あまの鍼灸院ブログ

鍼灸院での毎日の様子をアップしています。
鍼灸院ってどんなところ?と知っていただけたらうれしいです。

春の過ごし方②

2020-01-28 20:53:00 | 健康・病気
こんにちは!
スタッフの石黒です。

今日のブログは、春の過ごし方②です。

では早速、
冬の過ごし方と同じように、東洋医学の古典に春の養生がどのように書かれているかみていきましょう。

春の三月とは立春から立夏までのことです。
今年の立春は2月4日、立夏は5月5日で、約3ヶ月程になります。
ちょうど来週火曜日は2月4日で立春ですね。
春はもうすぐそこです。

春は天地間の様々なものが発生し、生き生きと栄えてきます。

様々なものが沈み、蔵われる冬とは打って変わって、春は上へ上へと芽吹き、発散する季節です。

人の体も陽気が外へと出てきます。
どんどん上昇する陽気に対応できないと、体にも不調が出てしまいます。

不安やイライラを体の中に溜め込まず、
運動や趣味等で発散しながらのびのびと過ごしたいですね。

さて、今年は暖冬のために気候が春めいているためか
運動不足や活動不足(精神活動も含みます!)のために、
発散不足による不調を訴えられる患者さまが多くみられます。

気持ちが塞ぎ込んでしまう方(軽いうつ傾向など)
花粉症の方

などです。春は肝が司っていると言われますが、
肝はすべての臓腑の機能がスムーズに行なわれるように調節するとともに、
感情を調節するとされていますので、この肝がうまくはたらいてくれるように
鍼灸治療で、お手伝いをするのが我々の治療なのですが、みなさまには
エネルギーを表に向かって発散するように意識して、のびのびと過ごしていただきたいのです。

今日のお話の、原文や文章に興味を持たれた方は
以下に書かせていただきました。参考になさってください。

石黒友紀乃

『黄帝内経素問』" 四気調神大論篇 第二"

春三月、此謂発陳。
天地倶生、万物以栄。
夜臥早起、広歩於庭、被髪緩形、以使志生。
生而勿殺、予而勿奪、賞而勿罰。
此春気之応、養生之道也。
逆之則傷肝、夏為寒変、奉長者少。

春三月、これを発陳という。
天地倶に生じ、万物以て栄る。
夜に臥て早く起き、広く庭を歩き、
髪をひらき形を緩くし、以て志を生ぜしむ。
生かして殺すなかれ、あたえて奪うなかれ、賞して罰するなかれ。
これ春の気の応、養生の道なり。
これに逆らえば則ち肝を傷り、夏に寒変をなし、長に奉ずる者少なし。


発陳という言葉ですが、『漢方用語大辞典』には、"陽気が生じ、春の到来をつげること"とあります。
「発陳」の「陳」という字には、"ふるい"といった意味があり、万物は古いものを外へと押し出し、冬の間蔵っていた陽気が外へ出てきます。

参考文献

参考文献:現代語訳 黄帝内経素問 上巻
東洋学術出版社
南京中医学院医経教研組 編
石川秀実 監訳
島田隆司、庄司良文、鈴木洋、藤山和子 訳
コメント
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