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ノーベル賞にAI研究 日本人研究者の貢献も認めたが…受賞を分けたのは「波及効果」? 202410

2024-10-13 00:44:00 | 気になる モノ・コト

ノーベル賞にAI研究 日本人研究者の貢献も認めたが…受賞を分けたのは「波及効果」?
  ABEMA Times より 241013


 続々と発表されている今年のノーベル賞受賞者。注目されているのが、AIに関する研究の連続受賞だ。

【映像】AIの「原型」 当時は大型コンピューターで研究

 ⚫︎ノーベル化学賞はタンパク質の立体構造の研究をした3人が受賞した。

 デビット・ベーカー氏はタンパク質の立体構造をコンピューターで設計し、全く新しい種類のタンパク質を生み出すことに成功した。
 グーグル・ディープ・マインドのデミス・ハサビス氏とジョン・ジャンパー氏は複雑なタンパク質の構造をAIで予測する「アルファフォールド」を開発。

 アミノ酸配列を入力するだけでタンパク質の立体構造を予測し、3Dモデルを表示することができる。精度はおよそ90%で、新薬の開発が大きく加速することが期待されている。

 ノーベル物理学賞はアメリカ・プリンストン大学のジョン・ホプフィールド教授とカナダ・トロント大学のジェフリー・ヒントン名誉教授が受賞。
 脳の神経細胞の働きを模倣したコンピュータープログラム「人工ニューラルネットワーク」を考案し、AIの機械学習の基盤を築いたことが評価された。

 ヒントン名誉教授は「AIの父」とも呼ばれる第一人者だが、去年グーグルを退社し、開発競争の過激化やAIがもたらす悪影響について警鐘を鳴らしてきた。
 今回の受賞発表後も、AIによる効率化などメリットを挙げた上で、その危険性について以下のように語った。
「人間よりも賢いものが存在するというのはどういうことか、私たちはまだ経験していない。様々な悪影響、特に制御不能になるという脅威についても心配しなければいけない」

 今回、物理学賞のリリースにはこうした研究の基礎を作ったとして、日本人研究者の名前やその文献も記載されていた。
 脳の研究を始め人工知能によるデータ解析の研究に従事する東京大学の岡田真人教授は、特に大きな貢献をした研究者として、東京大学の甘利俊一名誉教授と、電気通信大学の福島邦彦特別名誉教授の名を挙げた。

「甘利先生はホプフィールド氏よりも前に、その原型となるモデルを提案している。福島先生は、ニューラルネットの基礎となるネオコグニトロンを提案している」
 ネオコグニトロンは、ヒントン氏らの画像認識技術の開発の参考にもされたという。では、こうした基礎的な理論での貢献があったにもかかわらず、受賞の有無を分けたのは何だったのか。

「プレスリリースに名前が書いてあるということは、審査員もこうした日本人研究者の貢献については調べて把握しているのだということはわかる。そのうえでホプフィールド氏らが受賞したのは、研究の社会を動かすような影響力、波及効果に対する評価だったのではないか…というところで納得するしかない」

(『ABEMAヒルズ』より)
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🏆日本人が18年連続受賞のイグ・ノーベル賞! 今年の受賞研究をサイエンスの視点で深掘り! 202410

2024-10-07 23:16:00 | 気になる モノ・コト

日本人が18年連続受賞のイグ・ノーベル賞! 今年の受賞研究をサイエンスの視点で深掘り!
  EduA より 241007  安原和貴


 さあみなさん、毎年恒例のあの授賞式の時期がやってまいりました! 「人々を笑わせ、考えさせる」研究と聞けばもうお分かりでしょうか。
 そうです! イグ・ノーベル賞です。
今年の受賞研究もまあおもしろい! 日本人が18年連続で受賞したことでも話題になりました。大人も子どもも楽しめる、そんな王道のテーマを、サイエンスの観点で深掘りしましょう。

⚫︎生理学、人口統計学、確率学のおもしろ研究
 私は普段、プラスティーという学習塾で小・中・高校生に探究の授業をしています。授業の中でさまざまなテーマを扱うのですが、その中で毎年、学年関係なく例外なく盛り上がる話題があります。それが「イグ・ノーベル賞」です。

