クロスバイクで元気

念願叶った定年退職の身は、先立つ物は細く時間は太くの狭間。
歩いて、自転車に乗って感じたことを、気ままに書き続けます。

妙興報恩禅寺

2011年03月06日 19時59分59秒 | 日記
今日は家から8キロほどの一宮市博物館へママチャリで出かけました。
雨が降りそうな空模様だったので、愛機ルイガノをおいて、ママチャリです。

博物館では 「尾張平野を語る15」 の2回目の講座 『法を伝え心をつなぐ衣 ~袈裟~ 』です。
博物館の東隣の妙興報恩禅寺の住職 稲垣宗久さんの講演というか、講話です。

稲垣住職は、年のころ50代の半ばぐらいでしょうか。
目をかっと見開いて、目力のある方でした。

住職は、『 KASHAYA 』を、いきなり司会の学芸員の久保嬢に白板に書かせ、これは、サンスクリット語。
正確には“A”の上には、横棒が。
更には、“H”は、エッチではなく、エイチとか。
さばけた住職です。

そのままローマ字風に読めば、カシャヤ。
ちょっと、それ風に読めば、カーサー、ケーサーと。
そうです、これが、“袈裟”の語源なんです。
日本語の“袈裟”は、当て字だと。

『 KASYAYA 』の本来の意味は、色の名前とか。
それも、壊れる色、壊れた色、濁った色、蓐色だと。

2500年前に仏教を立ち挙げた釈迦の教えは、“衣”は、糞掃衣、“食”は、托鉢によるべしと。
糞掃衣とは、道端に転がる衣、不要になった死者の衣などを縫い合わせて作るものとか。
今で言う、袈裟。

印度では気候が暖かく、糞掃衣を直接体に捲く下着。
ヒマラヤを超えて、中国に渡った北伝仏教の地では、糞掃衣は上着に。

袈裟には、五条、七条、九条、二十五条と数が多くなるほど、高貴な方が纏う袈裟。
住職が纏って見せた、七条は、見た目には幅2.5メーター、高さ1.2メーター。
九条は、同じく5メーター、1.5メーター。

妙興報恩禅寺には、600年前の袈裟が現存するとか。
禅宗には経典は無く、師の教えを継ぐには、師から袈裟をいただき、それはもう殆ど纏うこともなく、大事に保管し、今まで保存されてきたとか。

さて、ところで禅宗とは、何でしょう。
さる高僧が、100から200人いる弟子から後継者を選んだ時に、『心に思うことを詩に表せ』と。
大本命の弟子が歌ったのは、『我々は油断をすると、心に垢がつく。垢の縮れをとめて、払しょくせよ』と。

片や、後継者に選ばれた僧籍すらない寺男の“えのお”が歌ったのは、『本来、人間には心は無い。無一物のいずれに仁愛がつかん』と。
ぅぅ~~ん、難しいですね。
コメント
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