石橋みちひろのブログ

「つながって、ささえあう社会」の実現をめざす、民主党参議院議員「石橋みちひろ」の公式ブログです。

ODA特別委員会で世界銀行総裁が意見表明~いい意味で驚いた!

2013-06-03 22:50:12 | 活動レポート

今日の参議院ODA特別委員会に、TICAD Vへの参加のために来日していたジムヨン・キム世界銀行総裁が参考人として出席し、これからの世界銀行の政策目標や日本との連携強化について意見表明を行いました。
 


キム総裁は、アジア系としては初の世界銀行総裁。もともと、北朝鮮から韓国へと逃れてきたご両親の下、韓国で生まれ、5才でアメリカに移住。医師として顕著な実績を残されて、国際機関などでも活躍。そしてついに、世界銀行総裁に選出されたのです。う~ん、なかなか凄い経歴ですね。

私自身、キム総裁が何を仰るのか、注目していました。特に、世界銀行が掲げる2030年迄に極貧を撲滅するという目標について、それをいかにして実現する計画なのか、そのことをぜひ聞きたかったのです。するとキム総裁は、確かにこの点について触れて、「雇用が大事だ。トリクルダウン(一部の国民が金持ちになれば、いずれその恩恵が一般国民にも伝わっていくという新自由主義的なアプローチ)ではなく、労働者の所得を上げていく政策が必要だ」と。ほほ~それはそれは。失礼ながら、世界銀行総裁からその言葉を聞くことができるとは、いい意味で驚きでした。

世界銀行が貧困撲滅を目標に掲げるのは、何も新しい話ではありません。かつては、(悪名高い)構造調整プログラム(Structural Adjustment Program=SAP)を推進して、多くの途上国(特にアフリカ諸国)を借金漬けモノカルチャーにし、その後、方針転換して貧困削減戦略ペーパー(Poverty Reduction Strategy Paper=PRSP)を掲げて支援を行ってきましたが、どうでしょう、目立った成果が上がっていると言えるのでしょうか?

結局、これまでの世銀の援助は、途上国の冨を先進国(多国籍企業)に引き渡すだけの政策に終わってきた感があります。残念ながら、途上国の国民にとっては恩恵がなかったか、ごく薄かったわけですね。

だからこそ、今日の意見表明で、キム総裁が地場の雇用、とりわけ、下層40%への支援に言及してくれたことは、一つの光明です。まだそれをどう具体的に実現するのか、明確な戦略は見えませんでしたが、総裁がそのような意識で今後の世銀の運営を実施していくことは大変、重要です。正直、まだ懐疑的なのですが(笑)、とりあえず今後の世銀の具体的な取り組みに注目していきたいと思います。