うちのチャロちん(丸玉)はねえ。(ちょっと気持ち悪いぞその言い方)色が濃くって。
ケースの中に収まっていると、「誰だよお前」となる。強い光を当てると、とても深い紫を見せるんですけどねえ。
ロシア・サハ州のチャロ川で採れる。三大なんたら(知らん)。白い妖しい渦巻模様が売りですね。わりと高い。
で、お安いブレスレットで楽しむ。
色は薄い。模様も面白い。なかなかいいですよ。眺めてると楽しい。
ブレスレットは薄めの色のほうが、室内でも映える。濃いと「誰だよ」となる。
最近はチャロ石に石英が混じり込んだものを「エンジェルシリカ」という名前で売っている。その命名といい、商魂たくましいと見る見方もありだけど、薄めで案外いい。まあこの安ブレスレットもその何たらに近いかもしれない。(いや違うだろ)
K(Ca.Na)2SiO10(OH,F)・nH2O イノケイ酸塩
けっこう複雑。カリウムが入っていて、フッ素も入る。そして水を含む。
イノケイ酸塩はケイ酸(SiO4)が繊維状結合しているもので、石綿と同族。あの渦巻きはそのせいか。(違うんじゃないかな)
不透明な紫の石というのは、あんまりないんじゃないかな。パープライト、パープルストーン。スギライトやスティッチタイトは赤っぽい。フォスフォシデライトは藤色。コバルトカルサイトは赤紫。
いや、透明な紫も少ない。アメジストという大軍団がいるせいで、何となくたくさんあるような気がしているけれども、ほかにはフローライト、マリアライト、クンツァイト、そしてアパタイトやスミソナイトの特殊種、くらいか。少ない。
紫は不思議な色で、絵の具だと赤と青を混ぜる。可視光の色は「赤桃黄緑青藍紫」となっているけれど、青のさらに先にまた赤が入ってくる。ちょっとおかしい。もちろん人間の目がそう見るだけのことだけれども。
チャロアイトの紫をじっと見つめていると、なぜだかわからないけれど、人間の長い歴史をイメージするんですねえ。様々な文明の光と影。
青や赤は、自然的、あるいは野性的な色だけれども、紫は何か違う。高貴な色とされるのも、その自然を少し離れた複雑さによるのかもしれない。