毎朝見てたはずなのに……知らない間に変わっていた駅の“アレ”
制作会社「気付かれなくていいんです」
【クリック】
毎朝駅で目にする“ある物”が、いつの間にか変わっていた。いったい何のために?
一部引用
駅の券売機やバスの行き先表示――そんな誰もが目にする物の一部が、多くの人に気付かれることなくひっそりと変わっていることをご存じだろうか。
実は、変わったのは「フォント」。2016年ごろからさまざまな交通機関の表示が新しいフォントに置き換えられているという。いったい何のために、どんなフォントに変更したのか。
フォント制作企業のモリサワに聞いた。
2016年ごろから「ユニバーサルデザインフォント」に それって何?
話をしてくれたのは、モリサワの園田晋さん(エンタプライズ事業部)と澤村明子さん(広報宣伝部)。
園田さんによると、駅で使われるようになった新フォントの一部は、モリサワが手掛ける「ユニバーサルデザインフォント」(UDシリーズ)というものだ。
「JR東日本の券売機に使われているのは、モリサワのUD新ゴです。バスタ新宿にある電光掲示板の行き先表示などにも同じフォントが使われています」(園田さん)
「人は無意識でも文字を“読みにくい”と感じると、足を遠ざけることがあります。読みやすい文字の普及は、そうした文字に関わるネガティブな側面を潰すこと。
文字を通して社会貢献するという、モリサワの意義そのものです」(園田さん)
数あるフォントの中でもユニバーサルデザインフォントは、モリサワの自信作。
弱視の人でも読みやすいようヒアリング重ねてその意見を反映したり、「読みやすさ」が自己満足にならないよう実証実験を行ったりと、さまざまな工夫を凝らしている。
しかし、そうした数々の工夫を含めて「本当は、文字の変化なんて気付かれなくていいんです」と園田さんは笑う。