10月の読書メーター 読んだ本の数:8 読んだページ数:2912 1日に読んだページ:93
ダイヤモンドの原石たちへ 湊かなえ作家15周年記念本 (集英社文庫)
読了日:10月02日 著者:湊 かなえ
『告白』で衝撃的なデビューを飾って以来、第一線を走り続けた15年を改めて振り返る。デビュー作から各誌で著者インタビューを続けてきたタカザワケンジ氏が密着取材。憧れのひととの対談、全小説27作紹介、著者へのロングインタビュー、そして待望の書き下ろし小説を含む短編小説2編を収録した充実の一冊。「●●県とわたし」と題して、全国47都道府県の書店サイン会で特別に配布された、湊さんお手製のアナログブログも収録。あなたの出身県と湊さんのかかわりは?未来の小説家に対する眼差しまでを完全レポートの形でお届けする。大人気作家はどのように生まれ、走り続けたのか。湊かなえファンも、これからその面白さを体験する読者も必読! ☆★★ 間違えた、基本、小説ではなかった。とは言え収録されていた小説2編は面白かったんやけど。
花影の花 大石内蔵助の妻 (文春文庫 ひ 1-129)
読了日:10月07日 著者:平岩 弓枝
赤穂浪士・大石内蔵助の妻、りく。忠臣として語り続けられる大石内蔵助ではなく、その妻にスポットライトを当てた、影の「忠臣蔵」。討ち入り後、りくは遺児となった大三郎とともに生きるが、その生涯は哀しいものだった。赤穂に嫁ぎ、夫を支え、そして夫亡き後は忠臣たちの遺族のもとをまわるなど、最期まで武士の妻であった。そんなりくの人生を平岩弓枝が鮮やかに描き出した傑作長編。 ☆★★ 現在の価値観で書かれた完全なるフィクションとしか思えない。史実にはある程度忠実だとしても。
項羽と劉邦(下) (新潮文庫)
読了日:10月09日 著者:司馬 遼太郎
楚漢の天下争いは勝負がつかない。圧倒的な項羽軍の前に、穀倉のある山にのぼってこれと対峙する劉邦軍。やがて和議成って故郷に帰る項羽軍を劉邦は追撃し垓下に囲む。ある夜、包囲軍の中から楚の国の歌が湧き上がるのを聞いた項羽は、楚人はことごとく漢に降伏したかと嘆き、天が我を滅ぼしたことを知る。 ☆☆★ 紀元前206年から紀元前202年にわたり、秦王朝滅亡後の政権をめぐって、西楚の覇王項羽と漢王劉邦との間で繰り広げられた戦争はこれで終結。しかしいまだに自分は劉邦がなぜ王になれたのかが解せない。一方で、項羽は軍人としてリーダーとして傑出した人物であり、この歴史は結果論に過ぎないのかもしれない。一般に「四面楚歌」とは、周囲が敵だらけになる孤立無援と同じ意味で使われている。しかし項羽にとっての「四面楚歌」は、自身が生涯をかけて尽くしてきた「楚」の国と民とが、城外から聞こえる故郷の歌により、漢軍に寝返って自分が滅びるのを望んでおり、ついに己の運命が極まったことを悟るという、項羽自身の存在意義が完全否定された事にあるのではないか。
世界でいちばん長い写真 (光文社文庫 ほ 4-8)
読了日:10月12日 著者:誉田 哲也
人気者だった親友の洋輔が転校してから、宏伸の毎日は冴えない感じだ。特にやりたいこともなく、クラブ活動の写真部でも、部長からしかられてばかり。そんなある日、祖父の古道具屋で、大砲みたいにごつい不思議なカメラに出合う。世界一長い写真が撮れるカメラって!? その日から、宏伸の日常がきらめき始める。 ☆☆★ 主人公のうじうじ感が切なくて、それでもいい意味で裏切ってくれる展開があって、読後感は最高に爽快だった。今、テレビでドラマやってる「Qros(キュロス)の女」の作者だが、この人、こんな作品も書けるんや、と驚いた。
ドキュメント (角川文庫)
読了日:10月13日 著者:湊 かなえ
事故に遭って陸上競技をあきらめた圭祐は、ひょんなことから放送部に入部する。3年生の引退後、仲間たちとともにコンテストに挑むことになった。偶然手に入れたドローンを武器にテレビドキュメント部門の撮影を進めていたところ、煙草を持った陸上部の逸材・良太の姿が映り込む。真実を探っていくと、騒動の陰で糸を引く思わぬ人物にたどり着いてしまい……。部活にかける情熱と予測不能な事件を描く、学園青春エンタメ! ☆☆★ イヤミスの女王が描く、爽やかな青年群像ミステリー。謎解きメインでなく、高校生達の揺れる心理描写が読みどころで、ドローンやコロナ禍の影響など、とっても今っぽい学園もの。
