石油の代わりになる? 次世代の産業「バイオリファイナリー」の可能性
***
HATCH より 231101
バイオリファイナリー(Biorefinery)とは、バイオマスを資源として活用した生産技術や産業の総称です。
再生可能な植物由来の資源であるバイオマスは、バイオエタノールやバイオプラスチック、工業用酵素などを製造することができます。
太陽エネルギーと水、二酸化炭素があれば生成可能なバイオマスは、大気中の二酸化炭素量を増加させないカーボンニュートラルな資源と言われています。
バイオリファイナリーは二酸化炭素を多く排出する化石燃料を利用した産業の代替となることが期待されており、環境負荷を低減し、循環型社会の構築に貢献する技術の一つです。
バイオリファイナリーの推進にあたってはエネルギーセキュリティや環境負荷の観点から、原料となるバイオマスの国産化が求められています。
この記事では、バイオリファイナリーの技術の概要と今後の展望、バイオマスの国産化に向けた石油の代わりになる? 次世代の産業「バイオリファイナリー」の可能性。
(以下はリンクで詳細確認!)
⚫︎バイオリファイナリーとは?
バイオリファイナリーとは、農産廃棄物や未利用の食品廃棄物、古紙などのバイオマスを使用して、バイオ燃料や化学製品を生産する技術や産業のことです。
「リファイナリー」には「精製」という意味があり、石油を精製・分離してガソリンや軽油などの燃料やプラスチック製品を製造することは石油リファイナリー(オイルリファイナリー)と呼ばれています。これに対して、バイオマスを原料として同じような流れで製造する技術がバイオリファイナリーです[*1]。
バイオリファイナリーでは、食糧として用いることのできない非可食バイオマスから糖を取り出し、酵素や微生物などを生体触媒としたバイオ変換プロセスを経て、エタノールやジェット燃料などのバイオ燃料や、自動車部材や包装材などのグリーン化学品を製造します[*2], (図1)。 ……