閑雲孤鶴の日々  - Fire生活者の呟き -

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ミッドウエー

2015年12月06日 | 書評 軍事
ミッドウエー/淵田美津雄、奥宮正武/朝日ソノラマ/1973

ミッドウエー海戦に焦点を当てて書かれた、戦史書。
著者は、当時の海軍軍人で飛行隊長、航空参謀だった方。
初版は昭和二十六年。
初版当時、これだけのことを出版することは勇気が必要だったと思われることが書いてある。
海軍のミスを指摘するのは、命がけだった時代だったからだ。

本書では、南雲長官が司令長官として不適格であることが書かれているが、それ以外の関係者、参謀クラスについても不適格な人材が海軍中枢部にいたことがそう判断するに足る根拠とともに書かれている。

ミッドウエー海戦後は、海軍は、書類の焼却のみならず。情報隠蔽工作に努め、負傷兵を相当期間隔離したそうである。
そんなことまでやって海戦の敗北を隠して、戦後、山本五十六を讃える、小説が書かれ、映画までできるのは、一体どういうことなのだろうか?また、聞くところによれば、山本五十六記念館なるものまで長岡にあるそうだ。
敗軍の将、それも敗戦に至った原因をつくった司令長官を、戦史の英雄と讃えるのは、滑稽ですらある。情報隠蔽工作が成功したと確信して、そういうことが可能と考えている一味でもいるのであろうか?さらに、山本五十六批判に反応する勢力が存在するようである。

山本五十六こそ、自らを処断すべきだった書いたら書き過ぎであろうか?

本書は、戦史の真実がわかる、戦後初の出版物として、今後も読み継がれるべき名著であろう。
なお、本書は、各国語に翻訳され、アメリカでは、陸、空軍士官学校、海軍兵学校では参考書だったそうである。

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