ほたるいしマジカルランド (ポプラ文庫 て 3-5)
読了日:10月16日 著者:寺地 はるな
大阪北部の蛍石市にある「ほたるいしマジカルランド」は、願いごとを叶えてくれるという噂のあるメリーゴーラウンドが人気の老舗遊園地だ。ここで働くのは、どこか不器用で悩みを抱えた人ばかり。アトラクションやインフォメーションの担当者、清掃スタッフに花や植物の管理。お客様の笑顔のために奮闘する従業員たちの日常が、ふとしたきっかけで動き出し――。毎日がんばるあなたの心をふっと軽くする、温かな物語。あなたのそのがんばりを、見つけてくれる人が、きっといる。本屋大賞ノミネート作家が贈る、心をときほぐす温かな物語。 ☆☆★ うちの近所の「ひらぱー」ことひらかたパークを題材にした、月曜日から日曜日までの一週間、毎日主人公が変わる群像劇。とても沁みる。
使命と魂のリミット (角川文庫)
読了日:10月24日 著者:東野 圭吾
あの日なくしたものを取り戻すため私は命を賭ける――。心臓外科医を目指す夕紀は、誰にも言えないある目的を胸に秘めていた。それを果たすべき日、手術室を前代未聞の危機が襲う。 ☆☆★ 臨場感のある描写に、作者らしい医学の掘り下げ方、複雑なレトリックを納得のいくストーリー展開で読ませてくれて、そして伏線回収の鮮やかさ。どれをとっても流石。
傲慢と善良 (朝日文庫)
読了日:10月30日 著者:辻村 深月
仕事も恋愛も順調だった西澤架は、長年付き合った彼女にふられたことで、マッチングアプリで婚活を始める。控えめで気の利く坂庭真実と出会い付き合い始めるが、1 年経っても結婚まで踏み切れずにいた。真実がストーカーにねらわれていることを知った架は、彼女を守るため婚約を決意するが、真実は突然いなくなってしまう。彼女の居場所を探すうち、知りたくなかった過去と嘘を知ってしまう。 ☆★★ 現在の恋愛観や結婚観は、自分の頃とはずいぶん違っているし、「へ~」って感じで読んでた。逆に今の若い人たちが陥ってしまっている悩みの片鱗が垣間見えた気もしたから、「勉強になった」という感想だ。映画化されているが、劇場には見に行かないかな。
読書メーター
ダイヤモンドの原石たちへ 湊かなえ作家15周年記念本 (集英社文庫)
読了日:10月02日 著者:湊 かなえ
『告白』で衝撃的なデビューを飾って以来、第一線を走り続けた15年を改めて振り返る。デビュー作から各誌で著者インタビューを続けてきたタカザワケンジ氏が密着取材。憧れのひととの対談、全小説27作紹介、著者へのロングインタビュー、そして待望の書き下ろし小説を含む短編小説2編を収録した充実の一冊。「●●県とわたし」と題して、全国47都道府県の書店サイン会で特別に配布された、湊さんお手製のアナログブログも収録。あなたの出身県と湊さんのかかわりは?未来の小説家に対する眼差しまでを完全レポートの形でお届けする。大人気作家はどのように生まれ、走り続けたのか。湊かなえファンも、これからその面白さを体験する読者も必読! ☆★★ 間違えた、基本、小説ではなかった。とは言え収録されていた小説2編は面白かったんやけど。
花影の花 大石内蔵助の妻 (文春文庫 ひ 1-129)
読了日:10月07日 著者:平岩 弓枝
赤穂浪士・大石内蔵助の妻、りく。忠臣として語り続けられる大石内蔵助ではなく、その妻にスポットライトを当てた、影の「忠臣蔵」。討ち入り後、りくは遺児となった大三郎とともに生きるが、その生涯は哀しいものだった。赤穂に嫁ぎ、夫を支え、そして夫亡き後は忠臣たちの遺族のもとをまわるなど、最期まで武士の妻であった。そんなりくの人生を平岩弓枝が鮮やかに描き出した傑作長編。 ☆★★ 現在の価値観で書かれた完全なるフィクションとしか思えない。史実にはある程度忠実だとしても。
項羽と劉邦(下) (新潮文庫)
読了日:10月09日 著者:司馬 遼太郎
