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🗾 日本人の起源DNAで探る 縄文人はどこから来た?独自に進化した集団か 文部科学省の最新研究プロジェクト 202111

2021-11-27 20:19:00 | 気になる モノ・コト

日本人の起源DNAで探る 縄文人はどこから来た?独自に進化した集団か 文部科学省の最新研究プロジェクト
   福井新聞 より 211127



日本列島人の形成モデル

 私たち日本人はどこから来て、どう発展を遂げてきたのか―。その謎をDNAの情報に基づく最新研究で解明しようとするプロジェクトが進められている。
「ヤポネシアゲノム」と名付けられた文部科学省の新学術領域研究だ。
その領域代表を務める国立遺伝学研究所の斎藤成也教授(福井県出身)に、これまでの歩みや成果、今後の展望を聞いた。

 ▼飛躍的発展

 日本人のルーツに関しては、今から30年前に、人骨の形態から人類学者の埴原和郎氏が提唱した「二重構造モデル」が定説になっている。

 旧石器時代に日本列島に東南アジアから人々が移住し、子孫が縄文人となった。弥生時代になると北東アジアから渡来した人々が縄文人との混血を繰り返し、現在の日本人集団の基礎ができた―とする考え方だ。

 ただ、縄文と弥生の2大要素の源流については諸説あり、よく分かっていなかった。

 そこで登場したのが人骨や歯のDNAを調べる研究だ。現代人と古代人のゲノム(全遺伝情報)を比較することで、類縁関係や進化の道筋を探ることができる。

 以前は母から子に受け継がれるミトコンドリアDNAを調べる研究が主流だったが、近年、塩基配列を決定する新たな装置が開発され、すべての祖先をたどれる核ゲノムが短時間で大量に解析できるようになり、コストも大幅に低下。人類進化の研究に「大きな革命」(斎藤さん)をもたらした。

 これがプロジェクト立ち上げにつながり、遺伝学や歴史学だけでなく、言語や動植物学者らも加わった「文理融合」の新たな領域研究に発展した。

 ▼現代人に縄文的要素

 これまでの核ゲノム解析などに基づく研究では、「二重構造モデル」を支持する結果が得られている。また、アイヌと琉球の人々は縄文人の遺伝的要素を強く残し、本土の日本人についても縄文人の要素を10~20%程度残していることが分かってきた。

 さらに、縄文人はかなり古い時代に東アジア人の共通の祖先から分岐し、独自の進化を遂げた集団である可能性が出てきた。ただ、縄文人がいつ、どこから日本列島にやって来たかを知るには、さらに多くの縄文人と他の地域の東アジア古代人の核ゲノムを解析する必要がある。

 ▼三段階渡来説

 一方、日本列島人の形成について斎藤さんは、二重構造モデルを修正した「三段階渡来説(三重構造モデル)」を提案している。

 第一段階は旧石器時代から縄文時代中期に、ユーラシア大陸各地から狩猟採集民が渡来した。

 第二段階は縄文後晩期の渡来人の波。大陸沿岸の漁業を中心とした「海の民」が日本列島に移住した。北部と南部にはほとんど影響がなかった。

 第三段階は弥生時代以降。前半に朝鮮半島を中心に大陸から遺伝的に少し異なる人々が渡来。九州北部に水田稲作をもたらした。後半(古墳時代以降)は引き続き大陸から渡来民が到来し、列島中央部の政治の中心が九州北部から現在の近畿地方に移った。北海道北部にはオホーツク文化人が渡来し、第一段階の渡来人との混血が進みアイヌが形成されたとの説だ。

 また、第三段階で列島中央部に中心軸が形成され、北陸など周辺部分との「うちなる二重構造」が生じたと考えている。

 今回のプロジェクトではこのモデルの検証も大きなテーマに掲げているが、「渡来時期など異なる見方もあり、さらに列島内の地域性を詳しく調べる必要がある」(斎藤さん)ため、結論はなお先になりそうだ。

 ▼ゲノム歴史学

 人間の移動を調べることは、言語のルーツを解明することにもつながる。日本語がいつごろから日本列島で話されるようになったのか、別の言語との系統関係など、日本語と近縁とされる琉球語も合わせ研究が行われている。

 このほか、列島に生息したマウスやオオカミ、イネ、ソバ、ダイコン、サトイモ、ウルシなどの動植物についても、ゲノム配列を調べることで起源の解明が進められている。

 プロジェクトが始まり4年目となり、それぞれの担当分野ごとに研究成果の発表が出始めている。「データ解析が追い付かず論文になるまで時間がかかるものもあるが、これからいろんな成果が出てくる」と斎藤さん。最終的には、これら一連の研究から「ゲノム歴史学」の確立を目標に据えている。

【「ヤポネシアゲノム」プロジェクト】
 ヤポネシア人(日本列島人)の起源と成立を、現代人と古代人のゲノム配列の比較解析から解明する研究。ヒトに伴った動植物の歴史や日本語・琉球語についても解析する。
 文部科学省の新学術領域研究として、大学や博物館、研究機関に属する約50人が参加し、2018年度から5カ年計画で進められている。
 ヤポネシアは、奄美大島に住んだ作家島尾敏雄が1960年代に提唱した言葉。ヤポは日本、ネシアは島々を表すラテン語。

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