Dr. Jason's blog

IT, Engineering, Energy, Environment and Management

講義 環境安全工学 2007-3 休講のお知らせと宿題

2007-10-08 | Mech Eng
 次回 10/15 の講義は,海外出張のため,休講となります.
 以下を宿題とします.10/22の講義の最初に提出すること.


 前回の講義で参考書として示した「よくわかるリスクアセスメント」購入して,読み,以下のレポートを提出すること.

 1) レポート全体の前書きを書く.
 2) 本書の概要を400-800文字程度にまとめる.
 3) 本書の記述の中で最も印象に残ったことについて,その理由と感想を200-400文字程度にまとめる.
 4) 本書の内容をふまえた上で,自分の日常生活において,どんなリスクがあるか?また,そのリスクを低減するためには,どのような方法が考えられるか?を,400-800文字程度にまとめる.(前回のレポートとは異なる問題を取り上げること)
 5) レポート全体のまとめを書く.
 6) レポート作成にあたり,本書以外に参考とした文献等があれば,それを示す.

 すなわち,以下のような目次のレポートとなる.
 1 はじめに
 2 本書の概要
 3 本書で最も印象に残ったこと
 4 自分の日常生活におけるリスク
 5 まとめ
 6 参考文献
 
 全体で,少なくとも,1000文字以上.


 レポートの書式は,以下のとおり
  0) A4 横書き
  1) ワープロまたは手書き
  2) 表紙はなし
  3) 先頭に,学籍番号,学科,学年,氏名 よみがな,日付
  4) 一行あけて,3行目に レポートのタイトル
   タイトルは「よくわかるリスクアセスメントと日常生活のリスク」
  5) 一行あけて,5行目から,本文.
  6) 手書きの場合には,本文も一行おきに,書くこと.
  7) 左上をホチキスで綴じる.


よくわかるリスクアセスメント―事故未然防止の技術 (中災防新書 (014))
向殿 政男
中央労働災害防止協会

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講義 環境安全工学 2007-2

2007-10-08 | Mech Eng
 某大学での「環境安全工学」の2007年度講義の2回目.

 以下について,説明した.

 安全と危険とリスク
  安全とは何か?
   危険でないこと
   安心な状態
    ===> 本当は,安心感があっても安全でないことは多い

  危険とは何か?
   デンジャー(denger) 一般的な危険
   ハザード(hazzard) 人間が大切にしているものを脅かすもの
   リスク(risk)   ハーザードに出くわす確立とダメージの大きさ
   ペリル(peril)  真の危険の原因

  リスク
   ポジティブリスク,ネガティブリスク

  国際規格でのリスクの定義
   ISO, IEC 各種規格
   ===> JIS だけをあてにしてはならない.

  電気機械類の安全の国際規格
   IEC 61508
  
 安全のイメージ
  安全についての考え方
   日本 「絶対的な理想」「安全神話」
   欧米、国際規格 ある程度の危害を許容している。
  安全についての考え方は、人によって色々違う。(環境や社会によっても違う)
   自然環境
   歴史
   宗教
   教育
   文系 vs 理系
    日本の官僚や政治家には文系の人が多い
    文系の人の数学、科学や工学についての
    知識は高校半ばでストップしている。

  国際安全規格での考え方(ISO/IEC ガイド 51 1998の改訂案)
  「安全」とは、
   「受け入れ不可能なリスクがないこと」
    "freedom from unacceptable risk"

  リスク:= 被災の可能性 x ダメージの酷さ
    被災の可能性:  確率
    ダメージの酷さ: 重大度

  機械・システムの安全性への様々な攻撃


  日本と欧米の「安全」
   日本  理想主義。精神的指向。根性!!
   欧米  現実主義。数理的指向。合理的。

   日本  技術対策よりも人の対策を優先。
   欧米  人の対策よりも技術対策を優先。

   日本  管理体制を作り、人の教育訓練をし、
       規制を強化すれば安全を確保できる。
   欧米  人は必ず間違いを犯すものであるから、
       技術力の向上がなければ安全の確保ができない。

   日本  災害が発生するたびに、規制を強化。
   欧米  災害のひどさ低減化技術の努力。

   日本  安全は基本的に、タダである。
   欧米  安全は基本的に、コストがかかる。

   日本  みつけた危険をなくす技術。===>モグラたたき型
   欧米  論理的に安全を立証する技術。
 
   日本  度数率(発生件数)の重視
   欧米  強度率(重大災害)の重視

   日本  信頼技術と人の教育・訓練に依存した安全
   欧米  人はミスを犯す、人のミスの方が機械の故障より
       可能性が高い。事故防止は可能な限り人に依存せず、
       さらに、人のミスより可能性の低い機械の故障に
       対してさえも、いずれ必ず故障が発生することを前提
       として、安全性の立証できる技術を開発してきた。
  

 トラブルの確率とパターン
  事故や災害の確率
   ハインリッヒの法則  1:29:300の法則 労働災害における経験則
   致命的な失敗は,氷山の一角にすぎない.
   ゴキブリの法則  1:3~20 ソフトウェアのバグの発見率

  高度技術集約型システム
   技術そのものの見落とし
    オーストリアのケーブルカートンネル火災
    2000/11/11
    http://fiveone.com/visionworks-news/articles/20040219kaprun.shtml

