕はいつでも君を心配したり、君の中に僕をさがしたりするんだ。
ずっと捕まらないものを追いかけるこころだと、しっているけれど。

セカイの始まりよりも遠いところに、君の心を探す
セカイの終わりよりも遠いところに、僕の耳を澄ます
ずっと君の声を聞きたいと願っている僕のもとで、
いつも鼓動の波は懐かしく打ち寄せる
激しくもなく、儚くもなく、消えていくばかりの僕だけど
君のことを知りたいと、いつも僕はココで思っているよ。

(消えた後で代入するための言χ葉)

友達を殺したいとは思わないが、邪魔だとは感じている。

2008年05月26日 23時19分11秒 | Weblog
あまりにも、友達が多いことに悩んでいる。
もちろん、書くまでも無いことだけど、
僕にとって友達だったものが、もはや単なる空語でしか無くなってきているのだと思う。
友達と呼ぶにふさわしい人たちはたくさん居る。
親友と呼べる人も居る。
しかしもはや、それは過去の走馬燈の一つや、優しい思い出にしかならないだろう。

大学の友達も、高校の友達も、専門校の友達とも
十分にうまくやれている気がする。
くだらない会話、とりとめもない会話、感情的な会話、冷静な会話、
世間話、表面的なジョーク、少しだけの気遣い、わざと冷たいフリ。
聞き流す会話、受け流す会話、大切な相談、優しい友達、
楽しい会話、その場だけの会話、少しも動じない会話、
取り乱した会話、はしゃいだ会話…

もはや僕には、意思疎通できるような人は居ない。
それは幸か不幸か、僕が仮面を手に入れようとしている現在進行形の、大人びた嘘。

信じがたいことに、僕は八方美人であろうとしている
あるいは、八方美人でありたいと願いはじめている。

そしてたぶん、それと同じくらい、自分の事をどうでもいいと思い始めている。


何が流れ込んできたのだろう。
何が変わってきたのだろう
僕は僕以外に、何か大切なものが、少しでもあっただろうか?

確信の持てない、わずかばかりの思いはある。
自分に伺いを立てるような自信の無さで、
少しだけ、思い当たるフシはある。

たぶん、僕は人を好きになり始めているのだと思う。
そしてその濃度のアンバランスさに連れて、自分を失っていく。

誰にも言いたくない。
当の本人にさえ、好きだと言いたくない。
言ってしまえば、すべて嘘になって崩れ去るような自信がある。

だから僕は、すべてから遠ざかって、安全な位置で
自分らしい過去を築こうとするのだろうか。
安全な未来の目標を定めて、精一杯、今が崩されないように…

近いうちに、危険域に推移するだろうと思う。
自分と他者との境界線が崩れていくか、
僕の存在が崩れていく危機が訪れるだろう。

でもそのことを、僕はまだ悲しいと感じていない。
哀しさを、僕はうまく思い出す事ができていない。
実感の湧かない奇跡の中にいる。
遠くから眺めた子供の頃の自分の立っている扉が見える。
その視線に答えるために、精一杯、僕は僕のままであろうとする。

約束を、果たさねばならない。

ずっと昔に膨らまして閉じた約束を、
そこに世界の名前をつけねばならない。

今というありもしない奇跡の中で
僕は、僕の過去だけを見ている。

全てを投げ出す重さのために

2008年05月25日 03時25分50秒 | 駄文(詩とは呼べない)
想像力の重さを感じている
ただずっとここに居続ける僕のために
閉じられたセカイがあって
ただずっと、僕のセカイの想像力の限界を壊すために君が居る。
もし君が、その声で、その耳で、両手で、セカイの嘆きを救うなら、
僕と君の距離は、きっとゼロよりも遠く近づく
もっととおくへ、遠くへアナライズして。

僕のセカイを、全力で否定して。
僕は君を否定してあげる。
ずっとずっと、君のセカイを否定してあげるから。

だからこっちへ来て。
僕はそっちへ行く。

誰にも聞こえない声で
世界の終わりを叫んだ。

その時君が、僕を殺して始めるために。