安全保障戦略/兼原信克/日本経済出版/2021
国家国民的課題として、長らく出版化が望まれた、安全保障分野の待望の一冊。著者は外交官。それもあの岡崎久彦に師事、第二次安倍政権にて官邸入りし、重要政策を担った人物。
本書は、安全保障分野にとどまらず、歴史、制度、インテリジェンス、国家安全保障局、外交、日米同盟、サイバー戦、経済安全保障など幅広い視点から、論じたもの。
本書は、同志社大学学生向けのテキストとして作成されたものとされる。内容は極めて高度。安全保障分野に関し問題意識を持たない人には難しい。
ただし、著者は、個々のテーマについてかなりの思い入れを以て述べている。教科書検定的視点で本書を読む人にはいささか鼻につくが、この種の本が今までなかったことを振り返ると、国益的に重要な一冊であると認めざるをえない。国家国民的にはそれぐらい意義ある本である。
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