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理工系 物理学講義

2008-06-20 | Mech Eng
 本書は,理工系の大学,特に工学系の専攻での1-2年生を念頭においた,初級物理学全般の基礎的教科書である.

 高校での,物理や数学の理解が不十分である学生も想定し,基礎的なレベルから(特に微分積分の解説には1章の11ぺージをあて親切に詳しく説明している),法則や原理が丁寧に解説され,のちの専門科目への発展性が配慮されている.また,あちこちに「寄り道」という,コラムが設けられていて興味をひく.

 物理の基本的な用語や概念から,相対論,量子論のさわりまで,幅広く網羅しなながら,262.p とコンパクトにまとめられている.図も豊富で,イメージがつかみやすい.さらに,章ごとに例題や練習問題も用意されている.
 付録には,単位,公式,ベクトル,微積分等の物理数学の簡単な解説がまとめられていて親切である.また,索引のキーワードには,すべて英語表記も記載されていて,用語集としても活用できる.

 筆者の加藤 潔 先生は,工学院大学物理学 教授で,素粒子,高エネルギー物理を専門として,国際学会に多くの論文を発表している第一線の研究者.本書には,加藤先生の,長年の実際の講義の工夫が随所につまっている.

 本来は,実際の大学の講義で用いる教科書だが,独学や自習での理工系物理の入門用,復習用の教科書として,おすすめできる一冊.


目次
1 基本的なことがら 
2 質点の力学 
3 力学の保存量 
4 万有引力 
5 剛体の力学 
6 流体力学 
7 波動 
8 熱力学 
9 電磁気学 
10 20世紀から現代へ 
付録


理工系物理学講義 改訂版

加藤 潔

培風館

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