3月8日(金)に日本を出発して、アフリカのタンザニアとモザンビークで参議院の公式調査団としてODA視察を行い、今日、無事に帰国しました。帰国は、モザンビークの首都マプトから、南アフリカのヨハネスブルグ、さらにカタールのドーハを経由して帰ってくるというルート。乗り継ぎ時間も合わせて、トータル約23時間の長旅でした。ふぅ~疲れた~。
今回は、事前にお知らせしていた通り、明日に急きょ、飛び込んできた参議院本会議に出席するために、当初の予定を2日間繰り上げて帰国することとなり、結果、モザンビークでの視察予定の多くが吹き飛んでしまうという残念な事態となりました。しかし、その中でもタンザニアのアルーシャとダルエスサラーム、そしてモザンビークのマプトで、多くのODA関係者と話をし、プロジェクトを視察し、今後の展開について議論してくることが出来ました。
昨年に続いて貴重な機会をいただいたこと、感謝していますし、今後の取り組みにしっかりとつなげていきたいと思っています。
今回は、現地の通信事情があまり良くなかったことに加えて、時差ぼけで夜どうしても眠たくなってしまうこともあって、現地からの報告が出来ませんでした。これはまたしっかりとやらせていただきたいと思いますが、今日は最終日の視察から、モザンビークのマプト市内にある小学校の様子をご紹介したいと思います。
視察にお邪魔したのは、マプト市内の中心街から車で約30分ほど海岸線を走ったところにある小学校。生徒数は、小学校が1,560人、中学校が880人です。しかし先生の数は小学校21人、中学校18人の計39人のみ。クラスの数も、先生の数も、机と椅子の数も生徒数に比して圧倒的に不足していて、そのため学校は3部制になっています。
小学校は、朝6時半から10時半と、10時半から12時半の2部。中学校が12時35分から17時半まで。その上、一クラスの平均生徒数は、なんと、70~80人! 上の写真は2年生のクラスですが、ここでも生徒が溢れていました。
上の写真のまん中は、ここで体育を教えている青年海外協力隊員の大橋さん。ポルトガル語を駆使してがんばっています。子どもたちもみんな大好きだって!
クラスで子どもたちと写真を撮ろうと思ったら、みんながどっと囲んでくれました。先生、授業を中断させちゃってごめんなさい!
1部と2部の入れ替えの時間、校庭は大勢の生徒でごった返してました。「誰か一人と握手したら、他の子どもたちも握手を求めて駆け寄ってくるよ」というJICAの方の言葉に、「じゃあやってみよう!」と試してみたら大変なことに! 何十人もの子どもたちが握手を求めて殺到してきました。いや~、こんな経験初めて。子どもたちにもいい思い出が出来てたらいいですね。
体育をやろうにも用具がないというので、私たちからサッカーボールとバレーボールをプレゼント。ちゃんと空気入れも付けて。これで子どもたちがのびのびと学校生活を送ってくれることを期待しています。
それにしても、子どもたちの教育環境は厳しいです。首都のマプトでこういう状況なのですから、地方に行ったらもっと大変だということです。一クラスの生徒数も、100人がざらというお話も。3部制では十分な初等教育が得られません。今後の社会・経済的成長のためにも、そして貧困の連鎖を断ち切るためにも、人材育成が大きなカギを握っているのは確かです。やはり、政府がしっかりと教育予算を増やして、校舎の建設、教員の育成、机、椅子、教科書などの必要品の整備・拡充などやっていかなくてはならず、日本からの支援も、その政府の積極的かつ自立的な取り組みを促すような側面支援が必要です。
ぜひ、国連組織や他のドナー国とも連携して、政府の取り組みを応援していきたいと思います。
以上、取り急ぎの帰国報告でした!