このところ内田康夫にはまっている。
ほとんどが「浅見光彦シリーズ」だが。
話が明快でいい。それと筋が決まっているのでどんどん読み進む。
先日読んだ「靖国への帰還」は違った読み物。
終戦直前「特攻隊員」として出撃。出撃前の数日の休暇を海辺で過ごす。
大樹の下でアリの行列を眺めていると、女学生がそばに来て言葉を交わす。
当時の事情からするとそれだけの話。
海軍の制服姿で佇んでいたので女学生も気になったのかも。
その後、出撃するがタイムスリップして現代に出現。
現在の厚木基地に着陸。
国を挙げての大騒動に巻き込まれる。
かつて海岸で言葉を交わした女学生の孫と出会う。
戦死したことになっている人間の出現に戸惑う周り。
終章は、整備された戦闘機に乗って雲の彼方に消えていく。
「靖国」へ行くために。
と、まあ、浅見光彦とは全く異なる本であった。
作者は1934年生まれ。真珠湾攻撃が1941年だから、7歳ころか。
今で言えば小学2年から4年間戦争の中で生きた。
神風とか神州不滅とかに少なからず胸をときめかせていただろうか。
この本と作者の想いが無縁ではないと、想いを巡らせて・・・。
久しぶりで、湊かなえの本を読んだ。
bookoffで買ったから、新刊ではない。
中古本だと図書館と違って汚れや崩れのないのがいい。
初刷が3年前だから割と新しい。
奥付を見ると単行本化されたのは新しいが、初めて出たのは、所謂文芸誌?はそれより2,3年前。
多分、出版社から単行本化を持ちかけられ出版されたと憶測しているのだが。
瀬戸内海のある島を題材にした短編集。
以前に「告白」ドラマになった「Nのために」や「贖罪」など、「重み」のする内容なのだが
ハッピーエンドでないところが、少し良くて、読んでしまう。
「告白」は三回読んだ。