石橋みちひろのブログ

「つながって、ささえあう社会」の実現をめざす、民主党参議院議員「石橋みちひろ」の公式ブログです。

新卒応援ハローワークへ行こう!

2011-03-02 23:12:11 | 活動レポート
3月1日の火曜日、民主党政調『雇用対策ワーキングチーム(WT)』の仲間たちと一緒に、「東京新卒応援ハローワーク(学生職業総合支援センター)」へ視察に行ってきました。

この日はちょうど、「新規大卒者等就職応援面接会」の初日で、われわれが到着した時には面接会にやってきた多くの学生で溢れかえっていました。まずは会議室で、新卒応援ハローワークの概要と業務についての説明を。もともとは「学生職業総合支援センター」として平成11年末に開設されたこの施設内に、昨年9月、「経済対策」に基づく雇用政策の一環として「東京新卒ハローワーク」が開設。8名から31名に増員配置されたジョブサポーターたちが(1)学校への対応、(2)個別担当制による職業紹介支援、(3)企業への求人開拓業務、という3つの業務に従事しているということです。

支援の中心はもちろん、求人学生に対する個別の職業紹介ですが、ポイントはマンツーマンの担当制。最初の訪問から内定獲得まで、担当になったジョブサポーターがきめ細かな対応を行ってくれます。仕事の選び方から、書類の作り方、面接の受け方まで、信頼関係を築きながら一歩一歩進めていくのだそうです。

ジョブサポーターたちは、求人開拓や、企業を知るための企業訪問もマメにやってきていますので、現場の状況もよく分かるわけです。求人票の情報に止まらない生きた情報を提供出来るというのも、ハローワークの強みでしょうね。

続いて、「新規大卒者等応援面接会」の会場と、そして「新卒応援ハローワーク」の施設を視察。今日、面接会に訪れている学生のほとんどは、すでにハローワークに登録してジョブサポーターを持っているということで、この面接会でいい企業を見つけたら、引き続きジョブサポーターがマッチングのお手伝いをしてくれる、というわけです。ちなみにこの面接会は、予約不要、入退場自由、参加費無料。3日間で約100社の人事担当者が面接に来るということですが、開始1時間ちょっとで200名以上の学生が来ていました。




そしてハローワークの中ですが、明るくて清潔な感じ。ハローワークになんとなく暗いイメージを抱いている学生さんたちは、その明るさにきっと驚くことでしょう。施設内にはジョブサポーターの相談ブースがたくさん並んでいて、あとは検索用のパソコンも所狭しと並べられていました。最初の訪問では待ち時間があるようですが、二度目以降は予約して来るのでほとんど待ち時間はないというお話でした。

ジョブサポーターが31名に増員になったことで、より多くの学生に対応出来るようになったわけですが、その分、スペースが手狭になっていることは否めません。本当は、もう少しゆったりとした相談ブースになるといいのでしょうが、現状のスペースでは難しいですね。ちなみに、ジョブサポーターは一人あたり約20名の学生を担当しているそうですが、きめ細かな対応を行うにはこの人数が限度でしょう。

さて、会議室に戻って、今度は実際にこのハローワークで就活をしてきた学生さんたちから話を聞かせてもらえる機会をいただきました。来てくれたのは、5人の学生さん。いずれも、3月に卒業する大学4年生です。とっても貴重な話だったので、ポイントをご紹介しておきます。

【女子大生Aさん】
・本当に長い就活だった。先月末、やっと内定をもらった。嬉しかった。
・最初の頃は、エントリーシートではじかれて、面接にすら進めなかった。なぜエントリーシートではじかれるのか、理由も分からず、落ち込んだ。ようやく面接に進んでも、内定は出なかった。
・今年になって、勇気を出してハローワークに行った。これまでは、ハローワークは失業者が行くところだと思っていて、抵抗感が強かった。
・でも、ジョブサポーターが本当に親身になって相談に乗ってくれて、企業を紹介してくれたり、アドバイスをくれたりした。
・ずっと正社員で働きたかった。周りには、途中で非正社員を紹介されて、決めてしまった友達も多い。
・一人で悩まず、ハローワークに来て相談して欲しい。私は本当にハローワークに来て良かったと思っている。


【女子大生Bさん】
・就活は、もう一年半にわたっており、これまでの長い活動を思い出すと本当に胸が苦しい。
・時代が悪いと言われるが、自分では時代は関係ないと思って頑張ってきた。まだ内定は出ていないが、絶対にあきらめない、という思いでいる。
・長い間、自分一人で悩んで本当に苦しかった。大学からは、もっと早い時期にハローワークを紹介されていたが、自分の力で何とかなると思って利用しなかった。1月末に初めてハローワークに来たが、なんでもっと早く来なかったんだろうと思った。
・以来、ジョブサポーターに親身になって助けて貰っている。


