辞めない理由 | |
碧野 圭 | |
PARCO出版 |
小学一年生の娘を持つ、大手出版社勤務にて女性誌の副編集長の仕事をしている
ワーキングマザー、七瀬和美が主人公のお話。
仕事と家庭、育児の両立は女性の永遠のテーマです。
読んでいてなんだかこのような内容の小説があったような。
・・・
そう、「七人の敵がいる」によく似ている。(テレビドラマ化もされました)
七人の敵がいる (集英社文庫) | |
加納 朋子 | |
集英社 |
もちろん、内容は違いますが両作品ともに根底を流れるテーマが同じ。
・ワーキングマザーで夫婦ともに実家は遠いため、家事育児とも手伝ってくれる人がいないこと。
・ 旦那さんは仕事が忙しく家のことには非協力的。勢い、妻が何もかもやらねばいけなくなること。
・仕事でつまずき、さらに子供、学校にてすべてトラブルが発生。
・専業主婦とワーキングマザーとの間での意思疎通の難しさ。
・職場は男尊女卑な環境。 など。
『辞めない理由』
本のタイトルに目がひかれたのがこの本を手にとったきっかけ。
自分も働く主婦の端くれですが、フルタイムでもなく、近所に実家もあるためかなりの
甘ちゃんです。この本の主人公には遠く及ばず。そばにいても敬遠してしまうと思います。
が、この主人公の強さ、たくましさは見習うべきなのかな。
いやいや、そもそも子供を残して夜遅くまで職場にいるほど仕事を愛してはいない。
優先順位が違うんでしょうね。
しかし読んでいてスッキリする内容。特に後半の内容の展開が
加速していくところはよくありがちではありますが、心地よいものです。
また出版社の雑誌編集について詳しく描かれている(著者が出版社勤務経験ありの方)
ため、この本を読むと、書店に並んでいる雑誌を見る目が変わりますよ。