田中正造の足跡をたどるツアーで足尾を訪ねる。強制労働に従事させられた朝鮮人、中国人の慰霊碑がある山道の終点近くに国民休暇村「かじか荘」がある。
ここは日本百名山の皇海山の登山口。庚申山を経て皇海山へと続く長い山道。その昔、単独で来たことがある。
皇海山を目指して歩き出したが、その手前、庚申山で道に迷い、続く鋸山へと続く鋸山十一峰の切れ尾根と崩壊している山道に悪戦苦闘しながらの山行だったことを思い出す。
たどり着いた皇海山の山頂は、木々が生い茂り展望もなく、苦労した割には報われない山行だった。
この山域で、強制連行された朝鮮人、また、捕虜となった中国人が過酷な鉱山労働に従事させられ、多くの人が命を落とした歴史があったことを当時は全く知らなかった。
歴史を知らないことは罪である。歴史を知ることは未来をつくる仕事でもある。
かじか荘の前に建つ皇海山と庚申山への道標。
かじか荘の手前にある「中国人慰霊碑」日中国交回復により、田中角栄と周恩来の指示で建立されたとのこと。立派な碑だが、経年劣化で誰が修復するのか不明とのこと。