英国ナショナル・トラスト/小野まり/河出書房新社/2016
英国最大の環境保護団体と言われる、英国ナショナル・トラストの概要、歴史的経緯、保有・管理する資産である邸宅、庭園について、著者は相当な熱意を以てまとめ上げている。
この種の本は、ともすれば軽薄な箇所が散見されるものであるが(英国贔屓が過ぎて英国のやり方はすべて善、日本は悪だとする現地滞在の日本の言論人もいる)、著者は日本社会、日本人をターゲットに、ナショナル・トラスト制度の有効性を理解させ、日本に根付かせる目的で書いている。
目次はこうなっている。
・ 第1章 イギリス人にとってのナショナル・トラスト
・ 第2章 ヴィクトリア時代とナショナル・トラスト
・ 第3章 聖地巡礼−ナショナル・トラストの宝石
・ 第4章 上流階級とナショナル・トラスト
・ 第5章 レジェンドの遺産を訪ねる
・ 第6章 ガーデン、ガーデン、ガーデン
・ 第7章 映画・ドラマの世界へ
目次だけ読んでも格調の高さが伝わってくる。写真も溜息が出るくらい素晴らしいものが多い。イギリス人が書いた、ナショナル・トラストの本よりも内容が充実しているかもしれないと思うほどである。
なお、この本は、 全国学校図書館協議会選定図書となっている。
どんな本か興味ある方は、下記にて一読されんことをお薦めしたい。
『図説 英国ナショナル・トラスト』(著・小野まり 河出書房新社)
https://www.j-cast.com/trend/2019/11/21373096.html?p=all
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