「来ればすぐ帰る話やつりしのぶ 」
西村和子句
釣忍とはしのぶという植物で
しのぶ玉を作り、
軒下や窓にぶら下げて
涼を感じるものらしい。
こんな感じです。
昭和っぽいですねぇ
この句は
律儀な娘が定期的に母を訪ねて
忙しいそうに用事をたして
忙しいそうに団扇で扇いで
もう帰る話をする。
さてと立ち上がり軒下の釣忍に水を遣り
その足で帰って行く。
という句なんだそうだが、
内容を知った時に
思わず苦笑してしまった
私の婆さん定期訪問に似ているじゃん。
ボケチェックと
体調チェックを兼ねて
一週間に一度は定期訪問に行き、
一通り話を聞いてやり
麦茶を一杯飲んだら
何やかんやと理由をつけて、
さて帰るかな?と呟いて立ち上がる。
しかし止まらん婆さんの話。
立ったまま
しばらく聞く。
まだ止まらん婆さんの話。
玄関で靴を履きながら聞く。
そして
じゃあねと半ば言葉を遮るように
帰ってくるんだけど、
定期訪問・・・
そう、こちらは
定期訪問のテイなのだ
テイが大事。
そして
つかず離れずが一番さね。