 それもそのはず。子どもたちの多くは「大人の研究は難しいもの」という固定観念を持っています。そんな固定観念を覆してしまうインパクトがイグ・ノーベル賞にはあるのです。

 2024年のイグ・ノーベル賞では、日本人研究者が「おしり呼吸」の研究で生理学賞を受賞しました。受賞したのは、東京医科歯科大・大阪大の武部貴則教授(再生医学)らのチームです。

 おしり呼吸と聞くと、一見ふざけた研究のようにも思えますが、いたって真面目な研究です。この研究では、ブタなどの哺乳類が肛門(こうもん)から酸素を吸収する「おしり呼吸」ができることを発表しました。

 もともとドジョウのような魚類が腸呼吸を行うことが知られていましたが、それをヒントにマウスやブタに酸素を含んだ液体やガスを注入し、腸から酸素を取り込めることを確認したのです。

 この研究は、大人よりもむしろ中高生の方が驚きを感じるかもしれません。中学生の理科の教科書では「哺乳類の呼吸は肺で行う」と記載されています。
 多くの人が、肺以外の器官で呼吸ができるなんて考えたことすらないことでしょう。
おしりから呼吸ができるなんて、まさに固定観念を壊してくれます。
実際にこの発見によって、今後、呼吸不全の治療の新たな可能性が期待されています。

 さて、今年は他の受賞研究も見逃せません。私がおもしろいと思ったのが人口統計学賞の「長寿で有名な人の多くが出生と死亡の記録がいい加減な場所に住んでいたこと」の発見です。

 米国では、110歳以上として届け出られている人の数が、出生証明書の提出が導入された後、7割以上も減ったといいます。
 これは、世界の長寿記録の中には、誤りや不正によるものが多くある可能性を示唆しています。年齢をごまかすことができたら、年金などの不正受給もできてしまいますものね。

 確率賞も興味深いです。「コイントスをする際に上を向いている面が投げたあとも上になる確率がわずかに高いこと」を研究したチームが受賞しました。
 48人が46種類の通貨を35万757回(!)投げて検証したところ、同じ面が出る確率はおよそ51%だったそうです。つまり、最初の向きのまま出る確率の方が少し高いのです。
 今後、コイントスで何かを決める際には、上向きの面を隠しておかないとけんかが起きてしまうかもしれません(笑)。

⚫︎クロマトグラフィーを実験してみよう
 せっかくですので,もう一つ。中高生の読者に紹介したいのが,なんといっても化学賞を受賞した「酔っ払ったミミズとしらふのミミズをクロマトグラフィーで分離する」研究です。
 これだけ聞くと、「ミミズを酔っ払わせるなんてやっぱりふざけている」と思うでしょう。でも先ほど同様、こちらも深掘りしてみるととても学びがいがあります。

 研究の中身はこんな感じ。ミミズをエタノール(お酒の主成分)入りの水に入れると、酔っ払って動きが鈍くなります。一方、しらふのミミズは元気なので、丸まったり、結び目を作ったりします。
 そんな2種類のミミズを、水とともに、障害物の柱が大量にある部屋に流します。すると、酔っ払ったミミズより、しらふのミミズの方が早く流れたといいます。

 要するに、しらふのミミズは丸まっているので、柱に引っかかりにくかった。障害物の中を流れるスピードによって、酔っているかどうかを見分けることができるのです。着眼点がいいですよね。

 ところで、「クロマトグラフィー」という言葉はなじみがない方も多いのではないでしょうか。これを機に中高生のみなさんに「クロマトグラフィー」という言葉だけでなく、原理まで覚えてもらいたいと思います。

 クロマトグラフィーは、物質中での移動速度の違いを利用して、混合物をその成分ごとに分離するための操作で、化学や生物学の実験で広く使われています。先ほどのミミズの実験も「流れるスピード」で分けていましたよね。
 紙を使ったペーパークロマトグラフィー、ガスを使ったガスクロマトグラフィーなど、さまざまな種類があります。

