(執筆途上)
筆者は毎日300以上の海外情報を読んでいるが、この記事は極めて個人的に関心を持たざるを得なかった。というのも、彼女の3歳の息子(Joey Carpenter)が家の前の道路で細かに割れた落ち葉を踏んで三輪車に乗ってにこやかに笑う写真がトップに写されていたからである。誰でも涙を誘うであろう(個人的なことであるが、筆者の孫も現在3歳である)。
3歳の息子が堅牢な家に住み大人になる日を夢見る上で、若くして「がん」で死亡した退役軍人の未亡人たる配偶者(Elizabeth Carpenter)は自宅をホームローンで建てるという極めて困難な問題に取り組んだ。また、この問題に退役軍人省(Department of Veterans Affairs: VA ) の「給付・援助局(Veterans Benefits Administration:VBA)」が全面的に支援したという物語が背景にある。
すなわち、毎日DODから送られてくる情報の多くは、米国の軍隊の最前線の情報以上に戦時遂行にかかわるストレスに基づく①トラウマ(心的外傷)、②PTSD(心的外傷後ストレス障害(Posttraumatic Stress Disorder)、さらに③同性愛問題、④自殺等あげればきりがない。
また、その次に多く取り上げられるのが退役軍自身や未亡人や遺族の生活補償問題である。今回のテーマはまさにこれに該当すると思える。
今回のブログは、今回のリリースの概要および極めて予算規模や組織が大きいにもかかわらず、わが国で詳しい説明が少ない「VA」やオーストラリアのVAの概要について両者を比較しながら説明する。
1.リリースの概要
10月26日、ヴァージニア州ウッドブリッジ発でDODが報じた記事の概要は次の通りである。仮訳する。
○3歳の男の子ジョーイ・カーペンター(Joey Carpenter)が家の前の道路で細かに割れた落ち葉を踏んで三輪車に乗ってにこやかに笑うのを若い母親は涙して微笑んだ。彼女は、ジョーイが成長するに必要と思える堅牢な家を得たことがその背景にある。近所の人々は、VA幹部がエリザベスに対しホームローンの第2000万件目の家のドアの住所表示を送る式典を見守った。
VAの給付・援助担当次官であるアリソン・H・ヒッキー(Allison H.Hickey)はジョーイとエリザベスに記念の額を贈ったが、ウェストポイント陸軍士官学校を卒業しイラクに派遣していた夫マシュー・カーペンター(Mathew Carpenter)は、2010年12月に癌で死亡した。VAのホームローン・プログラムの担当である次官は、周りの環境がどうであれ軍人の家族が新しい家を欲するのは良い考えであり、「そのような策を用いること自体良いことである。すなわち、軍人は家族に対する責任や扶養に中心的価値を置き、それに取り組み、ローンによる家の購入を申込み、そして戦場に向かう」と語った。
○エリザベスは、夫が生前にもし自分が死んだら彼女は家族とともにヴァージニア州に住みたいと考えていたと語った。彼女は「私と息子にとって安定した家を持つことを希望しています。これが私たちの『小さな家族』です。彼が16歳になったときに3歳のときの思い出として、どんなに年を取っても戻りたくなる安定して住める家を持ちたいと考えた。」と述べた。
彼女は自分の父親、陸軍の兵士仲間の助言によりVAが運営するホームローン・プログラムに熟知しており、その後、夫自身がコネチカットの彼らが住んでいた家につきVAの給付・援助サービスが購入することを考えていたことも知っていた。しかし、彼女はVAの給付・援助は現役の軍人の家族だけでなく残された遺族や配偶者に広げられていることを知った。
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