楚漢の天下争いは勝負がつかない。圧倒的な項羽軍の前に、穀倉のある山にのぼってこれと対峙する劉邦軍。やがて和議成って故郷に帰る項羽軍を劉邦は追撃し垓下に囲む。ある夜、包囲軍の中から楚の国の歌が湧き上がるのを聞いた項羽は、楚人はことごとく漢に降伏したかと嘆き、天が我を滅ぼしたことを知る。 ☆☆★ 紀元前206年から紀元前202年にわたり、秦王朝滅亡後の政権をめぐって、西楚の覇王項羽と漢王劉邦との間で繰り広げられた戦争はこれで終結。しかしいまだに自分は劉邦がなぜ王になれたのかが解せない。一方で、項羽は軍人としてリーダーとして傑出した人物であり、この歴史は結果論に過ぎないのかもしれない。一般に「四面楚歌」とは、周囲が敵だらけになる孤立無援と同じ意味で使われている。しかし項羽にとっての「四面楚歌」は、自身が生涯をかけて尽くしてきた「楚」の国と民とが、城外から聞こえる故郷の歌により、漢軍に寝返って自分が滅びるのを望んでおり、ついに己の運命が極まったことを悟るという、項羽自身の存在意義が完全否定された事にあるのではないか。
世界でいちばん長い写真 (光文社文庫 ほ 4-8)
読了日:10月12日 著者:誉田 哲也
人気者だった親友の洋輔が転校してから、宏伸の毎日は冴えない感じだ。特にやりたいこともなく、クラブ活動の写真部でも、部長からしかられてばかり。そんなある日、祖父の古道具屋で、大砲みたいにごつい不思議なカメラに出合う。世界一長い写真が撮れるカメラって!? その日から、宏伸の日常がきらめき始める。 ☆☆★ 主人公のうじうじ感が切なくて、それでもいい意味で裏切ってくれる展開があって、読後感は最高に爽快だった。今、テレビでドラマやってる「Qros(キュロス)の女」の作者だが、この人、こんな作品も書けるんや、と驚いた。
ドキュメント (角川文庫)
読了日:10月13日 著者:湊 かなえ
事故に遭って陸上競技をあきらめた圭祐は、ひょんなことから放送部に入部する。3年生の引退後、仲間たちとともにコンテストに挑むことになった。偶然手に入れたドローンを武器にテレビドキュメント部門の撮影を進めていたところ、煙草を持った陸上部の逸材・良太の姿が映り込む。真実を探っていくと、騒動の陰で糸を引く思わぬ人物にたどり着いてしまい……。部活にかける情熱と予測不能な事件を描く、学園青春エンタメ! ☆☆★ イヤミスの女王が描く、爽やかな青年群像ミステリー。謎解きメインでなく、高校生達の揺れる心理描写が読みどころで、ドローンやコロナ禍の影響など、とっても今っぽい学園もの。
ほたるいしマジカルランド (ポプラ文庫 て 3-5)
読了日:10月16日 著者:寺地 はるな
大阪北部の蛍石市にある「ほたるいしマジカルランド」は、願いごとを叶えてくれるという噂のあるメリーゴーラウンドが人気の老舗遊園地だ。ここで働くのは、どこか不器用で悩みを抱えた人ばかり。アトラクションやインフォメーションの担当者、清掃スタッフに花や植物の管理。お客様の笑顔のために奮闘する従業員たちの日常が、ふとしたきっかけで動き出し――。毎日がんばるあなたの心をふっと軽くする、温かな物語。あなたのそのがんばりを、見つけてくれる人が、きっといる。本屋大賞ノミネート作家が贈る、心をときほぐす温かな物語。 ☆☆★ うちの近所の「ひらぱー」ことひらかたパークを題材にした、月曜日から日曜日までの一週間、毎日主人公が変わる群像劇。とても沁みる。
使命と魂のリミット (角川文庫)
読了日:10月24日 著者:東野 圭吾
あの日なくしたものを取り戻すため私は命を賭ける――。心臓外科医を目指す夕紀は、誰にも言えないある目的を胸に秘めていた。それを果たすべき日、手術室を前代未聞の危機が襲う。 ☆☆★ 臨場感のある描写に、作者らしい医学の掘り下げ方、複雑なレトリックを納得のいくストーリー展開で読ませてくれて、そして伏線回収の鮮やかさ。どれをとっても流石。
傲慢と善良 (朝日文庫)
読了日:10月30日 著者:辻村 深月
仕事も恋愛も順調だった西澤架は、長年付き合った彼女にふられたことで、マッチングアプリで婚活を始める。控えめで気の利く坂庭真実と出会い付き合い始めるが、1 年経っても結婚まで踏み切れずにいた。真実がストーカーにねらわれていることを知った架は、彼女を守るため婚約を決意するが、真実は突然いなくなってしまう。彼女の居場所を探すうち、知りたくなかった過去と嘘を知ってしまう。 ☆★★ 現在の恋愛観や結婚観は、自分の頃とはずいぶん違っているし、「へ~」って感じで読んでた。逆に今の若い人たちが陥ってしまっている悩みの片鱗が垣間見えた気もしたから、「勉強になった」という感想だ。映画化されているが、劇場には見に行かないかな。
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