ラピスラズリは「不動の石」というイメージ。なんとなく。
青く美しい。古来から珍重されてきた(歴史は面倒だから略)。
顔料にも使われた。高くて貧乏画家は使えなかった。フェルメール何たらかんたら。まあいいです。
人気は今も不動。
美しいは美しいんだよ。でも、何か頑として人を撥ね付けるところがある。
こちらが愛でようとしても冷たく嘲笑う。
そんな不動さもある。
氷の王女?
頑なに青。薄かったり白い模様が入ったりするものもあるけれど、それは「低級品」。
そして(非常にレアな結晶を除いては)透明度がない。光が石に入り込んで遊ぶということがない。
だから冷たい感じがするのでしょう。
たまにパイライト(黄鉄鉱)の微小鱗片が入って、ちょっとした「アベンチュレッセンス」(キラキラ)を披露するけれど、それは軽いお愛想笑いみたいなもの。
かくも一色で不透明という石はほかにあるでしょうか。(まあ黒いのがあるな)
あちこちで言われているように、ラピスラズリは一つの鉱物ではありません。
ソーダライト(方ソーダ石)グループのいくつかの鉱物からなっている。
・ラズライト(Lazurite 青金石)(Na,Ca)8(AlSiO4)6(SO4,S,Cl)2
・ソーダライト(Sodalite 方曹達石)Na4Al3(SiO4)3Cl(こちらはグループ名でなく単独の鉱物名。ややこしい)
・アウイン(Hauyne 藍方石)(Na,Ca)4-8Al6Si6(O,S)24(SO4,Cl)1-2(え? アウイン入ってるの?)
・ノゼアン(Nosean 黝方石)Na8Al6Si6O24(SO4)(知らないw)
これらが「固溶体」をなしている、という見解と、そうではなく混合物だという見解があるようです。
「固溶体ですよ。結晶がちゃんと存在する」
「いや、それラズライトの結晶じゃね?」
アフガンあたりではラズライトのこともラピスラズリと言うらしい。こちら参照。
確かに、固溶体だったらもう少し結晶ものが多くてもいいような気がするけど、さて。
高いので高品質のものは買えない。コレクションケースの中に入っていると暗くて何だかわからない。そこで安ブレスレットで楽しむ。2000円をちょっと超えたくらいだったかな。
白い混じりものが入っているけれど、それが味わいがある。
屋内の光だと暗く沈む。けれど外で陽の光に照らされると驚くほどの鮮やかさを見せる。
氷の王女のめったにない微笑みかな。(ううう、かっこつけw)