昨日クラビット500mg発売記念講演会がありました。感染症に対するニューキノロン系抗生剤の投与方法について新知見が報告され、お勉強しました。ニューキノロン系抗生剤は細菌のDNAジャイレースおよびトポイソメラーゼⅣに作用して殺菌効果を生じると考えられており、良好な組織移行性や広域抗菌スペクトルを有するのが特徴とされています。我日本では臨床において最も汎用されている薬剤の一つである。しかし、最近耐性菌の問題が深刻化しつつあり、その投与法について再評価されている訳です。最新PKーPD理論に基ずく解析ではCmax/MIC8~10達成が重要で最大抗菌効果を得るためには分割投与より1回投与の方が有効と考えられます。その結果耐性化も未然に防止でき、副作用も少ないとされている。実は5年以上前から認知されている事項であり、先進国ではこの理論に従い、1日1回投与が推奨実施されているが何故か我日本では認可実施されず、最近ようやく認可されるに至った経緯がある。耐性化については薬剤濃度の立場からMPC(耐性菌出現阻止濃度)とMIC間にMSW(耐性菌選択濃度域)が存在し、耐性化と深い相関があるとされている。すなわち、MSWを通過する回数が多いほどあるいは時間が長いほど耐性化がしやすいと考えられる。従ってニューキノロン系やアミノグリコシド系では分割投与より1回投与の方がBESTとされる。ちなみに通常はクラビット(レボフロキサシン)500mg1日1回投与であるがCKD症例(eGFR≦40)では2回目からの投与量を250mgに減量して使用すべきとされている。
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