 特に、高校の化学では、ペーパークロマトグラフィーが登場します。上記の説明だけだと実感が持ちにくいかもしれませんが、クロマトグラフィーを正確に理解するため、家で簡単にできるオススメの実験があります。
 簡単に紹介しましょう。

 まずサインペンを用意します。このとき、油性ではなく水性のものを使うのがポイントです。加えて、「水を吸い込みやすい紙(コーヒーのペーパーフィルターなど)」「割りばし」「プラスチックのコップ」も用意します。それらを用意したら以下の手順で実験を進めます。

① コップの中に水を入れる
② 長方形に切った紙の一部にサインペンで印をつける
③ 割り箸で先ほどの紙を挟んだ後、コップの中につるし、紙の端を水につける
④ 水が上まで染みていくのを待つ

 基本的には準備ができたら待つだけでOKです。紙の端に水をつけると、水は上まで染みて上がっていきます。これを毛細管現象と呼びます。
 すると、あら不思議。水が染みるのと同時に、黒一色だったサインペンの色が分かれていくのです。これがまさにペーパークロマトグラフィーそのものです。

 では、なぜこのような現象が起こるのでしょうか。
そもそもインクに色をつけているのは色素という分子です。その分子は種類によって、「紙と仲が良い(ろ紙に対する吸着力が強い)もの」もあれば、「水と仲が良い(ろ紙に対する吸着力が弱い)もの」もあります。その仲の良さの違いによって、色が分かれていくのです。
 インクに含まれる色素の種類によって実験結果が変わるので、別のペンで試せばまた違った結果が得られます。

 さらにおもしろいのがこの実験、黒が様々な色が混ざってできていることを学ぶことができます。「黒」だと思っていた色がカラフルに分かれていく様子をぜひ一度は生で見てみることをおすすめします!(下図参照) 興味がある方は、「色の3原色」というキーワードでぜひ追加で調べてみてください。

 今回のお話はここまでです。今年のイグ・ノーベル賞も固定観念を覆すきっかけを与えてくれる研究ばかりでした。
中高生のみなさんは、これをきっかけに世の中にはどんな「研究」があるのか、どのように「研究」をしていくのか、調べてみてもよいかもしれません。きっと、新たな発見が待っていますよ。

(プラスティー教育研究所執行役員、理科科主任/安原和貴)
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ウクライナ侵攻で浮かび上がった「GDP神話の噓」 202410

2024-10-06 02:11:00 | 気になる モノ・コト

ウクライナ侵攻で浮かび上がった「GDP神話の噓」
 東洋経済Online より 241006  佐藤 優:作家・元外務省主任分析官


⚫︎もはやGDPでは本当の「国力」は測れないという
 民主主義とは何なのか? そこに限界はあるのか? 台頭するポピュリズム、強権主義に対して、民主主義は生き残っていくことができるのか? 
 現在の民主主義社会が抱える問題点に次々と疑問を投げかける、元外務省主任分析官の佐藤優氏は、一般的な経済指標として使用されているGDPの存在にも疑問を呈します。
 佐藤氏が指摘するGDPの問題とは、いったいどういったものなのでしょうか。
※本稿は、佐藤氏の著書『佐藤優の特別講義 民主主義の危機』から、一部を抜粋・編集してお届けします。

⚫︎GDPは本当に「国力」を表しているのか?
 2007年に世界銀行が発表した報告書『東アジアのルネッサンス』の中で、「中所得国の罠」という言葉が使われました。この言葉には、ある程度民主主義が発展しないと、個人の所得は1万ドルの壁を超えることができない、という意味があります。
 一見、なるほどと思わせますが、この説はGDP神話というものを前提としており、ほとんど意味のないものであると私は思います。
 なぜなら、ウクライナ紛争によって、GDPが圧倒的に多いアメリカが、ロシアを屈服させることができないという現状があるからです。

 GDPの指標として、民主主義が成熟した国においてはサービス業の数字が入っており、このサービス業の数字がかなりの曲者です。たとえば、トランプの不倫裁判にかかる費用も、不倫のもみ消し料も、すべてGDPに計上されます。
 GDPは1国の付加価値の合計だから、こうしたものまで計上されてしまうのです。

