NHK BSプレミアムで不定期に放送されている
(4ヶ月に一度くらい?)「“いけず”な京都旅」。
滋賀県出身の西川貴教さんが
京都の町の訳ありなあちこちを歩いて回る番組だ。
NHK BSP
「“いけず”な京都旅」
“一見さん”には見えない京都の秘密・・。」
https://www.nhk.jp/p/ts/BQ9WMG122V/
7月に放送されたのは「千年メタバースの都」。
京都は千年前からメタバース(仮想空間)で人を惹きつけて来た、
というテーマで西川貴教さんが
いつものように京都で街歩きを敢行していたのだった。
京都がメタバース(仮想空間)だったというのは、
なかなか苦しいこじつけで、
「京都ぎらい」の著者・井上章一さんが案内人として、
京都メタバース・仮想空間説を披露していた。
例えば和菓子が「見立て」で作られていること、
小さな和菓子が季節(春夏秋冬)を表していたり、
水の流れなどの自然を表現していたり、・・・などなど、
それらの見立てが一種のメタバースだという説なのだった。
確かにあの小さな和菓子の中に、
季節や自然を見立てているのは
京都における古くからの風流な世界観である。
それをメタバースというのが妥当かどうかは分からないが…。
それより最も興味を引いたのは、
祇園の花見小路の茶店の屋根に置かれている「鍾馗さん」だった。
祇園のお茶屋さんの屋根の上には各店の屋根に鍾馗さんがいた。
京都の家の屋根の上に古くから鍾馗さんがいるのは、
町の中を歩いていてもよく見るので知っていたが、
花見小路では一軒ずつ置かれているのが壮観だった。
私の家の近所でも鍾馗さんをよく見かけるので、
きっと沢山見つかるだろうと思って、鍾馗さん探しをしてみたくなった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/85/81e8a2bec671abeeccf4f09c9b725687.jpg)
「鍾馗さん」というのは、瓦と同じ素材で出来ていて、
もともと中国の伝承がもとになっている中国の神様で、
鬼を退治したという伝説があるらしく、
鬼を払う効力があるとされているとか。
京都では江戸時代くらいから魔除け・鬼除けとして、
家の屋根の上に置くようになったという。
厄除、疫病退散の意味もあるのだろう。
近所を散歩をしながら、
鍾馗さんがいないかと家々の屋根の上を見ながら探してみた。
するといるわいるわ、
すぐに近所にもいっぱい鍾馗さんがいるのが見つかった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/bb/798c29c43cb389d11a9f490e52b9a61b.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/56/5c461e0f817ce9804e42d9aa2cab09fe.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/5f/168ad3f67e7cd048811961cca35a5e5f.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/76/3b4582397aa3fb0296923d278a8c9b8a.jpg)
おそらく鍾馗さんがいるのは戦前・昭和初期までに
建てられた家だろうと思っていたが、
わりと新しい町家造りのゲストハウスの屋根の上にも置かれていた。
ゲストハウスや仏具屋さんなど、
商売をしている家の屋根にいることが多かった。
鬼除け、魔除けなのでお客さんに害がないようにとの配慮なのかも…。
鍾馗さんは瓦と同じ材料で作られているので、
瓦屋さんが現在も製作しているのだ。
近所を歩いて探してみても数えてざっと10以上はあった。
狭い範囲なのにさすがな数がある。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/f8/008872bc4b95bd49307c8a2aedf061bd.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/6d/7bda848630d9cee08e70f363c5560eb0.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/a2/a62e8206c2d300a767b59b8eb883ef1e.jpg)
しかしどれ一つとっても同じものがない。
ポーズも顔も、体の向きも正面を向いていたり、横を向いていたり、
衣装の翻り方も、どこか違っている。
まるで誂えたようだ。
ただ、同じ型から抜いたようなものがいくつかあった。
材質が違うみたいだが、多分型はあるのだろう。
鍾馗さんがメタバース(仮想空間)だというのは、
番組によると、鬼払いのために屋根からバリアーを
巡らしている、ということらしかった。
なかなか苦しい説明だが、
おかげで鍾馗さんを探す街歩きが出来たことを喜ぼう。
鍾馗さんのいる町家は暖簾をかけている所もあった。
風情があった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/01/2421df9721c198051703ac86e023fe30.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/4b/39a01589e44d7df55d4d8c46843d7cfa.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/e3/97b1a7e2efa407c611c81d7b779c2439.jpg)
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/1b/3be77548071d8a548652d3786ae7b34a.jpg)
普段は屋根の上を意識してまで見ないで歩いているが、
探してみるといろんな鍾馗さんがいて楽しかった。
街歩きにはこういう楽しみもあると思った。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/77/729b538f974bd133248e5b2a7f8fcdb5.jpg)
室町二条のGALLERY SUGATAの近くの屋根の上にも
鍾馗さんが乗っていた。
きっと京都街中には無数の鍾馗さんがいるのだ。
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