クリスタルワールド五反田TOC店という石屋さんは、広くていろいろな石が置いてある(ちょっと倉庫っぽい)。安くていい掘り出し物もある。
何か面白いものはないかなと物色していたら、小さな卵があった。
200円。200円ですよ。200円なんて石、あるか?(しつこい)
透明で薄い緑で、かわいい。
グリーンアメジスト。ブラジル産。「加熱」と書いてある。
アメジストというのはけっこうたくさん採れるからか、しばしばひどい扱いを受ける。
某所で5センチくらいのクラスターがバケツに山盛りになっていて、200円で売っているのを見た時は、少し悲しくなった(にこにこして買ったくせに)。
どういう判断基準か知らないけれど、一部のアメジストは加熱してシトリンにしてしまう。シトリンの産出量が少ないせいらしい。「焼きアメジストのシトリン」は、妙に色が濃くて、色むらが激しかったり内包物が入ったりしているとのこと。今売られているシトリンの大半は「焼きアメジスト」だという話もある。まあきれいですけど。
で、その加工途中でアクシデントが起こった。1953年、ブラジルのモンテズマで取れたアメジストを熱加工したところ、なぜか緑のものが生まれた。それをめざとく見つけたのがあのティファニー。「プラシオライト」と命名して売り出した。(650度で焼くらしい。)
プラシオライトの名前は今はあまり使われないようだけど(商標なんでしょ)、「加熱グリーンアメジスト」はたまに見る。しかし磨いた卵が200円は驚き。
「安くて面白そうなものはつい買ってしまう」という悪癖もあって、買い物カゴに入れた(これだけ買ったわけじゃないですよ)。
美しいです。
プロセスを一切忘れて、淡く澄んだ緑を眺めれば、なかなか陶然となるのです。