「少子化」という問題は存在しない
出生率を上げなければならないという理由は、「年金」、「労働力」、「経済力」などと思われるが、多くの国民はむしろ「なぜ、少子化が問題か」という疑問を持っている。
おそらくマスコミが政府に追従しているだけと考えられる。
またその原因は「結婚のしにくさ」、「育児のしにくさ」にあると言われているが、子供を産むというのはそのような社会的制約で決まるわけではなく、より生物的な原因と考えられる。
日本の人口密度は先進国の中でトップで、大都市にすむ人の割合もトップである(資料添付)。しかも森林面積率は日本は70%近いので、実際的な人口密度はさらに高い。
日本の可住面積率は34%で、ドイツが69%だから、可住面積あたりの人口密度では日本が平方kmあたり1027人、ドイツが334人で、その比率は3倍程度になる。
だからもし日本がドイツ並みの可住地域人口密度にするには、現在の1億2千700万人を4100万人程度にすることを意味している。
現在のままでも日本の人口が4000万に近づくには100年程度かかると推定されているが、それでもドイツと同じになるということだ。 それではなぜ、日本では少子化が問題になるのだろうか?
それはマスコミや専門家も含めた日本人全体が「政府に単純に追従する」からだ。 まず労働力不足は起こらない。
それは、1)電子化、2)女性の就労率の上昇、3)定年制度の撤廃、が予想されるからだ。
武田が名古屋大学の時代に学生と、この3つで推定されている労働生産性や家族構成などから計算してみたが、「人口減少より実質勤務者の増加が大きく、当面、産業に影響を与えない」という結果が得られた。
つまり、少子化、電子化、女性就労率、定年延長の4つを総合的に考慮した国家の計画は存在しないで、情緒的に「少子化はダメ」と言っているに過ぎない。
また、年金制度は現在の積立ー賦課型では少子化の有無にかかわらず破綻するので、年金の廃止と生活保護(年齢や性別によらないネット方式)に変えなければいけないので、これも少子化は問題ではなくなる。
いずれにしても、生活の質、子供を産むという生物学的、また日本社会の発展から言って少子化は問題ではない。日本社会の野蛮性が残っているだけ。
(平成27年10月17日)