新らしい成長ホルモン(GH)分泌促進ペプチド(ホルモン)”グレリン”は1999年12月に寒川らのグループによって発見され、その構造が決定された。グレリンは主に胃や十二指腸から分泌され、中枢性に強力に摂食を促進するということや循環調節系にも深く関係していることが判明しており、その詳細なメカニズムの研究が進行中である。臨床的には上部消化管の不定愁訴(吐き気・服満感・食欲不振など)に有効であるとの知見が発表されており注目されている。特にGERDやFDなどの患者さんでは現在PPI主体の治療がなされているが、抵抗性症例も少なくなく、胃酸はコントロールできても消化管運動機能(低下)までは改善しないので当然の結果であった。これに漢方薬六君子湯を併用することでPPI抵抗症例でも改善が期待できるという。そもそも六君子湯はグレリンを増加させる作用(約2倍)を有し、消化管機能異常を是正してくれると考えれている。さらにはグレリンの心不全改善効果を期待でき、血中GHの上昇と血圧低下などを生じ、心拍数を変化させずに心係数や拍出量の増大が認められるとされている。予ねてからGHの若返り現象(効果)は認知されていたが、グレリンがこれを制御している新たなホルモンであるとの新発見は非常に興味深い!!
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