ドクトール隆の日常日記(秋田県大館市 伊藤内科医院)

日常診療とプライベイトに思う・・・

ネキシウムライブ中継シンポに参加!

2011年10月07日 21時48分29秒 | 診療&トピツクス

 昨夕は新薬PPIのネキシウム講演会に出席してきました。仙台勝山館からの

ライブ中継で東北大の講師2名(小池先生と本郷先生)の御講演がありました。

上部消化性疾患およびGERD関連疾患についての最新知見と新薬ネキシウム

(エソメプラゾール)の開発経緯とその特徴について解りやすいお話がありました。

消化性疾患の動向ではHP除菌の普及と食生活の欧米化により、どの年齢でも

高酸傾向が強まってきている。しかも高齢化が進み、GERD症例が増加してきて

いる。またNSAIDsの乱用によるNSAIDs潰瘍(重症化)も非常に増加してきて

いる。そんな中、より有効性の高い制酸剤(PPI)が待望されていたが、今回新た

なPPIであるネキシウムの登場でより有効で確実な酸のコントロールが期待でき

るとされる。このネキシウムはオメプラールの光学異性体(S体)で薬剤の肝代謝

特にCYP2C19の遺伝子多型による影響が受けにくく(homoEMでは酸抑制が

減弱)、効果発現のバラツキが少ないらしい。この薬剤は10年前に欧米で既に

使用されており、安全性は確立しているらしい。また20mgと10mgの剤型がある

が、維持治療時の減量は必ずしも必要がなく、投与期間の縛りがないのも特徴で

あると思われる。したがって、現行のPPI治療で自覚症状が取れない患者さんで

はこれに切り替えてみるのもよいかと思われます。実はすでに当院では数例の

患者さんに投与しており、良い感触をつかんでいます!

 

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする