1日6分、週30分の筋力トレーニングで健康寿命が延びる?最新の研究結果でわかったこと
婦人画報 より 220418
ここ数年、人々の健康保健に携わるさまざまな公的機関が、ふだんのフィットネスルーティンに筋力トレーニングを加えることの重要性を主張しています。最近の研究では、筋力トレーニングが今の体の調子を整えるだけでなく、長生きにつながる可能性も示唆されています。
スポーツ医学専門誌「British Journal of Sports Medicine」は、最近行ったメタアナリシス━複数の臨床試験結果を統合して導き出された分析結果━で、筋力トレーニングと健康寿命について、重要なポイントを示しました。
この分析では、18歳から98歳までの約48万人が参加した16の研究からデータを収集。参加したメンバーは自己報告または、インタビュー形式で回答しました。
この分析の結果、30〜60分の筋力トレーニングを行なった人々は、早期死亡のリスクが10〜20%低くなることが判明。また心臓病(46%)やガン(28%)を発症するリスクも減り、週に最大60分の筋力トレーニングを行なった人々は、糖尿病を発症するリスクも低くなることがわかりました。
筋力トレーニングが私たちの体にどのような影響を与えるのか、いま知っておくべきことをご紹介しましょう。
⚫︎いまオススメの筋力トレーニングは?
2018年,アメリカ人に向けた「フィジカル・アクティビティ・ガイドライン」は,成人に、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせて健康改善に取り組むことを奨励しています。
その内容は、サイクリング、水泳、ウォーキングなどの中強度の有酸素運動を少なくとも週に150分行い、普段より強めの筋力トレーニングを少なくとも週に2回行うというもの。
ガイドラインでは、筋力トレーニングで脚、腰、背中、腹、胸、肩、腕など、全ての主要な筋肉群を動かすことを特に推奨。ここで指す筋力トレーニングには、ウエイトリフティング、レジスタンスバンド、腕立て伏せや腹筋などの自重トレーニング、ハードなガーデニング、いくつかのヨガポーズなども含みます。
⚫︎筋力トレーニングが「長生き」に役立つ理由
筋力トレーニングについては、骨密度向上や骨格筋量増加などのメリットがあげられますが、長生きの理由を示す研究はされておらず、関連性が指摘されているだけです。
この分析の結果、30〜60分の筋力トレーニングを行なった人々は、早期死亡のリスクが10〜20%低くなることが判明。また心臓病(46%)やガン(28%)を発症するリスクも減り、週に最大60分の筋力トレーニングを行なった人々は、糖尿病を発症するリスクも低くなることがわかりました。
筋力トレーニングが私たちの体にどのような影響を与えるのか、いま知っておくべきことをご紹介しましょう。
⚫︎いまオススメの筋力トレーニングは?
2018年,アメリカ人に向けた「フィジカル・アクティビティ・ガイドライン」は,成人に、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせて健康改善に取り組むことを奨励しています。
その内容は、サイクリング、水泳、ウォーキングなどの中強度の有酸素運動を少なくとも週に150分行い、普段より強めの筋力トレーニングを少なくとも週に2回行うというもの。
ガイドラインでは、筋力トレーニングで脚、腰、背中、腹、胸、肩、腕など、全ての主要な筋肉群を動かすことを特に推奨。ここで指す筋力トレーニングには、ウエイトリフティング、レジスタンスバンド、腕立て伏せや腹筋などの自重トレーニング、ハードなガーデニング、いくつかのヨガポーズなども含みます。
⚫︎筋力トレーニングが「長生き」に役立つ理由
筋力トレーニングについては、骨密度向上や骨格筋量増加などのメリットがあげられますが、長生きの理由を示す研究はされておらず、関連性が指摘されているだけです。
それでも専門家は、なぜ筋肉トレーニングが長生きに役立つのか、そこにはセオリーがあると解説します。
「筋肉の強化は骨格筋量の維持に関連していますが,骨格筋量はグルコースの代謝に重要な役割を果たします」と話すのは,カリフォルニア州サンタモニカにあるセント•ジョンズがん研究所の医学部長•胃腸研究プログラムのディレクターを務めるアントン•ビルチク医師です。
「筋肉の強化は骨格筋量の維持に関連していますが,骨格筋量はグルコースの代謝に重要な役割を果たします」と話すのは,カリフォルニア州サンタモニカにあるセント•ジョンズがん研究所の医学部長•胃腸研究プログラムのディレクターを務めるアントン•ビルチク医師です。