 アメリカの作家ジョン・デ・グラーフと経済学者デイヴィッド・K・バトカーは『経済成長って、本当に必要なの?』の中で、GDPの問題点を指摘しています。

 今は物があふれていて、所有権の移転も多くなりました。交換して所有権が移転するだけなら付加価値は生じないので、GDPには反映されないし、税金もかからない。極端な話、「メルカリ」や「アマゾン」などを禁止すれば、GDPは上がるかもしれません。
 日本のGDPが伸び悩んでいるといっても、セカンドハンド(中古品)でものを回すことが多くなっているだけです。
 ネット空間での物と物の交換のような取引も相当な数に上りますが、そうしたものはGDPに計上されません。GDPのみで経済を判断することには問題が多すぎるのです。

 基本的には、GDPではなく、購買力平価で経済の動向を測るのが現実的といえます。購買力平価の実体に近づけて測るようになると、全然違う様相が見えてきます。

 そうした計測で見れば、日本はまだ豊かであるという結果が出ると思います。
私たちの見えないところで、かなりの数の品物の流れが起こっているはずです。
 そうした現象を見ずにGDP中心主義を押し通していくと、実体経済というものが見えなくなってしまうのです。

⚫︎旧ソビエトではサービス業を入れない統計方法も
 しかし多くの経済学者は、GDP神話を変える気はないでしょう。GDPへの信仰は一種のイデオロギーだから、簡単に変わらないのです。
 経済統計という点でいえば、旧ソビエトでは、サービス業を入れない独自の統計を使っていました。旧ソビエトの統計方法を使って今の日本の経済状態を測り直したら、そのほうが実体に近いかもしれません。

 ところで、GDP神話の崩壊が明確に理解できるようになるのは、戦争が起きたときです。
たとえば、2024年2月、世界のGDPにおける順位において日本は3位から、ドイツに追い越されて4位に落ちたということが大きな話題になりました。

 2024年2月15日の読売新聞には、「内閣府が発表した2023年の名目国内総生産(GDP)は591兆4820億円だった。ドル換算すると、4兆2106億ドルとなり、ドイツよりも2400億ドル少なく、世界4位に転落した」という内容の記事が書かれており、多くのジャーナリストはこのニュースを日本経済の凋落というニュアンスで捉えました。
 しかしドイツは、ウクライナ紛争の影響で、ロシアからパイプラインで送られてきていた天然ガスの供給がストップしたため、エネルギー価格が約4倍に高騰し、GDPに大きく反映されてしまっているのです。
 こういう点に関しては正しく報道されず、日本のGDPの順位が下がった点だけがクローズアップされて語られているのが真相です。
 さらに、円安が起きています。そのため日本の経済力をドル換算のGDPだけで見れば、どうしても下降している数字が出てきてしまいます。

 これらの点をふまえれば、国家の経済力を示すものとしてのGDPの指標は、すでに崩壊しているといえます。それがはっきりと見える形をとるのは、繰り返しになりますが戦争が起きたときです。
 結局、国力というものが端的にわかるのは戦争に強いか弱いかであって、当然戦争に強い国のほうが国力は上なのです。

⚫︎アメリカの弱体化が暴く「GDPの噓」
 今回、まさにロシア・ウクライナの紛争で、「戦争の強さ=国力の大きさ」が如実に示されました。2023年の時点でGDPがアメリカの約7パーセントにすぎないロシアが、アメリカの支援するウクライナと互角、あるいはそれを凌駕する戦いを見せている現実を見ると、GDPがその国の実力を反映していないのはもはや明らかです。

 ウクライナ問題とパレスチナのガザ地区をめぐる問題で、アメリカの今の実力はこんなものだということが世界に知られてしまいました。
 ロシアにしても、ハマスにしても、中国にしても、じつはその点をよく見ています。
アメリカはなんとかこの状況をうまく乗り切りたいと思っていますが、アメリカの国力自体が弱体化している今、それは難しいでしょう。

