昨夕は新薬PPIのネキシウム講演会に出席してきました。仙台勝山館からの
ライブ中継で東北大の講師2名(小池先生と本郷先生)の御講演がありました。
上部消化性疾患およびGERD関連疾患についての最新知見と新薬ネキシウム
(エソメプラゾール)の開発経緯とその特徴について解りやすいお話がありました。
消化性疾患の動向ではHP除菌の普及と食生活の欧米化により、どの年齢でも
高酸傾向が強まってきている。しかも高齢化が進み、GERD症例が増加してきて
いる。またNSAIDsの乱用によるNSAIDs潰瘍(重症化)も非常に増加してきて
いる。そんな中、より有効性の高い制酸剤(PPI)が待望されていたが、今回新た
なPPIであるネキシウムの登場でより有効で確実な酸のコントロールが期待でき
るとされる。このネキシウムはオメプラールの光学異性体(S体)で薬剤の肝代謝
特にCYP2C19の遺伝子多型による影響が受けにくく(homoEMでは酸抑制が
減弱)、効果発現のバラツキが少ないらしい。この薬剤は10年前に欧米で既に
使用されており、安全性は確立しているらしい。また20mgと10mgの剤型がある
が、維持治療時の減量は必ずしも必要がなく、投与期間の縛りがないのも特徴で
あると思われる。したがって、現行のPPI治療で自覚症状が取れない患者さんで
はこれに切り替えてみるのもよいかと思われます。実はすでに当院では数例の
患者さんに投与しており、良い感触をつかんでいます!