どうもめちゃレアらしい。
リューコフェニサイト、Leucophoenicite、リューコフェニス石。Mn7(SiO4)3(OH)2。
名前はギリシャ語の「(青)白い=レウコス」「赤紫=フォエニス」から。マンガン鉱床からの二次鉱物。ヒューマイト・グループ。日本でも甲賀市で出たことがあるらしいけど、レアみたいであのVECさんにもない。組成は単純なのにね。
名前がよく似たのにリューコファナイト(Leucophanite、NaCaBeSi2O6F)、リューコスフェナイト(Leucosphenite、BaNa4Ti2B2Si10O30)がある。ってひどいねこれ。西洋人は混乱しないのかな。ちなみに phan は「見える」の意、sphen は「楔」の意。鉱物学をやるのには古ギリシャ語必須なんですかね。
たまたまウィレマイト=珪亜鉛鉱について探っていたらエヌズさん本店に2つの共生標本が出ていた。25%オフということもあって、ポチっ。最後の一個だったみたい。
《赤紫色のリューコフェニス石にライトグリーンの珪亜鉛鉱が共生した標本。紫外線長波と短波のどちらでも蛍光を発します。Franklin Mine, Franklin, Franklin Mining District, Sussex Co., New Jersey, USA. 21x11x10mm》
美しいというわけではないけれど、赤紫のなかなかいい味わいの色。こうやって写真に撮るとちょっとキモい感じになるけど、けっこうかわいいです。mindat のフォトギャラリーにはクンツァイトっぽい透明薄紫の柱状集合結晶なんかもあるけどこれは粒粒。
マンガン鉱物はたくさんあるけれど、マンガン単塩基のケイ酸塩というのは案外少ない。
テフロ石 Tephroite Mn2SiO4
アレガニー石 Alleghanyite Mn5(SiO4)2(OH)2
ブラウン鉱 Braunite Mn2+Mn3+6SiO12
テフロアイトとブラウナイトは黒っぽい石だけどアレガニアイトはピンクのなかなか美しい石みたい。水酸基がまじゃると赤っぽくなるんですな。
で、蛍光するのはウィレマイト(Willemite、珪亜鉛鉱、Zn2SiO4)。ド派手なライトグリーンの強い光。
ウィレ君は蛍光は素晴らしいんだけど、普通は白っぽい、あまり特徴のない石。けどこやつは淡いブルーグリーンで、オージェライトとかデューウィライトにちょっと似ている。なかなか繊細で美しい。
ちなみにウィレ君はフランクリナイト混合鉱物のところで上げた。あれもフランクリン鉱区のスターリング・ヒル鉱山産。ここはいろいろ出るんですね。ちょっと写真を撮り直してみようか。
ピンクに蛍光してるのはマンガンカルサイト。見た目はもっとド派手なんですけど写真には写らない。
で、なんでウィレマイトかというのは、話を遡らなきゃならないので後で。
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