   ヒューマンファクターの落とし穴
    名古屋空港の中華航空機エアバス墜落事故
    1994/4/26

   経済優先の落とし穴
    スペースシャトル「チャレンジャー号」爆発
    1986/1/28

  高度技術集約型システムの事故の確率
   1:29:300 ==> 1:2:10
   ハイテクで日常的な小事故は減少する
   予想しなかった大事故はハイテクでは防げない

  労働集約型技術システム
   建築現場,医療事故,情報システム,交通事故等

  都市構造技術システム
   地震災害 阪神淡路大地震
   水害  都市化による水害
   風害  台風、突風 
       洞爺丸遭難、余部鉄橋転落、東西線脱線
   火災  新宿歌舞伎町雑居ビル火災
       ロンドン地下鉄火災
   交通災害 東名日本坂トンネル事故
        タンクローリー店頭火災

   
  大きな組織でのシステムの落とし穴
   決定権を持つ者が,科学,工学,専門技術を知らない
   官庁,政府機関,国立研究機関,大企業
   特に,官庁,政府機関で,その傾向が強い
    =>日本では,高度に技術的なシステムを扱う組織でも
    文系の者を責任者にする場合が多い
   
   現場に近いところにいる専門家に組織上の権限がない
    年功序列の弊害,専門家の軽視

   関係者間での情報共有が不十分である
    所属組織,部門間の壁が大きい
    => 「村社会」的風習   

   問題解決と責任の明確化が切り分けられない
    問題解決を促進するための仕掛けの欠如
    責任ある立場の者が責任をとらない
    組織内における責任のなすり合い
    =>論理的手法,科学的手法で,組織が動かない

   安全性,信頼性の向上よりも,予算管理を優先する
    安全に関する認識が甘い


 安全のTips
  電車の事故と脱線.
  JR 福知山線事故 (2005/4/25) 事例
  被害者
   死者 107名
   運転士 1名
   1両目 42名
   2両目 57名
   3両目 3名
   乗車車両不明 4名

  一般的にも,先頭から3両目までは,大きな被害を受ける確率が高い.



 教科書
機械安全工学―基礎理論と国際規格
清水 久二,福田 隆文
養賢堂

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 この回の講義の参考書
安全と安心の科学 (集英社新書)
村上 陽一郎
集英社

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よくわかるリスクアセスメント―事故未然防止の技術 (中災防新書 (014))
向殿 政男
中央労働災害防止協会

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リスクマネジメントの法律知識 第2版 (日経文庫 D 20)
長谷川 俊明
日本経済新聞出版社

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国際化時代の機械システム安全技術
安全技術応用研究会,向殿 政男
日刊工業新聞社

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安全学の現在―村上陽一郎対談集
村上 陽一郎
青土社

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国産ロケットはなぜ墜ちるのか
松浦 晋也
日経BP社

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講義 プログラミング 2007-2

2007-10-08 | Software
 某大学での「プログラミング」の2007年度の2回目の講義.

 イントロダクションとして,以下について述べた.

 目次
  情報の調べ方
  演習
  Linux
  ソフトウェア
  FORTRAN
  課題


 情報の調べ方
  大学での学びの基本としての,情報の調べ方
   大学は,自分で勉強するところです.
   わからない専門用語や概念があったら,
   まず自分で,調べましょう.

  1) インターネットで調べる
   インターネット上の色々な情報源
    ウィキペディア  インターネット上のオープンな百科事典
     日本語 約41万項目
     http://ja.wikipedia.org/wiki/
     英語 約200万項目
     http://en.wikipedia.org/wiki/

    ITプロフェッショナルのためのコンピュータ用語事
     http://www.atmarkit.co.jp/icd/index.html

    IT用語辞典
     http://e-words.jp/

    アスキーデジタル用語辞典
     http://yougo.ascii.jp/

    日経パソコン用語辞典2007
     http://pc.nikkeibp.co.jp/pc/glossary/index.html

   検索エンジン
    www.google.co.jp
    www.google.com
    www.goo.ne.jp
    search.msn.co.jp


  2) 図書館で調べる (本を借りて読む)

  3) 大型書店にいって,本を購入して読む.
   プロは必要な資料は,自分の手元におく.
   読書ほど,安く,確実な学習法はない.


 演習
  メディア情報センターのICTルームでの演習について説明.
  ソフトウェアの使い方等については,
    「メディア情報センターICTルーム Linux超入門ガイド」
  を参照.


 Linux
  1) この講義の演習で使う,Linuxの概要.
  2) GNU Project と リチャード・ストールマン
  3) リーナス・トーバルズ
  4) 参考文献等
   オープンソース GNUシステムとフリーソフトウェア運動
   オープンソース Linuxの強味
   Linuxの詳しいマニュアル

Linuxで学ぶコンピュータ・リテラシー―KNOPPIXによるPC-UNIX入門
九州工業大学情報科学センター
朝倉書店

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 ソフトウェア
  1) PCやサーバーなどのコンピュータソフトウェアの階層イメージ.
  2) 言語処理系
  3) 主なプログラミング言語の種類
  4) コマンドインタプリタ
  5) エディタ

 FORTRAN
  1) 歴史
  2) F77
  3) 書式
  4) お作法
  5) HELLO (サンプルプログラム)
  6) コンパイル
  7) 実行
  注) この部分については,教科書「FORTRAN77とFortran90」の1.p - 17.pを
  読み,自習しておくこと.


 課題
  課題プログラム sample1.f sample2.f の内容について説明した.
  コンパイル,実行,印刷についても説明した.

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