英文学者出口保夫はイギリス滞在記ものの本が多い。この人のお蔭でイギリスファンが増えたのは確かだ。
出口氏の本によると出口氏は30年前後イギリスに滞在しているようだ。
しかし、そんなに長期間滞在し、かつ英語に通じている学者にしては不可解な点がある。
それは、イギリスの闇の部分、国家を動かす権力構造、支配者の素性、存在についてまったく語らなかったことだ。
単に、旅行や長期滞在する人向けに、読んで楽しい本ばかりなのだ。
それとも、出口氏は、イギリスの闇の世界、裏面史を知らないのか。だとすれば、相当世情や歴史に疎い方ということになる。
林信吾は「これでもイギリスが好きですか?」という本の中で、過剰なイギリス贔屓のセンセーたちのことを「無内容な『イギリス礼賛本』を書き飛ばして悦に入っているセンセイたちは、印税でせめて近現代史の基礎的な資料くらい買って、勉強し直してはいかがと思うのだが」と皮肉っている。
「書き飛ばして」という言葉から、多数の本を執筆した人であることがわかる。内容が粗雑なので、無内容と評価したのであろう。
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