秋の富士山で採れる野生キノコの中で高級品といえば、
松茸・クロカワ・ホウキタケ・ホンシメジ・コウタケといったところでしょうか。
松茸は香りが良いだけで、決して美味しいキノコではないので、
さほど収穫に熱が入りません。
クロカワは美味しいキノコですが、苦味がどうも食味に合いません。
ホウキタケは炊き込み御飯で美味しさを発揮しますが、料理の広がりがあるので
良いキノコです。
厚めのスライスで湯煎してから冷まし、水気を切ってから、砂糖を加え出汁で
緩めた味噌床に漬けこむと、美味しいオカズになります。
多くのキノコ人が高級キノコを血眼になって探しますが、私は希少価値の
高級キノコより、本当に美味しいキノコのナラタケ・チャナメツムタケ・ハナイグチ・
ツガタケを狙います。
晩秋の野生雑キノコで美味しいと思うのは、ナラタケやチャナメツムタケです。
時期が巧く当たれば、チャナメツムタケはたくさん採れます。
保存用に水煮瓶詰めや佃煮に仕上げて冷凍保存すれば、
一年中美味しく食べられます。
チャナメは味噌汁で佃煮でも鍋でもすき焼きで美味しく食べられるキノコなので、
キノコ人には人気です。
特に、採れたてのチャナメを湯煎してから醤油味の油炒めをすると、
もう箸が止まらない美味しさです。
キノコ自体の旨味があって、食感はナメコのようです。
地域によってはチャナメを“地ナメコ”と呼ぶこともあります。
ナメコと違って樹肌から出ないで、地面から出ますから、
すこし土臭いという人も居ますが、気になったことはありません。