信州ラーメン四天王③ 上田「おおぼし」
長野のラーメンシーンを盛り上げるべく2011年4月に発足した「信州麺友会」。加盟店は現在90を超え、精力的にイベントやコラボを実施中だ。そして加盟店の中で特に勢いのある松本市「らあめん寸八」、長野市「ゆいが」、佐久市「麺匠 文蔵」、上田市「おおぼし」の4店主は「信州ラーメン四天王」と称されている。
その中で今回訪れたのは「おおぼし 上田本店」だ。店舗は、しなの鉄道と北陸新幹線の上田駅から歩いて30分ほど。浅間サンライン沿い、染屋台多目的グラウンドの目の前にある。前身は上田バイパス沿いにあった「大星亭」で、2006年「おおぼし」にリニューアル。さらに2012年1月27日に、現在の場所に移転してきた。
運営するのは三森大祐氏が代表を務める株式会社フードギャラリー。ここ上田本店をはじめ松本市内に平田店、桐店、駅ビル店の3店舗を構えるほか、イオン上田店、安曇野店も加え計6店舗を展開。また2020年7月には、松本市村井に鶏と水で炊いた清湯ラーメンを主軸に提供する姉妹店「中華そば 朧月夜」も出店している。
さて上田本店だが、店内はカウンター9席と、6人がけ小上がり3卓、4人がけボックス席2卓の計35席。麺メニューは創業当時からブラッシュアップを続けてきた背脂豚骨系ラーメン「ばりこて」がベースで、基本の「白」を筆頭に、煮干し、味噌、辛味噌、野菜、九州風「ゼロ」、ピリ辛挽肉入り「赤」をラインナップする。
ほか、つけめん、まぜそば、淡麗系「醤油らーめん」に加え、かつて長野市権堂にあった名店「光蘭」の中華そばを麺友会が復刻した「王様中華そば」も提供。キッズラーメンもあるので家族連れでも安心だ。自家製餃子、チャーハン、一口山賊焼、フライドポテト、チャ丼、タルタルチャ丼といったサイドメニューも充実。
今回はメニューに『当店1番人気‼︎基本のらーめん!』とある「ばりこて 白(850円)」を注文することに。なお店内には無料の「キャベツバー」があるので、そちらを頂きながら着丼を待つ。8分ほどで背脂がたっぷり浮かんだ丼が登場。ややトロミあるスープは豚骨、豚肉、鶏ガラ、モミジ、香味野菜などを炊いたもの。
甘味あるマイルドな白湯で、背脂が浮かぶものの嫌なクドさや重さは無い。そこに、安曇野に持つ三森製麺所で打った自家製の平打ち中太麺を合わせている。ツルツルシコシコでしなやか。スープとの相性も良く旨い麺だ。チャーシューは厚みあるバラ肉。提供直前に炙ってあり、上には黒胡椒が振りかけられている。
脂身一辺倒でなく赤身部分も多いので噛みごたえ十分。味付けもよい。ほか、星形のナルト、柔らかな極太メンマ、香り良いネギがトッピングされる。丼相はヘビー級だが、サッパリ美味しく完食した。マニア向けというよりはファミリー層やグループ客を獲得する戦略が上手いという印象。それもまた四天王の在り方だろう。
<店舗データ>
【店名】 おおぼし 上田本店
【住所】 長野県上田市住吉102-3
【最寄】 北陸新幹線「上田駅」徒歩30分(2.0km)