年を取り、体の自由が利かなくなり、誰かの世話を受けるために病院、施設に入所する、そ
うなることは避けたい、と誰もが思うだろう。自分が突然の病気、いきなり大きなケガをし
て思う通りに行動できない状態を想像することも難しい。著書は直接現場に赴き様々なケー
スを取材している。
第1章では在宅死を支えた家族の現状が詳細にリポートされていて心に刺さる、過酷だ。最
初のケースで介護をしている妻が「よく介護疲れで殺人事件が起きたりするでしょう。ああ
いう気持ちわかるんです」とも語っている。どちらの立場になっても自分だったら耐えられ
るか、全く分からない。
現在の日本では8割の人が病院で死ぬのが現実だ。私は病院にも施設にも世話になりたくな
い。在宅で身内にも過大な負担をかけたくない。延命治療なども希望しない。ある一定の年
齢を越えたら、何とかピンピンコロリと逝ってしまいたい。
実録・家で死ぬ 笹井恵理子 中公新書ラクレ
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