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酒は飲め飲め 飲むならば 日の本一のこの槍を という黒田節の、あの槍を見ることができた。
福岡市博物館に『福岡藩の御用絵師その③』 を見にいったところ、隣に見事な槍があるので行ってみたら、『日本号』であった。もう、それで、すっかり絵師そっちのけになってしまった(笑)
全長321.5cm、刃渡り79.2cm、重さ2800g
穂先に溝があり、(三鈷剣にからみつく倶梨伽羅龍が掘り出してある。柄は螺鈿細工)と
説明書きがある。かわいい顔して頑固な女の子が、どうしても写真を撮らせてくれないので、しょうがないから絵葉書から戴いた。
豊臣秀吉が時の後陽成天皇からもらい、福島正則に与えていたものを、黒田24騎のひとり、母里太兵衛が飲み取ったという言い伝えの有名な槍なのだ。
(ちなみに、その時、母里太兵衛は3合、5合、7合と立て続けに3杯、合計1升5合を飲み干して、槍をかかえて悠々と馬でひきあげたという豪傑だ)
福島正則は後をつけさせ、もしも落馬でもしたら、とりかえそうと思っていたらしい。・・気持ちはわかる。
しかし、この話にはさらに後日談があって、後に朝鮮の役の時、母里太兵衛が虎狩りをしていたところ、大虎に、槍の穂先を押さえられて身動きならなくなった。
たまらず、近くにいた後藤又兵衛に助けを求めたところ、『助けたらその槍をくれ』といわれ、せっぱつまってOK!してしまった。そして取られてしまったのが『日本号』だったのだ。
そのあと、どういうわけかしらないが、後藤又兵衛は黒田家を去る。が、槍は黒田家に残ったということだ。