私は圭吾さんと恋人同士のように付き合い始めていました。
でもやっと日本に帰れるのです。
圭吾さんと別れることは悲しいけれど、でも日本に帰れることが嬉しかった。
そして圭吾さんもまた私との別れが辛かった。
そんなある日
圭吾さんから『結婚して欲しい』と、プロポーズされたのです。
私の気持ちが固まるにはあまりにも短過ぎるスウェーデンでの暮らしでした。
吉田家の長男の嫁として嫁ぐには簡単に答えを出せる問題ではありませんでした。
私は正直に彼に自分の思いを伝えました。
圭吾さんのことは好きだけれど、おじ様と上手くやっていく自信がないこと、このスウェーデンで暮らす決心がつかないこと等をきちんと彼に話しました。
でも彼は、両親とは一緒に暮らさないこと、年に1回は日本に帰らせてあげること、そして何よりも私を幸せにすると言ってくれたのです。
彼の気持ちは嬉しいけれど、でも日本に帰って私の両親に話さないといけないし、もう少し時間をかけて考えたいから待っていて欲しいと言ったのですが・・・
私が日本に帰る日が近付いて焦っていたのは、圭吾さんだけでなく、おじ様おば様もだったのです。
私と圭吾さんの仲を知って、彼の両親は息子の圭吾さんに
『早くなんとかしなさい!』と言うようなことを言っていたようです。
『ちはるの気持ちだけでも両親に伝えて欲しい』と圭吾さんに頼まれた私は
ある日の夜のことです。
つづく・・・