【男子学生Aくん】
・大学は勉強するところだという信念で、学校の勉強の他に専門学校にも通っていた。そのため就活を始めたのは遅く、昨年(4年生時)の9月だった。
・そのために、すでに選択肢がなかった。その時点でまだ就活をしている学生は、どこにも決まらなかったダメな学生だというレッテルを貼られたようだった。
・50社ぐらい挑戦したが、ダメだった。もともと地方の出身で、一人で都会に住んでおり、一人で悩んだ。
・親の勧めでハローワークに来た。ジョブサポーターにお世話になって、先月、内定が出た。ジョブサポーターの支えは本当に大きかったと思う。


【女子学生Cさん】
・大学3年生の夏から就活を始めた。4月頃から周りの友達に内定が出始め、焦り始めた。
・その頃、ある企業で圧迫面接を経験し、気持ちが折れて活動出来なくなった。
・秋頃から再開したが、なかなか決まらなかった。全力でやって内定が出ないと、本当に辛い。それで活動を止めてしまう友達もいた。
・就職が決まった友達とは話し辛くなる。就職をあきらめた友達とも話し辛くなる。そして一人ぼっちになり、孤独感に浸ってしまう。
・ハローワークに来て、同じ歳の仲間たちが大勢いることで勇気づけられた。がんばりあえた。


【女性学生Dさん】
・学生時代、ずっと部活動に打ち込んできた。そのため就活を始めたのは去年(4年生時)の10月で、やりたいことはあったが、その時点ではもう選択肢がなかった。
・そのうち何がやりたいのか分からなくなり、もう何でもいいやという投げやりな気持ちに陥ってしまった。
・そんな時、学校の紹介でハローワークに来た。ジョブサポーターが親身に話を聞いてくれ、アドアイスをしてくれて、だんだん何がやりたいのか分かってきた。
・内定はまだもらっていないが、絶対に4月までに正社員の仕事を見つけたいと思う。


5人の学生たちの話には、いくつかの重要なポイントがあります。

まず、就活の長期化が、学生たちに消耗戦を強いていること。1年半近く、何10社(学生によっては100社以上)もトライして落とされれば、どんな学生でも消耗するでしょう。

次に、多くの学生が一人で悩み、孤独感を感じていること。多くの場合、それが学生の気持ちを萎えさせ、就活から離脱させる原因になります。

そして、相談相手がいることが、学生たちの気持ちを救い、就活を続けることの支えになること。大学や民間の職業紹介サイトは、ある時期を過ぎるともう次の学年に軸足を移してしまうそうです。行き場があることというのはとっても重要ですね。

実際、私たちはみんな、学生たちの喜びと感謝の声に勇気づけられました。学生応援ハローワークを設置したこと、そして、ジョブサポーターを大幅に増員して個別の相談体制を充実させたこと --- 徐々に、でも確実に、結果が出てきています。

まだまだ改善の余地はありますが、ハローワークのスタッフやジョブサポーターの皆さんも十分とは言えない体制の中で頑張ってくれています。われわれも引き続き、政治の側からしっかりと現場の努力を応援し、すべての求職者たちが仕事が見つけられるよう、努力していきたいと思っています。

そして、就職がまだ決まっていない学生たち、あきらめるな!ハローワークへ行こう!

EUとのEPA交渉難航をどう見る?

2011-03-02 20:14:37 | 活動レポート
朝日新聞のウェッブ版(asahi.com)でこんな記事を見つけました。

 ・「EU、日本とのEPA交渉を不安視」(asahi.com 2011.03.01)

なんでも、「欧州連合(EU)が日本との経済連携協定(EPA)の推進について、懐疑の目を向けている。菅政権の基盤が揺らぐなか、外国企業の参入を妨げる「非関税障壁」撤廃の実現を不安視。日本側が目指す5月の首脳協議での「交渉入り」合意は微妙な情勢だ。」と。

詳細は記事を読んでいただきたいと思いますが、実は皆さんに知っていただきたいのはこの部分:「日本はすでにほとんどの工業製品の関税をゼロにしているため、EUにとって関税分野で得るものはない。」

本来ならば、この部分をこそ強調するべきでしょう。日本がすでに多くの分野で関税を引き下げ、もしくはゼロにしているのに、EUは未ださまざまな分野で関税障壁を残し、域内の産業を保護しているのです。だからこそ、EPA交渉では日本に難しい要求を投げかけているわけです。とすれば、朝日新聞はむしろEU側の態度を問題にし、日-EU間の経済協力・連携の促進や相互の利益のためには、EU側の歩み寄りこそが必要で、日本政府はEUの開国(?)に向けてがんばれ!と応援すべきなのではないでしょうか?

皆さん、どう思います?