「なぜ」という問いかけは、それ自体が誤謬を孕むもの。問いかけ自体が解答を包含してるので、因果を逆転する倒錯に容易に取り込まれる。そうでなくても、秋元康氏プロデュースの周辺には、因果を取り違える誤解や悪意があふれかえってる。少なくともこのブログでは、そんな事例を数多く指摘してきたつもり。
それでも問いたい、なぜ「重力シンパシー」公演なのか。
一般的な理解としては、オーナー企業である京楽からの依頼で、パチンコ(パチスロ?)用に製作された、ということになると思う。だから、という言い方で合ってると思うけど、潤沢な予算が用意された。スケジュールも最優先となったんで、最高のメンバーが選ばれた。2011年末という時期を考えると、これはあり得ない好条件の重なりまくりなんであり、であればこそ、悪魔のようにそんなシナリオを書いた奴がいる、そんな秋元康伝説に陥りがちになる。
つまりは、京楽サイドへの企画提案自体、実は秋元氏サイドが行った。その表の目的はともかく、裏の真の目的は、前田AKBの究極型を映像記録に残すため。劇場型アイドルである以上、それは公演でなくてはならなかったし、もちろんのこと、「今」を切り取る新公演でなければならなかった。けれども既に数年間、新公演が書かれてこなかったことを考えれば、これ自体もまた、異例中の異例ということになる。
実際、完成した「重力シンパシー」公演を見ると、セットも衣装も素晴らしい仕上がりで、もちろんのことチープ感は欠片もない。楽曲のできは言わずもがな。既存の公演のすべてを上回ると言っても過言ではない完成度にして、常識的な感覚からは、パチンコ用としては完全にオーバークオリティに見えてしまう。それでもパチンコAKBは、京楽に大きな利益をもたらしたとされてるし、秋元氏らしいwin-winにしっかりと収まってることになる。
うーん、今回ばかりは「陰謀論」で良いことにしてしまいたい。秋元氏の書いたシナリオ通りに事は運び、かくして「重力シンパシー」公演という珠玉の作品が完成した。前田AKBのピークを映像作品として刻めた。そういうことで良いんじゃないか。
けれども、そうじゃない。秋元氏がどう考え、どう行動するか、私なりに無駄に考察を重ねてきたつもりなんで、実はそうじゃないことを知ってるつもり。たとえそれがシナリオに見えても、そこには無意識のうちに結果から遡って考えるという過ちが忍び込んでいる。時間は一方にしか流れないのであって、しかも決して人の思い通りにはならない。
ほとんどが水面下だったことを含め、詳細とかは分かるはずもないけど、秋元氏らしい姿勢、一歩先のリスクをとり続けること、失敗を恐れないこと、失敗したら潔く方向性を変えること。その無数の繰り返しがあったんだろうとしか言えないかな。
結果的に「重力シンパシー」公演は実現した。気が付いてみると、それは前田AKBの究極型にしてピークを、見事に捉えた。描き切った。それを「試し」に対する「奇跡」として受け止めざるを得ないとするなら、やはりとてもプロテスタント的な景色に見える。
以下追記
通りすがりのぽんこつさん、お久しぶりです。チームサプライズにいて何の遜色もないどころか、見事に輝いて見せてるんですから、十分に「間に合ってる」と思いますよ。「推され」「干され」についても、過去に考えてみたことがありますが、これに抜擢されてるという事実が、すべてを語ってるように思います。
もっとも、これもまた結果論的なものの見方なんであって、おっしゃるとおり、予定調和を崩すという姿勢の表れというのが、この島崎さんの抜擢の正しい評価なのかも知れませんが。
それでも問いたい、なぜ「重力シンパシー」公演なのか。
一般的な理解としては、オーナー企業である京楽からの依頼で、パチンコ(パチスロ?)用に製作された、ということになると思う。だから、という言い方で合ってると思うけど、潤沢な予算が用意された。スケジュールも最優先となったんで、最高のメンバーが選ばれた。2011年末という時期を考えると、これはあり得ない好条件の重なりまくりなんであり、であればこそ、悪魔のようにそんなシナリオを書いた奴がいる、そんな秋元康伝説に陥りがちになる。
つまりは、京楽サイドへの企画提案自体、実は秋元氏サイドが行った。その表の目的はともかく、裏の真の目的は、前田AKBの究極型を映像記録に残すため。劇場型アイドルである以上、それは公演でなくてはならなかったし、もちろんのこと、「今」を切り取る新公演でなければならなかった。けれども既に数年間、新公演が書かれてこなかったことを考えれば、これ自体もまた、異例中の異例ということになる。
実際、完成した「重力シンパシー」公演を見ると、セットも衣装も素晴らしい仕上がりで、もちろんのことチープ感は欠片もない。楽曲のできは言わずもがな。既存の公演のすべてを上回ると言っても過言ではない完成度にして、常識的な感覚からは、パチンコ用としては完全にオーバークオリティに見えてしまう。それでもパチンコAKBは、京楽に大きな利益をもたらしたとされてるし、秋元氏らしいwin-winにしっかりと収まってることになる。
うーん、今回ばかりは「陰謀論」で良いことにしてしまいたい。秋元氏の書いたシナリオ通りに事は運び、かくして「重力シンパシー」公演という珠玉の作品が完成した。前田AKBのピークを映像作品として刻めた。そういうことで良いんじゃないか。
けれども、そうじゃない。秋元氏がどう考え、どう行動するか、私なりに無駄に考察を重ねてきたつもりなんで、実はそうじゃないことを知ってるつもり。たとえそれがシナリオに見えても、そこには無意識のうちに結果から遡って考えるという過ちが忍び込んでいる。時間は一方にしか流れないのであって、しかも決して人の思い通りにはならない。
ほとんどが水面下だったことを含め、詳細とかは分かるはずもないけど、秋元氏らしい姿勢、一歩先のリスクをとり続けること、失敗を恐れないこと、失敗したら潔く方向性を変えること。その無数の繰り返しがあったんだろうとしか言えないかな。
結果的に「重力シンパシー」公演は実現した。気が付いてみると、それは前田AKBの究極型にしてピークを、見事に捉えた。描き切った。それを「試し」に対する「奇跡」として受け止めざるを得ないとするなら、やはりとてもプロテスタント的な景色に見える。
以下追記
通りすがりのぽんこつさん、お久しぶりです。チームサプライズにいて何の遜色もないどころか、見事に輝いて見せてるんですから、十分に「間に合ってる」と思いますよ。「推され」「干され」についても、過去に考えてみたことがありますが、これに抜擢されてるという事実が、すべてを語ってるように思います。
もっとも、これもまた結果論的なものの見方なんであって、おっしゃるとおり、予定調和を崩すという姿勢の表れというのが、この島崎さんの抜擢の正しい評価なのかも知れませんが。