アズ・ア・タックス・ペイヤー/高市早苗/祥伝社/1989
次期首相候補の一人と噂される高市早苗議員が、議員になる前、アメリカ武者修行時代の経験から、アメリカと日本の政治家の政治活動実態を比較した本。
高市は、アメリカの政治家について絶賛するスタンスで述べている。一読するとアメリカのやり方が何から何まで道理として正しいという書きぶりとなっている印象があるが、それを根拠にして本書を評価することは本書に対する正当な評価とは言えない。著者は、松下政経塾に入塾、政治家になる前の大学の教官時代にこの本を書いた。
本書について最も注目すべきは、著者の政治に対する情熱である。若い時代の著作であるため、改革意欲が先走っている傾向が非常に強い。青臭い本であることは間違いないのだが、テーマが陳腐でないため、青臭くても面白い。あの高市が若い頃、こんなことを考えていたのかと思うだけでも読む価値がある。特筆すべきは、(本書をきちんと読み時々高市のホームページを閲覧されている方ならばわかることだが)高市の政治への情熱は、この本を書いた時代からずっと現在まで維持されていることである。日下公人が、本書を「政治改革を考えるうえで、『貴重な本』」と紹介している。
古書価格は、この種の本にしては珍しく、1万円を超えている。高市の政治に賭ける情熱が、高市マニアを生み育て、彼らに絶版古書収集させた結果と考えられるのである。
政治に関心ある方なら必読の一冊である。
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