先週、マイクロソフト社の共同創業者であるポール・アレンが、シブヤン海の水深1000mの海底で戦艦「武蔵」らしい艦を発見しました。
戦艦「武蔵」は、太平洋戦争中に完成した旧日本海軍の大和型戦艦の2番艦で、旧海軍が建造した最後の戦艦です。
この艦は、1938(昭和13)年3月29日に三菱重工業長崎造船所で建造が始まり、当初の完成予定は1942(昭和17)年12月でしたが、建造途中で太平洋戦争が勃発したため、工期を繰り上げた結果、1942年の8月5日に完成しました。
「武蔵」は1番艦の大和よりも約5ヶ月遅れて建造が始まったので、大和の建造中に判明した不具合の改善や、特に連合艦隊旗艦としての司令部設備の充実が図られました。
「武蔵」は完成してから横須賀鎮守府籍に編入され、訓練に従事した後、1943(昭和18)年2月11日にトラック島に進出し、大和に代わって連合艦隊の旗艦となり、連合艦隊司令長官の山本五十六が乗艦します。
その後、マリアナ沖海戦に参加し、レイテ沖海戦では「大和」「長門」と共に第1戦隊を形成し、栗田健男中将指揮の第1遊撃部隊として参加するも、米機動部隊の艦載機の集中攻撃を受け、艦隊から落伍した後も波状攻撃を受け続け、1944(昭和19)年10月24日にシブヤン海で沈没しました。
(武蔵の主要要目)
・基準排水量=65,000トン
・満載状態排水量=72,809トン
・全長=263m
・喫水線長=256m
・最大幅=38.9m
・深さ(キールラインより最上甲板側線まで)=18.9m
・速力=27.46ノット
・航続距離=16ノットで7,200海里
・機関出力=153,553馬力
・搭載機=零式水上偵察機・零式水上観測機6機
・射出機(カタパルト)=2基
・乗員数=2,399名
<兵装>竣工時
・主砲=46cm砲3連装3基9門
・副砲=15.5cm砲3連装4基12門
・高角砲=12.7cm連装高角砲6基12門
・機銃=25ミリ3連装機銃12基36梃、13ミリ連装機銃2基4梃
<兵装>レイテ沖海戦時
・主砲=46cm砲3連装3基9門
・副砲=15.5cm砲3連装2基6門
・高角砲=12.7cm連装高角砲6基12門
・機銃=25ミリ3連装機銃35基105梃、25ミリ単装機銃25基25梃、13ミリ連装機銃2基4梃
(武蔵の歴代艦長)
1.有馬 薫 大佐:1942(昭和17)年8月5日~1943(昭和18)年6月9日
2.古村啓蔵 大佐:1943(昭和18)年6月10日~1943年12月5日
3.朝倉豊次 大佐:1943(昭和18)年12月6日~1944(昭和19)年8月11日
4.猪口敏平 少将:1944(昭和19)年8月12日~1944年10月24日
(私の家にある「武蔵」関連の書物)