 エマニュエル・トッドは『我々はどこから来て、今どこにいるのか?』の中で、ウクライナ紛争にともなうロシアへの経済制裁について、
 一見、『戦争』を回避するための『平和的手段』に見えても、その究極の目的は『相手国の破壊』にある、かなり暴力的な手段なのです。現在、西洋諸国とロシアが互いに科している経済制裁は、長期化すればするほど、双方にダメージを与えるでしょう。
 しかし、西側メディアの論調とは違って、ロシア経済よりも、『消費』に特化した西側経済の脆さのほうが今後露呈してくると私は見ています。(『我々はどこから来て、今どこにいるのか?』)
と述べています。

 この言葉は、生産する国(ロシア、日本、中国など)ではなく、消費する国(アメリカやフランス、イギリスなどの西側諸国など)のほうが、戦争が起きれば、経済的ダメージをより受けやすいという点を的確に示しています。
 なぜなら、戦争が長期化すればするほど、過酷になればなるほど、食料や武器、エネルギーなどの実際につくり出される物資(商品)が重要になっていくからです。

 先に触れた『経済成長って、本当に必要なの?』には、「ノーベル経済学者のジョセフ・スティグリッツとアマルティア・センは、GDPを増やそうとする政策が、国民の生活の質を貶めていると指摘している。
 この時代遅れの経済目標を使い続けている理由は、80年間も使い続けてきた惰性にすぎない」という記述もあります。

 この発言は、GDPがある国の現在の経済状況を測るための一基準にしかすぎず、それによって国民1人ひとりの生活の真の満足感や幸福感といったものは測ることができないということを意味しています。

 経済学者は自明のものとしてGDPを経済や財政の分析に使っていますが、もはやそれだけでは国力を測ることができないことに気がつくべきだと私は思います。
 ひと昔前にもてはやされた基準だけを追い求めることで、失ってしまうもののほうが大きいということや、そもそもその数字では測れないものが多数存在していることを私たちは自覚すべきなのです。
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 『古事記』の文脈から訓注の意味や性格を把握。 2024/09

2024-09-28 02:15:24 | 気になる モノ・コト

『古事記』の文脈から訓注の意味や性格を把握。訓注の多くが上巻に集中している点を重視
  ゴールデライフプラン より 240928 松浦 明博


 古代日本人の優れた精神性は、言葉の読み方そのものに宿っている。
『古事記』編纂者の訓注に忠実な読みを再現し、神話研究の立場から歴史教育・道徳教育のあるべき姿を考える日本文化論。
※本記事は、松浦 明博氏の書籍『日本神話における「高天原」とは何か!?』(幻冬舎ルネッサンス)より、一部抜粋・編集したものです。


⚫︎ 第一章 「高天原」訓読の研究成果と考察─その今日的意義
1. 『古事記』の訓注の役割と重要性
 現在,『古事記』研究の第一人者と目される神野志隆光は、注の種類を細かく分類したうえで、その一種である訓注とは、「よめる」ことが十分に「保障」されないところの「読み方」を指示することによって「理解可能」を保障するものであった注1)と論じている。

 また、山口佳紀は、訓注が本文読解のためにどのように役立っているのか、全用例にわたって検討した。
その結果、『古事記』において訓注が加えられているのは誤読・誤認されやすい場合であり、訓注は「ヨミ」(日本語に還元すること)を示すためのものであること、そして問題となるのは、「よみ」(理解)が左右される場合であるとして、『古事記』の文脈から訓注の意味や性格を把握した注2)。

 ここで筆者は、ほとんどの訓注(42/45例)が、上巻に集中している点を重視すべきであると考える。

 武井睦雄は、訓注を附せられた語を分類して、固有名詞が27例(うち、その内容として神および神格化された存在をあらわすもの─26例)、普通名詞とみられるものが10例、動詞とみられるものが8例とし、全般を通じて、神名・神呪など宗教的要素の認められるものが多く、それらが、特に古い時期についての記述に関するものであることを指摘した注3)。

