ドクトール隆の日常日記(秋田県大館市 伊藤内科医院)

日常診療とプライベイトに思う・・・

メタボ時代の脂質併用治療と新管理マーカー

2012年04月27日 09時23分07秒 | 診療&トピツクス

 メタボリック症候群(メタボ)の脂質異常の特徴は低HDL-Cと高TGであるが、

現行の脂質改善薬では特にスタチン系剤ではかなり有効であるが、DMや心血

管既往者ではその管理目標(120~100mg/dl)が厳しいため、その管理目標

の達成や維持が困難な症例も多い(50~70%)。したがって、現行スタチンの

増量あるいは多剤との併用が必要となるが、実際スタチン系剤では倍量に増量

しても10~20%の効果しか期待できず、その臨床効果には限界がある。

したがって他剤を併用する方が効果的である。今注目されているのが小腸コレス

テロール吸収阻害剤のゼチーアである。当院でも2年ほど前から、メタボ症例に

併用しているが、さらに脂質改善効果(LDL-C,TG)が20~30%低下が確認

された(ただしHDL-Cは優位な改善なし)。しかし実臨床ではTGの管理に関して

食事の影響が大きく変動しやすいため、評価しにくいのも事実である。こんな中、

RLP-C:レムナントコレステロール(CMレムナント+VLDLレムナントの総和)測定

が有用と思われる。これは専門医の中では超悪玉と言われており、動脈硬化の

初期病変の主因ではとさえ考えられている。当院でも2年前から採用しており、

食後の採血でも安定しているため特にDM合併のメタボ例では有用である。

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