カルサイトというのは、色が多彩だし、安いしで、初心者には魅力的。ずいぶんいろいろと買いました。古い記事で同じこと書いてる。忘れてたw
ブルー、イエロー、レッド、オレンジ、ピンク(コバルト)、グリーン、透明(オプティカル)、ゴールデン、ハニー。なかなか楽しい。
けれど、カルサイトというと、何となく「どこにでもある海洋生物由来の堆積岩」というイメージが強くて、美石・貴石という範疇には入らないような感じを持っていた。組成も単純だし。
ところがどっこい。カルサイトでもなかなか美しい結晶ものがある。
中国浙江省金華市産。
六角柱の結晶が集まってひっついている。
この産地の特色らしい。こんなんあり?と思ってmindat のフォトギャラリーを見てみたけど、六角柱結晶のものは載っていない。案外珍しいものなのかも。
よくあるのは「犬牙状」結晶クラスター。それも美しいものがあるけど、これは形がキリッとしていて、透明度も照りもあって、ごくわずかだけど表面にイリデッセンスが出たりして、なかなか美しい。まあカルサイトなので質感は軽いけれども。
で、気がついた。これ、「水成鉱物」じゃん、と。
カルサイトは深成岩や変成岩でも出る。何せ「おっしゃって軽そうかマグ(O,Si.Al,Fe,Ca,Na,K,Mg)」で地殻中にカルシウムはものすごくある。さらに海水沈殿や海洋生物遺骸堆積による大規模堆積岩もある。
そういうのは、岩石中や堆積層の中にあるカルサイト。
けれどこれは違う。熱水に融けたカルサイトが自由空間で結晶したもの。
そういう意味では、石沼民を魅了するたくさんの美石・貴石と同じく、「水成鉱物」結晶なんですな。
犬牙状カルサイトもこの六角柱カルサイトも、そういう特別なカルサイトと言えるのではないでしょうか。
そんなふうに考えると、「火成岩・変成岩・堆積岩」由来鉱物とは別に、やっぱり「水成鉱物」「熱水性鉱物」という概念を立ててもいいような気がするんですねえ。まあそんなのは地学的には意味ないか。
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