アデポネクチンは1996年松澤博士らにより、脂肪組織で特異的に高発現することが示されクローニングされた遺伝子apM1の産物である。この発見にはBody Mapping法という臓器特異的は遺伝子をマッピングするために日本独自の精度の高いcDNAライブラリーにより、その遺伝子発現を明確にすることが可能であった。この研究は1990年より始まった本研究は高速シーケンシングシステムとデータ解析システムを用いて人の60以上の臓器細胞を解析して蓄積された統合ボデイマップデータベースが基本となっており、世界初の遺伝子発現情報データベースとして知られていた。人遺伝子の総数は約3万あると想定されているが、その大部分がハウスキーパー(約95%)であり、各組織特異性は示さない。実際、臓器特異的遺伝子の数は高々7.5個程度と計算されており、その機能は各細胞にとって極めて重要である。アデポネクチンも脂肪組織特異性であり、インスリン抵抗性や動脈硬化に深く関係した最も重要なホルモン様蛋白として注目されている訳であります。
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