宮下昌也の近況報告    MASAYA MIYASHITA 's News

美術家・宮下昌也の展覧会、ライブペインティングなどの活動情報と
南房総、鴨川の日々の生活から最新情報を掲載しています。

東南アジアツアー:タイランド編~シャンバラまつり2012の巻

2012-03-08 | 
10日間のバリ滞在を終え空君は帰国、そして僕はタイ北部のチェンマイへ。
チェンマイでの目的はシャンバラまつり2012とパヤカチェンマイ店オープニングへの参加。夜遅くチェンマイ空港に到着後、フライヤーをたよりにソンテオに乗ってパヤカへ到着すると、見知ったパヤカスタッフ達が出迎えてくれて、ほっと一安心。翌日より店内の壁画制作に取りかかり数日を過ごしますが、まずはこの世の楽園、シャンバラまつりの様子から.....。


僕が到着した翌日にはモーフの旅のRyujiも合流して総勢13名のパヤカ御一行。2台のソンテオに分乗して会場を目指します。


会場に沈む夕日。この時期行われている焼き畑の影響らしく、空がもやっていて朝日、夕日が幻想的でした。


毎晩行われるステージと、その後にそびえる聖山チェンダオ山。この山の気がいつも会場全体を包み込んでいます。


バリで作ったバティックを飾ったテントサイトで極楽の日々。


オーストラリアからの飛行機が遅れるというアクシデントにも関わらず、到着直後演奏を披露するRabiRabi。国境を越えてここでも大人気!


モーフの旅の演奏でライブペインティング。今年の滞在は3日間と短かったけれど3枚のライブペインティングを行いました。


ライブペインティング3枚目に描いた絵。

今年は2回目の参加で場所も人も馴染んだせいでかなりゆるゆるに過ごし、旧友トロンさんとの再会など結構特筆することもあったはずなのにあまり写真も撮っておらず、ここに載せた写真の何枚かも他のサイトから引っ張って来ました。

こちらのサイトでより沢山の写真が見れますので、まつりの雰囲気をお楽しみ下さい。

パヤカスタッフブログ
http://payakablog.exblog.jp/14762416/

モーフの旅・Ryujiのブログ
http://ryuji510.exblog.jp/15465032/

東南アジアツアー:バリ島編~祈りの造形の巻

2012-03-07 | 
僕等が訪れた時はちょうどガルンガンとクニンガンというお祭の間の時期で、これはちょうど日本のお盆のような期間でガルンガンが盆の入りクニンガンがお盆開けにあたり、ペンジョールという竹とヤシの葉でできた飾りが街中に立っていて見事でした。


街中に立っているペンジョール。日本のお盆飾りのような物で、これを目印に祖先の霊が家に帰って来るとのこと。


ペンジョールには祭壇が取り付けられていて、様々な供物が捧げられています。


こちらはお寺で見た供物。


バリでは朝、女の人達が家のあちらこちらに供物を捧げお祈りを捧げる姿を目にします。それらのほとんどがヤシの葉やバナナの葉や花と食べ物でできていて、お寺はもとより、民家の入り口、門の前、街中の歩道に至るまでありとあらゆる所に供物が置かれます。僕等の泊っていたバンガローにも宿の奥さんや娘さんが朝早く供物を置いていく日が度々ありました。その時々によってお線香を置いたり、お米を撒いたり、水を撒いたり、置く物や作法が違い、きっとひとつひとつ意味があるのでしょう。一番簡素な物はバナナの葉を5cm四方くらいに切った物の上に餅米が乗っていて、これは悪霊、悪魔の類い対しての供物で、まず悪い神様に捧げ物をしてから良い神様に捧げ物をする、という作法も興味深かったです。
毎日夕方から夜半にかけて彼女達はこの供物を作り続けます。日々たくさんの供物を作る様子は感嘆の一言で、信仰心に基づくこの果てしない手作業の日常性が、この島の圧倒的な手工業の原動力なのではないかと感じてしまいます。

街中で見かけた、美しい祈りの造形の数々をご覧下さい。




















東南アジアツアー:バリ島編~風景と石像の巻

2012-03-06 | 
滞在中のほとんどがバティック工房と宿を往復する毎日でしたが、enishiの中村familyとの再会も果たしたし、クミさんの旦那様ウィーディアさんの運転で、制作の合間の一日に遺跡や高原地帯を訪ねたりと、しっかり観光も楽しみました。


標高1717mのバトゥール山を望む外輪山の上にたつレストランで、豪華なインドネシアンビュッフェを堪能する私達。バトゥール山は巨大なカルデラを有する活火山。いつも雲をかぶっていて、山頂が望めるのは珍しいそうです。右側に見えるのはカルデラ湖。


バリ最大の遺跡、グヌン・カウイ。岩山を彫り貫いて作られたその規模に圧倒されます。


ウブドとキンタマーニの間にあるコーヒー園から望む棚田の風景。まるでバリ絵画そのもの。


ウブド市街地にあるモンキーフォレストにて。ウブドは観光客ごった返す街だけれど、それと共存するジャングルの様相が、何とも不思議な光景で異国情緒あふれています。


そして異国情緒をより強めているのが、街中のいたるところで見る事のできる石像の存在。昔はお寺や裕福な家にしかなかったそうですが、今はゲストハウスの入り口や街道沿いにも設置されていて、その姿もヒンドゥー神話の登場人物から、動物、はては妖怪のような者まで多種多様。クオリティも目を見張る様な物から彫りかけの物まで様々で、はじめは数が多すぎてあまり着目していなかったのですが、慣れて来ると段々そのディティールが気になり始めたのでした。


聖なる泉の湧くお寺ティルタ・ウンプルで見た非常に精巧にできた石像。由緒あるお寺の石像はやはり見応えがあります。


モンキーフォレストにあるリアルな大トカゲ。


ヒンドゥー神話の王族かな?苔むし具合がいい感じ。


苔むしすぎて正体不明。


門の両脇に男女の石像が建っているのもよく見ました。


今回見た中でも最もインパクトのあった石像。何者?


