先日、能代にて肝臓病小グループ勉強会がありました。中外の主催
でした。講師は倉光智之先生(くらみつ内科クリニック院長)で初めて
お会いしましたが、気さくで肝炎治療に明るい素晴らしい先生でした。
さて、現行のC型慢性肝炎高ウイルスⅠ型の治療ではPEG-IFL+
RBV(リバビリン)2剤治療48週が標準化しているが、治療経過中、
ウイルスがなかなか消失しない症例(>12W)では72週が奨励され
ている。その奏効率SVRは50~60%程度で、SVR後の再発例も
30%前後であり、十分満足できる成績ではない。そこでHCVの増殖
に関係するプロテアーゼやRNAポリメラーゼ阻害薬の研究が進行して
おり、来年プロテアーゼ阻害薬のテラプレビルが使用できるらしい。こ
れも併用することでさらに効果のある持続的ウイルス除去率(SVR)
70~80%が期待されるらしい。ただし単剤ではウイルス耐性が誘導
されやすく、3剤併用することで耐性を回避できるとしている。またテラ
プレ使用後4~6週で重症な皮膚障害を併発する症例もあり、その管
理に注意が必要であるらしい。この3剤治療期間は24週(ただしテラ
プレ8週)で、かなり短くて済むのが嬉しい限りであります。これが実現
すれば患者さんには福音といえるでしょう!