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🆚 カブトとクワガタ どっちが勝者 201123

2020-11-23 22:22:00 | 🔟 番付色々🆚

永遠のライバル、カブトムシ vs. クワガタムシ…生物学者が語る「真の勝者はどちらか」 
   PHP online より 201123            稲垣栄洋(生物学者・植物学者)

生物は気の遠くなるような長い時間、生存を賭けた進化と淘汰を繰り返し続けている。それはリアルタイムでも進行中だ。遠くない未来には、地球上に存在する生物の種は入れ替わりを見せているかもしれない。

静岡大学農学部教授で生物学者の稲垣栄洋氏は、そのプロセスにおいて、「ナンバー1しか生き残れない」と語る。そして勝ち抜いてきたそれらの種の「生き残り戦略」はそのまま今を生きる私達に様々な示唆を与えるという。

本稿では、稲垣栄洋氏の新著『Learned from Life History 38億年の生命史に学ぶ生存戦略』より、カブトムシとクワガタムシの強さの比較から考える「生存戦略」ついて触れた一節を紹介する。

※本稿は稲垣栄洋著『Learned from Life History 38億年の生命史に学ぶ生存戦略』(PHP研究所)より一部抜粋・編集したものです。

◉強いものが勝者ではなく、生き残ったものが勝者
生き物のニッチ戦略は、ビジネスの世界の「コア・コンピタンス」や「ランチェスターの弱者の戦略」を思わせる。

 競争社会で勝ち抜くためには、「選択と集中」に尽きる。つまり、「無駄な戦いは避けて戦わず、ナンバー1になれそうな場所で勝負をする」ということである。
 コア・コンピタンスは、ゲイリー・ハメルとプラハラードが提唱した概念であり、ライバルに負けることのない企業の核となる能力を言う。
 生き物たちの世界では、戦いや競争に強い者が勝者になるわけではなく、生き残った者が勝者である。
 そのため、この世に存在しているすべての生物は、自らの強みを活かしナンバー1となるオンリー1のニッチを見いだしているのである。それでは、生き物たちは、どのようにして自らのポジションを確保しているのだろうか。

どのように他の生物と差別化しているのか、どのようにして強みを発揮しているのかに注目してみたい。

◉実はカブトムシと戦うことは稀…クワガタムシの生存戦略
本当にナンバー1しか生き残れないのだろうか。ナンバー2も生き残れるのではないかと思うかも知れない。

 たとえば、クワガタムシはどうだろう。森の王者はカブトムシかもしれないが、クワガタムシも森のナンバー2として君臨しているように見える。
 しかし、残念ながらそうではない。クワガタムシもまた、ナンバー2ではなく、ナンバー1として生きていいのだ。
 カブトムシとクワガタムシは活動時期がずれている。夏の暑い時期にはカブトムシが活動をするが、クワガタムシはカブトムシと活動時期をずらすように、もう少し涼しい季節や涼しい地域で活動するのである。
 つまり、あくまでもカブトムシのいない環境でのナンバー1なのである。 もちろん、カブトムシとクワガタムシの活動は、完全に分かれているわけではないので、カブトムシとクワガタムシがエサ場で出くわすこともある。
 しかし、カブトムシとクワガタムシが豪快に戦ったり、カブトムシが豪快にクワガタムシを投げたりすることは稀で、大概は、カブトムシと出くわせばクワガタムシは逃げていく。
 カブトムシは角でクワガタムシを投げ飛ばすことができるが、クワガタムシは大きな顎ではさんで、たとえカブトムシの固い装甲に穴を空けることができたとしても、カブトムシを撃退することはできない。

クワガタムシもまた、ナンバー2では生きていけないのである。

◉ナンバー2であることの強み
自然界ではナンバー1でなければ生き残ることができない。

 しかし、人間の世界はナンバー2であっても、生き残ることはできる。オリンピックであればナンバー2は銀メダリストとして称えられる。
 そのため、人間の世界では「ナンバー2」という存在が価値を持っているのが面白いところだ。
 たとえば、カブトムシにやられっぱなしのクワガタムシは、もし同じニッチで戦っていたとすれば、存在することができない。しかし、人間にとってはクワガタムシはカブトムシの永遠のライバルとして人気がある。
 世の中には、一番が嫌いな人もいて、巨人という強い球団があると、「アンチ巨人」という集団もできる。

シェアが1位の商品に対しては、シェアが2位の商品も人気を保つのである。

◉ナンバー3以下の昆虫たちの生き残り戦略から「学べること」
クワガタムシでさえもかなわないとすれば、もっと弱い昆虫たちはどうすれば良いのだろう。

 これは、もうまともに戦ってはいけない。ナンバー1とナンバー2がしのぎを削って戦っている土俵から、早く逃れなければならないのだ。
 そして、激しい勝負が行われている土俵の外にこそ、勝機があるのだ。
カナブンもまた、カブトムシやクワガタムシと同じように木の樹液に集まる昆虫である。

 カナブンはカブトムシにもクワガタムシにもかなわない。そのため、カブトムシやクワガタムシが夕方から朝にかけて活動するのに対して、カナブンは昼間にエサ場に集まる。
 もちろん、カブトムシやクワガタムシが夜に活動をするのには理由がある。昼間は天敵の鳥がいるので、鳥のいない夜を選んで活動をしているのである。

カナブンの活動する昼間は、カブトムシはいないが天敵の鳥がいる。そのため、カナブンはキラキラと輝く羽で鳥を惑わし、身を守るように工夫している。

自分のいるポジションによって、取るべき戦略が異なってくるのだ。

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