ゲストハウスの入り口に置かれていた仏陀。バリでもタイでもヒンドゥー教と仏教はけっこう仲良し。



東南アジアツアー:バリ島編~空君、料理教室の巻

2012-03-04 | 
今回一緒に旅をした次男の空君は高校の調理科に通っているので、出発前に「インドネシア料理のワークショップなんか受けられたらいいね」と話していたのですが、クミさんの親戚でヴィラのシェフをしているクトゥさんという方の自宅で、プライベートな料理教室をしていただけることになり、旅行者ではなかなか入っていく事のできない、地元の方の生活の場にふれる機会を得ました。


台所で調理中の空君と、クトゥさん。バリの台所の典型的なスタイルは、ガス台のある近代的な台所、その奥には昔ながらのかまどのある部屋、手前には日々のお供え物を作る部屋、の3部屋で構成されているそうです。


こちらが奥のかまどの部屋。ガス台のある部屋の奥にかまどの部屋があるのは、日本の農村地区の古い家の台所によく似ています。


出来上がったお料理は3品。まずスウィートトーフ。


チキンバリニーズソース。


ガドガド。


これは料理に使った香辛料。ショウガの仲間が3種類もある。


この日の料理を食べに来てくれたみんなで記念撮影。一番左がクトゥさん、一番右が旦那さんで絵描きのマデさん。真ん中でお化粧しているのは二人の娘さんで空君と同じ17歳のマハちゃん。ちょうど村のお寺でのダンスに出かける所。


この料理教室のおかげで空君はマデさん一家と親交を深め、僕とは別行動で何度もこのお宅に出向く様なりました。写真はこのお家の赤ちゃんの1歳の誕生日を祝うお祭の様子。バリでは誕生から半年で1歳とするそうです。


お家の人たちに混じって正装させてもらった空君。
この後もクニンガンのお祭に招かれたり、子供達と遊んだり、帰国前日にはもう一度全ての料理を一人で作るという復習もさせてもらって、なんとか感謝の気持ちを表したいと思った彼は、インドネシア語を必死に勉強して、最後には自分でお礼の言葉を伝える事ができたのでした。

「若い時に世界を旅して異文化に触れることが人を最も成長させる」というのが僕の子育て持論のひとつですが、今回の東南アジアツアーは仕事面でも実りあるものだったけど、バリでの10日間における空君の成長ぶりが実は一番の収穫だった、と感じています。


東南アジアツアー:バリ島編~バティック制作の巻

2012-03-02 | 
約1ヶ月間に渡る東南アジアツアーから帰国しました。多くの方のサポートのおかげで、去年のタイツアーに引き続き、今回も描いて描いて描きまくりの充実した日々を過ごすことができ、感謝の気持ちでいっぱいです。ブログ上で全ての体験を表すことは、とてもできませんが、かいつまんで報告して行きたいと思います。まずは、空君を伴って行ったバリ島の様子から......。

バリ滞在の目的はオリジナルのバティック制作の可能性を探ることだったのですが、静岡のバティック作家Cha*2さんが紹介してくれた、ウブド在住の元バティック作家クミさんのサポートにより、最良の展開となりました。クミさんには制作に関することから、宿の手配、はては観光まで、何から何までお世話になりました。


僕等の泊ったバンガロー。バティック工房まで歩いて3分、ウブドの中心街もすぐ行ける好条件。ここに10日間滞在しました。


バンガローの目の前に広がる田んぼ。バリは3期作だそうでちょうど田植え前の風景。毎朝この風景を眺めながら、朝食をとっていると、南国の鳥や蝶を観察する事ができました。


僕のバティックを作ってくれることになったウブド在住のバティック作家、有加ちゃん。
机の上にあるのは日本から原画を描いて持っていった、ポストカードで人気の「太陽の下で」をバティック用に描いたサロンサイズの大判。原画を布にトレースし、その上に蝋置きをしてもらった状態。


大きいサイズなので、みんなで色入れ。クミさん、有加ちゃん、有加ちゃんの旦那様のバリニーズ、ワナ君。
有加ちゃんの工房で製作中たくさんの人が訪れてくれましたが、バリニーズに嫁いだ日本人奥さんに何人も会って、こんなに多くの日本人がウブドに住んでいるんだと、ちょっとビックリ。


色入れ終了。この後定着してから、蝋を洗い落とす作業をへて完成。


蝋置き作業中の有加ちゃん。僕も体験させてもらいましたが、熟練したテクニックを要する作業で、この部分は全て担当してもらいました。


チャンティンという道具で細かく描いていきます。色入れもそうですが、非常に集中力がいる作業です。


空君も体験制作。バリの空気は彼にインスピレーションを与え、初めてのオリジナル作品が出来上がりました。


僕もバリで描き上げた原画で、2作目の制作に突入。

結果大小2作品を各2枚仕上げることができ、うち1枚ずつをサンプルとして託し発注できる事になりました。短期間でしかも初めての滞在でここまでたどり着け、クミさん、有加ちゃんをはじめとするウブドで関わった人々に深く感謝です。

このバティック作品、まずは5月の展覧会で発表しますので楽しみにして下さい。

宮下昌也と巡る悠久の旅