前に「大陸地殻はどうやって生まれたのか」という疑問について書きました。
「大陸地殻の下に海洋地殻が沈み込み、その場所で安山岩などが作られて大陸地殻になる」という説明がよくあって、「それおかしいだろ」と。鶏がどうやってできたのか、それは鶏が産んだ卵からだ、ってそんな話がありますか。
だいたいの「地球科学」「地質学」の本では、「書かない」。原始地殻からいきなり大陸移動の話になる。書き落としているのではなく、知らん振りをしている。「わかっていない」とすら書いていない。ちょっと唖然とする。
で、右往左往していたら、ツイッターで巽好幸という先生の「地殻・プレート」をめぐるツイートに出会った。
無知浅学なので最初は国際的な大学者さんだとは知らなかった。素朴な質問をして、ありがたくも答えていただいたりした。本も読まずに失礼は失礼だけど、まあツイッターとはそういう場所なんだからいいでしょう。
で、著書を調べてようやく読んだのでした。
『地球の中心で何が起こっているのか』幻冬舎、2011年
『なぜ地球だけに陸と海があるのか』岩波書店、2012年
いや実に面白い本でした。大陸地殻の誕生を始め、地球が生まれてから何が起こってきたかを広く取り扱っていて、エキサイティングな話題満載。広くお薦めしたい本です。
一般人にもわかるようにやさしく書かれています。けど、相手がやたら複雑なので、論述の道筋も複雑。わからないところはちんぷんかんぷん。まあいいんです、細かいことは。
で、巽先生も、「大陸地殻の誕生は、大陸地殻の下に海洋地殻が沈み込み、その場所で安山岩などが作られて大陸地殻になる」という論はおかしい、と書かれている。自分を食べるタコのようではないか、と。
それに対して先生は「大陸地殻は海で作られる」という命題を提出された。
先生はそれを「禅問答のよう」だとおっしゃるけど、失礼ながら素朴に考えれば当たり前で、最初は海洋地殻しかなかったのだから、そこから大陸地殻が生まれるのは必然。ほかに道はない。
で、二冊を読んで、「大陸地殻はどうやって生まれたか」を勉強したのです。
したのですが、すっきりと「こうなんです」とはならない。
何せ相手は複雑だし、証拠もあまりない。不明の部分もあるし、学者さんたちがほぼ受け入れているという定説もない。
はっきり言えば「まだわかっていない」「探究中」なのですね。
でもまあ、巽先生の説を、素人なりに理解できた範囲でメモにしつつ、雑文をものしてみようかなと思った次第。