グルコース代謝とは、体がグルコース=ブドウ糖を体のエネルギーに変えるプロセスのこと。「異常なグルコースの代謝は、心血管疾患とガンのリスク増加につながります」とビルチク医師は指摘します。
認定ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)兼管理栄養士のアルバート・マセニーさんは、筋力トレーニングは体脂肪を減らし、除脂肪筋肉量を増やすことができるとコメント。
認定ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)兼管理栄養士のアルバート・マセニーさんは、筋力トレーニングは体脂肪を減らし、除脂肪筋肉量を増やすことができるとコメント。
「これにより全体的な健康を促進し,減量にも役立つでしょう」とマセニーさん。肥満状態は,心臓病や2型糖尿病,ガンなど、さまざまなリスクがある,とマセニーさんは主張します。
ミシガン州立大学で運動学の教授を務めるジム・ピヴァルニック博士は、筋力トレーニングも、有酸素運動など他の運動も、その重要性においては違いはないといいます。
ミシガン州立大学で運動学の教授を務めるジム・ピヴァルニック博士は、筋力トレーニングも、有酸素運動など他の運動も、その重要性においては違いはないといいます。
「筋力と持久力を保つことは、体内の組織を結び付けている結合組織や骨が変性して筋肉が消耗したり怪我をしたりするのを防ぐための鍵となります」とピヴァルニック博士。
早期死亡のリスクが実際に低下する理由として考えられるのは、筋力トレーニング(および他の運動)が心臓と血管の機能を改善し、コレステロールを低下させ、血圧を下げるからではないか、と博士は述べています。
筋力トレーニングは有酸素運動とともに行うことで、「心血管疾患やガンの減少に関連するかもしれない抗炎症効果をもたらす可能性があります」とビルチク医師。しかし、これには更なる研究が必要だとも続けます。
⚫︎筋力トレーニングの取り入れ方
ふだんのエクササイズで筋力トレーニングと取り入れていない人の場合、ピヴァルニック博士は軽めのトレーニングやレジスタンスバンドから始めることを推奨している。
マセニーさんはプランクや腕立て、腹筋などの自重トレーニングを提案。「複雑なことをする必要はなく、機器を使う必要もありません」といいます。
筋力トレーニングは有酸素運動とともに行うことで、「心血管疾患やガンの減少に関連するかもしれない抗炎症効果をもたらす可能性があります」とビルチク医師。しかし、これには更なる研究が必要だとも続けます。
⚫︎筋力トレーニングの取り入れ方
ふだんのエクササイズで筋力トレーニングと取り入れていない人の場合、ピヴァルニック博士は軽めのトレーニングやレジスタンスバンドから始めることを推奨している。
マセニーさんはプランクや腕立て、腹筋などの自重トレーニングを提案。「複雑なことをする必要はなく、機器を使う必要もありません」といいます。
踏み台昇降やスクワットなど下半身を強化する筋力トレーニングは、テレビを見ながら行うことも可能です。慣れてきたら、ウエイトを足してトレーニングするのもいいでしょう。
また、マセニーさんは週に30分のトレーニングなら目標を達成しやすいのでは、とアドバイス。週に5日行うとしたら、1日あたりは6分間の筋トレが目安になります。
専門家たちの意見をまとめると、筋力トレーニングには健康上のメリットがあることは間違いなし。ただし、長生きにつながるかについては、今後さらなる研究が必要のようです。
※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
Photos: Getty Images Translation: Ai Ono From Prevention
また、マセニーさんは週に30分のトレーニングなら目標を達成しやすいのでは、とアドバイス。週に5日行うとしたら、1日あたりは6分間の筋トレが目安になります。
専門家たちの意見をまとめると、筋力トレーニングには健康上のメリットがあることは間違いなし。ただし、長生きにつながるかについては、今後さらなる研究が必要のようです。
※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
Photos: Getty Images Translation: Ai Ono From Prevention