 武井は、訓注の附せられている語は、筆録者(『古事記』の本文をその本文の形に記したひとを意味する)にとって、重要なものと考えられていた語であったはずであり、かつ、当代において、すでに古語であったもの、ないしは、まれにしか用いられなかったであろう語であるとしている。

 また、その語形を正しく読まれることを要請された語であったものと考えた注4)。
そして、吉田留は、当時の上代人にはある程度、文字が普及し、文字の心得のある古事記の読者に対し、注を加えなくても読めた「帶(たらし)」「日下(くさか)」等の類の語が相当あったことを認めたうえで、文字もなるべくその語の発音のままに表れるものを使用したと考えた。

 つまり,「高天原 (たかあまはら)」「八尺鏡(やあたかがみ)(八咫鏡)」等の用例のように,特に古形のままで読ませるものについて訓注を附したということを主張したのである注5)。

「尺」は「咫」(あた)で、日本の上代の長さの単位を示す。開いた手の親指の先から中指の先までの長さで約8cmとされる。古代中国・周代の長さの単位でもある。
 縄文時代にも長さの単位があって、いわゆる「縄文尺」では、ひじから指先までの長さ約35㎝を基準にしているという。

 三内丸山遺跡(約5500年前)の神殿とも考えられている大型掘立柱建物の柱穴は、正方形を二つ繋いだ長方形であるが、正方形の一辺がそれぞれ4・2メートルとなっている。
 4・2メートルは縄文尺(35cm)の十二倍であり、メソポタミア文明と同じように十二進法が採用されていたとの説(伊達宗行『「理科」で歴史を読みなおす』等)もある。
 ちなみに、尺貫法では、一尺は約30・3 cmだが、「鯨尺」では約37・9 cmである。「一咫」は、「縄文尺」や「鯨尺」のおおよそ半分程度と言える。

2. 「たかあまのはら」の研究事例と考察
 ここでは、「たかまのはら」との訓読が一般的ではあるものの「たかあまはら」または、「たかあまのはら」と訓読すべきとする研究事例も少なからず存することを明らかにしていきたい。
 すでに吉田留や武井睦雄らによって「高天原」の訓注が取り上げられ,「古い時代の発音の保存のため」に「あま」と訓注のままに訓むべきであるとの指摘がある注6)。

 武井は、「筆録者としては、《訓注の仮名の部分が本文のなかの訓注を附せられた文字の位置におきかえうること》を、つよく志向していた」として全用例にわたって検討し、その論証の過程を丁寧に示している。


注1)『古事記の達成』神野志隆光 東大出版会 昭和58年 p221
注2)『古事記日本書紀必携』別冊国文学改装版 編集 神野志隆光Ⅱ 記紀の新しい視点「記・紀訓読を考える」山口佳紀 學燈社 1996 p13
注3)『国語学』(59)「『古事記』訓注とその方法」 武井睦雄 1964/12 p37
注4)『国語学』(59)「『古事記』訓注とその方法」 武井睦雄 1964/12 p28
注5)「古事記の訓注について」吉田留 『國學院雑誌』昭和16年1月 p 42 ~55
注6)『古事記の研究』西宮一民 おうふう 1993 
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【禁断】仁徳天皇陵の隠された謎…なぜタブーなのか?宮内庁が封印する理由とは? 2024/09

2024-09-26 20:04:20 | 気になる モノ・コト

【禁断】仁徳天皇陵の隠された謎…なぜタブーなのか?宮内庁が封印する理由とは?
 マタイク編集部  240926


「仁徳天皇陵」大阪府堺市にある日本最大級の古墳で、なんと全長486メートル!
あのエジプトのピラミッドや秦の始皇帝陵と並ぶ「世界三大古墳」の一つとしても有名です。
 そんな壮大な歴史的遺産なのに,なぜかこの古墳、一般の人はもちろん,歴史学者さえも簡単には立ち入れないんです…。
 宮内庁ががっちりガードしていて、発掘調査も許可されない…いったいなぜ?

