信州ラーメン四天王④ 佐久「麺匠 文蔵」
長野のラーメンシーンを盛り上げるべく2011年4月に発足した「信州麺友会」。加盟店は現在90を超え、精力的にイベントやコラボを実施中だ。そして加盟店の中で特に勢いのある松本市「らあめん寸八」、長野市「ゆいが」、上田市「おおぼし」、佐久市「麺匠 文蔵」の4店主は「信州ラーメン四天王」と称されている。
その中で今回訪れたのは佐久市「麺匠 文蔵 総本店」だ。店舗は北陸新幹線・ 佐久平駅の蓼科口から歩いて5分ほど。佐久平駅東交差点を渡った先の住宅街の一角にある。創業は2005年。当初はJR小海線の岩村田駅そばにあったが、2019年10月21日に数百メートルほど佐久平駅寄りに移転。これにより座席数が倍増した。
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運営するのは真山久貴氏が代表を務める株式会社文蔵スピリット。真山氏は20歳手前で上京しラーメンと無縁の仕事をしていたが、新宿「麺屋武蔵」で啜った一杯に影響を受けラーメン屋の開業を決心したという。修業を重ね26歳で独立創業。現在は佐久平の総本店のほか、上田菅平インターそばにも支店を展開している。
さて総本店だが、店内はカウンター9席と4人がけの小上がりとテーブルが7卓の計37席ほど。麺メニューは「ド豚骨」と称された濃厚豚骨系が、醤油の「らぁめん」を筆頭に、塩、味噌、辛味入り「辛ド豚骨」をラインナップ。また、そのド豚骨に煮干、海老、魚介、マー油、辛味をそれぞれ加えた一杯も用意する。
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ほか、アッサリ系の「中華そば」や、つけそば、台湾まぜそばなども提供。そしてライス、チャーシューライス、明太子ご飯といった飯モノや、から揚げ、金の餃子などのサイドメニューもあり一杯引っかけることも出来る。今回はメニューに『1番人気!文蔵に来たら先ずはこれから!』とある「らぁめん」に味玉を乗せ注文。
なお、麺の硬さ、味の濃さ、油の量が選べるが、全て「普通」でお願いした。待つこと5分ほどで到着。丼ぶりを提供直前までヒーターで温めているので、アツアツで提供される。獣臭残るスープは、セントラルキッチンで仕込んだもの。ゲンコツ、鶏ガラ、モミジを強火で炊き、スープを継ぎ足し濃度を調整しているという。
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ただ、大手チェーンとは一線を画すコクと旨味がある。醤油のカエシは強すぎず。動物系出汁を前面に押し出している。一方、合わせる麺も自社製。モチモチでコシのある中太ストレートで、スープとの相性は言わずもがな。チャーシューは箸で解れるバラロール肉が1枚。そして味玉は黄身ネットリで良い味に仕上がっている。
ほか、香り良い海苔、ほうれん草、刻みネギが乗る。最後はニンニクを加え美味しく完食した。それにしてもセントラルキッチンというのは少々意外だった。店内の豚骨臭や味のブレを避けるべく選択した策というが、こういった挑戦もまた四天王の使命なのだろう。これで四天王全制覇。どれもヘビー級のパンチだったなぁ。
<店舗データ>
【店名】 麺匠 文蔵 総本店
【住所】 長野県佐久市佐久平駅東14-3
【最寄】 北陸新幹線「佐久平駅」蓼科口徒歩5分