⚫︎仁徳天皇陵の隠された謎
 実は、この問題には深い謎とタブーが絡んでいるとされていて、様々な説が飛び交っています。
「天皇の墓だから仕方ないでしょ」と思うかもしれませんが、それだけでは片付けられない理由があるんです。

 今日は、このミステリアスな問題について一緒に深掘りしてみましょう。

なぜ宮内庁は調査を許さないのか?
 宮内庁が公に述べている理由は、シンプルです。
「天皇陵は、皇室の祖先のお墓であり、今でも皇室の祭祀が行われている神聖な場所。尊厳を守るため、発掘調査は許されない」というもの。

 確かに伝統を重んじる日本文化では一理ありますよね。
でも、それにしても他の歴史的遺跡が普通に調査されている中で、なぜ天皇陵だけが特別扱いされるのか?

 その背後には、もっと深い理由が隠されているんじゃないか…そんな疑問が湧いてくるのも無理はありません。
 一部の歴史学者たちは、宮内庁が天皇陵を厳重に管理している背景には「日本の歴史が大きく覆される可能性」があるからだと言います。
 どういうことかと言うと、もし発掘調査をして、仁徳天皇陵に埋葬されている人物が本当に仁徳天皇ではなかった場合、これまでの歴史認識が大きく揺らぐことになるというのです。
 日本の古事記や歴史書に書かれていることが神話や伝説を基にしている部分も多いことは、すでに多くの人が知っています。
 ですが、それが事実でない可能性が高まると、私たちが学んできた歴史が一気に崩壊することにもなりかねません。

⚫︎古墳に隠されたもう一つのタブー?
 さらに興味深いのは、仁徳天皇陵のような巨大な古墳が「ただの墓ではない」という説もあることです。
 多くの歴史学者が、この古墳は単なる埋葬場所ではなく、何か特別な目的があったのではないかと考えています。
 例えば、古代日本では天皇や権力者の威厳や神聖さを象徴するために巨大な古墳が築かれたと言われていますが、それだけでは説明がつかない謎がいくつもあります。

 あるオカルト的な説では、仁徳天皇陵に異国の文化やさらには宇宙との繋がりを示す証拠が隠されているのではないかともささやかれています。
 例えば、NASAの探査機が捉えた火星の地形画像に、前方後円墳のような形状が発見されたことが話題になりました。
 もし古代日本が何かしらの宇宙的な影響を受けていたとしたら…なんて考えると、少し怖いですよね。

⚫︎GHQと仁徳天皇陵の関係
 また、戦後の占領期にGHQが仁徳天皇陵の調査に乗り出していたという噂もあります。
ダグラス・マッカーサーが天皇に強い関心を持っていたことは有名ですが、彼がなぜ仁徳天皇陵に特別な興味を抱いていたのかは謎です。
 GHQの調査で、何か「とんでもない発見」があったのではないかという説も根強くあります。
 この調査結果が公開されていないため、真相は分かりませんが、もし何かしらの証拠が出てきて、それが天皇制存続に影響を与えるようなものであったとすれば…?

⚫︎仁徳天皇陵が開かれる日は来るのか?
 こうして見ていくと、仁徳天皇陵がただの歴史的遺産ではなく、もっと深い謎やタブーを抱えていることが見えてきます。
 宮内庁が発掘調査を拒んでいる理由も、表向きの「尊厳を守る」というだけではなく、何か私たちが知らされていない「重大な秘密」が隠されているのかもしれませんね。
 しかし、これだけの謎を抱えたままでは、いつかその「真実」が明らかにされる日が来るかもしれません。
 その時、日本の歴史が大きく変わる可能性もあるでしょう。
歴史好きとしては、その瞬間を待ち遠しく感じますが、同時にこの神秘的な謎が続くことにも、ちょっとした魅力を感じるものです。

⚫︎まとめ
 仁徳天皇陵が公開されない理由には、ただの歴史的な尊厳保持だけでなく、日本の歴史を覆す可能性があるためではないか、という様々な説が飛び交っています。

この古墳には誰が眠っているのか?

異国や宇宙との繋がりがあるのか?

いずれにしても、歴史に興味を持つ者としては、この謎が解明される日を待ち望むばかりです。
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